株式投資で損切りを忘れて欲を張ると、せっかくの勝ちが水の泡になる
投資の大原則は、『損をしないこと』だ。つまり、『勝ち』なら『大きい勝ち』でも『小さい勝ち』でもどっちでもいい。そのどっちともが、『損をしていない』ということになるからだ。
世界一の投資家、ウォーレン・バフェットは言った。
『投資で成功する為には、3つの原則を守らなければならない。第1の原則は、『損をするな』。第2の原則は、『第1の法則』を忘れるな。第3の法則は、第2の法則を忘れるな。』
市場が熱くなって買い上がっているときにこっそり自分だけ売ることが出来るだろうか。出来ないなら、ウォーレン・バフェットの掟を守ることは出来ない。何しろ損をした人間は、『別に自ら損をしようと思って行動していたわけではない』のだ。ということは、何らかの盲目状態、錯乱状態になり、冷静な判断が出来なくなり、判断を見誤り、転落、失墜するという事実が浮き彫りになる。
投資の世界では、実に9割の投資家が負けるというのが相場だ。ということは、もう『市場』というものなど、『大勢の人が集う場所』なわけで、大勢=9割だという判断が出来なければおかしい。つまり、負ける9割の人と同じ行動を取って勝てるわけがないだろう。
フランスの哲学者、ルソーは言った。
『慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく。』
従って、『市場が熱くなって買い上がっている』という事実など、別に自分がそこに一緒になって買い上がるべき、という判断にはならない。
だが、往々にして人は物事が自分の思い通りに運んでいくと、その方向にそのまま順調に進んでいくという事実を盲信する。ギャンブルだろうが株式投資だろうが、人は大抵この盲信によって、文字通り目が盲目になり、判断を見誤り、負けてしまう。
最初は大きく勝っていたのに気が付いたらいつの間にか負けていたというのがお決まりのパターン。勝ち続けることはできない。勝ったのだから、それで良しとしなければならない。欲を張り、執着するのではなく、そこで退き際を見るべきである。相場がいいときだけやって、勝ち逃げを繰り返すことが鉄則だ。