風呂のリフォーム代を経費で計上する為の手法として、とある会計の本には『ハワイのゴルフ場に併設されたバスルームで殺人事件が起きる小説』を書けば、それを経費で落とすことが可能だと説明している。
つまり、ライターや小説家である必要があるということだ。そう考えるとライターというものは便利なもので、全て作品にしてしまえば、食事だろうが風俗だろうが経費で落とすことが出来るわけである。
だがもちろん、同じような考え方で、ライターや小説家でなくても経費で落とせる場合もあるはずだ。この『風呂のリフォーム代』というテーマの場合、映画やドラマ、テレビ番組の制作関係者であれば、同じような考え方で、そのリフォーム代を経費で落とすことは可能である。
また、『どうしてもリフォーム後の風呂に入らなければならない状況』を先に想像したとき、見えてくるのは、『スタッフの慰安の為に必要だった』というシナリオである。例えば、マッサージや入浴、ストレッチ、栄養補助といった入念な健康管理を行わなければ仕事にならない、という状況はないか。
格闘技、力仕事、汚物にまみれる仕事等、そういった苛酷な重労働を仕事とする人々は、その入念な健康の為の補助を受けられなければ、デスクワークの人達と比べて、少し不公平さを感じはしないだろうか。よく、企業にマッサージ師が来てマッサージをするという福利厚生があるが、デスクワークしかない企業にそれがあって、重労働者が働く企業に、マッサージ以上のものが用意されないのは、おかしい。
パソコンがなければ仕事が出来ない、だから壊れたら新しいものを買う、あるいは壊れないようにメンテナンスをし、それにお金を使う。サーバーが熱暴走しないように、サーバー室にガンガンクーラーを入れて冷やす、それにお金を使う。
それが許されて、重労働者に風呂代を支払うこと、あるいは、皆が入れる風呂にするためにリフォームすることにお金をかけることが認められないのであれば、ちゃんちゃらおかしいだろう。この辺りのシナリオを固めれば、経費計上も不可能ではないはずだ。