『お買い得』や『限定』に支配されて株式投資をしてはならない
人は『お買い得』や『限定』に弱い。『今だけお買い得!』だとか、『本日限定!』というシールが貼られた商品がスーパーマーケットに並べられていれば、主婦はこぞってそれらの商品に群がり、お得な気分に浸ることに躍起になるだろう。
そういうとき、人にはバイアスがかかっている。つまり、『思い込み』だ。それを取りのがしてしまっては、損をする。そう思い込んでいるのである。しかし、実はそのバイアスによって人は、想像以上に不合理に動き、知らぬ間に損失を被っているということがあるのだ。『スノッブ効果』とは、希少性が高い商品に対して購買意欲が湧く概念のことである。人はこのような希少性の高そうな物を見た時、スノッブ効果によって購買意欲をそそのかされ、ある種の中毒状態になっている。
株式投資で考えてみよう。上昇トレンドでは順張りトレードなのに、下降トレンドでは逆張りトレードになってしまう人がほとんどなのは、『そろそろ止まるはず、さすがにもう反発するだろう』と考えるわけである。では、そこには一体どのようなバイアスがかかってしまっているだろうか。そして、それで本当に塩漬け株を増やすことに繋がらないだろうか。
上昇トレンドが継続されているのであれば、株価が上がり続けている間はそのままでもいいだろう。しかし、下降トレンドが続いている場合は、決して逆張りの買いからは入ってはいけない。下降トレンドの真っ只中なのにどうして自分が買ったところで反発すると思うのか。まさか、『買ったところが底だった』とでも言うつもりだろうか。
下降トレンドが続いている限りは、そのトレンドに乗って売る、つまり空売りをするべし。買いでも売りでもトレンドには決して逆らわず、順張りトレードをすることが絶対原則だ。