自己破産すると残りの教育ローンはどうなる?また新たに組める?
免責が確定すれば、教育ローンの支払いからは解放されます。
また、自己破産は信用情報機関でブラックリスト登録されます。その期間は往々にして10年と定まっているため、少なくとも破産後10年以内は破産者名義での教育ローンは組めないと言えるでしょう。
しかし、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の「国の教育ローン」を利用したい場合、家庭内の自己破産者以外の者が申込人となると、ローンが通るケースがあります。ただ、生計を立てている者が過去10年のうちに自己破産している場合、その家族の誰が申請しても審査は通りにくくなっています。
これが民間の金融会社ですと債務整理をしていない配偶者や身内名義での教育ローンが利用できる可能性があります。民間の金融業者にて教育ローンを組むのは子供本人であっても構いません。実際支払うのがその親だとしても、審査自体は問題ないでしょう。
教育ローンは、基本的に親が子供に使う教育費という位置づけだね!だから費用は親が払うということ!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
返済中に自己破産したら残りの教育ローンはどうなるの?
端的にお答えすると、免責許可申し立て時に教育ローンの債務の申告をしているのなら、申請者は教育ローンの債務から解放されることになります。詳しく見ていきます。
同時廃止
多重債務に苦しむ多くの方達にとって、救いとなるのが「同時廃止」制度です。これは、自己破産の手続きを開始決定と同時に破産手続きが終了する仕組みを指し、免責手続きだけ行う方法です。
現金で33万円以上所持をしていない方や、20万円相当の資産価値のあるものを有していない方、さらに破産管財人が免責調査をする必要のない場合において行われる手続きであり、東京地方裁判所だと3~4ヶ月で手続きが終了します。
貸金業者は、弁護士が介入した案件については取り立てることができないと法律で禁止されていますので、弁護士に依頼したその日中に受任通知(弁護士介入通知)を作成して発送してもらえれば、早ければ当日中に取り立てや返済のストップが実行されるでしょう。これで一旦、教育ローンの返済についても少し肩の荷が降りるはずです。
次に、弁護士は1~3ヶ月かけて貸金業社から取引履歴を開示してもらい、法定金利(15~20%)への引き直し計算をします。
ここで正しい債務額が確定し、過払金が発生している場合は返還請求をすることができます。申立人は申し立てに必要な書類の収集や申立書の作成を行なった後、裁判所にて受付を済ませ、即日裁判官と面接を行います。この時には、免責事項に教育ローンの債務についてもしっかり記載しておかなければなりません。
同時廃止の場合、申し立てを行ったその日に、破産手続開始決定と同時廃止決定が行われます。免責については、この時はまだ決定していません。後日に行われる免責審尋の約1週間後、免責許可決定が弁護士事務所に送付されます。免責が法的に確定するのは、そのさらに1ヶ月後となります。
この時点で、申立人は教育ローンの責務から完全に解放されたと言って良いでしょう。
自己破産は全ての借金から解放されるよ!『支払い義務』と借金は違うから注意が必要だね!だけど教育ローンは借金だね!
ぴよぴよ(たしかに)!
教育ローンが免責されないことはあるの?
自己破産を申し立てたからと言って、必ずしも全ての債務が免責されるわけではありません。申し立て人の生活習慣や本人の人となり、その他様々な理由によって裁判所が免責を許可しない場合があるのです。
免責不許可事由の例
- 「浪費行為」
ギャンブルや派手な買い物癖、外食癖など、収支のバランスの取れていない浪費行為による債務は免責不許可事由となります。
- 「偏頗弁済」
破産法では、全ての債権者は平等に扱われるのが原則です。そのため、破産前に特定の業者のみ返済してしまうのは、平等性が崩壊するので許されません。
- 「換金行為」
不必要に借金を増やす行為とみなされ、換金行為を繰り返すなどその程度が著しい場合には、不許可事由となります。
- 「名義を偽装しての借金」
クレジットカードの使用も含まれるこの行為は、返済能力が自分にないと分かっていながら借金をしているため、不許可事由となります。
- 「不誠実な態度」
資産の隠匿や面接日の理由なく欠席する、虚偽の回答や申告、破産管財人への応答拒否といった不誠実な態度は、免責が許可されない原因となります。管財人面接では債務者になった時期や経緯・理由、現在の財産の詳細や収支について細かく聞かれますが、決して嘘を言ってはいけません。
上記のように、免責不許可事由の一例を挙げて見ましたが、現在では不誠実な態度を行わない限り裁量免責を認めているケースが非常に多くなっています。
そのためには、不許可事由への態度が改まっていることが必要不可欠ですが、免責へのハードルは真摯に取り組めばそれほど高いものではないでしょう。
教育ローンはギャンブルや浪費じゃないからそれは大丈夫だね!だけどその他の部分で問題を起こしてしまったら、すべての借金に影響が出ることがあるよ!
ぴよぴよ(注意が必要っす)!
自己破産しても教育ローンは利用できる?
近年では、子供の進学費用が大変高額になっているため、教育ローンを組む一般家庭が大変増えています。しかし、自己破産すると通常ローンは一定期間組めなくなるため、破産者にとっては頭の痛い話になるでしょう。それは教育ローンも例外ではありません。
子供のために教育ローンを組みたくても、破産者はローンを組むことができないのです。自己破産は官報記載情報なので、全ての信用情報機関にその旨が記載されています。
金融業者は、ローンの申請が来ると申請者の返済状況や債務状況を確かめるために、必ず審査時に信用情報機関を参照します。自己破産の登録は多くの場合、情報保持期間が10年と定まっているため、少なくとも破産後10年以内は破産者名義での教育ローンは組めないでしょう。破産者は、いわゆるブラックリスト入りしているからです。
またローン申請者の、
- 居住年数
- 居住形態
- 勤続年数
- 年収
なども審査基準となるため、破産後住まいを変えられた方は当然居住年数も短くなり、審査に不利となります。ローンの審査は審査項目が細かく、トータル点数での審査となりますので、仮に自己破産後十分な年収と安定した勤続年数を重ねていたとしても、審査の合格点には届かない可能性があります。
また、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の「国の教育ローン」を利用したい場合、家庭内の自己破産者以外の者が申込人となると、ローンが通るケースがあります。
ですが、審査は依然厳しいものがありますので、必ずしも通るとは限りません。国の教育ローンの申請は、その家庭の生計を支えて生活を維持させている本人でなければ借入申込人にはなれない、と言われています。
そのため子供が実家住まいである場合、家計を支えている大部分が過去に自己破産したことのある父親なら、その家庭での教育ローン申請はほぼ通らないと考えて良いでしょう。
金銭の大小に関わらず家族の誰かに固定収入があるとしても、子供本人が出す借入申請や、パート勤めの母親や同居の祖父母が出す申請は、審査が通り難いからです。この場合、子供本人や破産者ではない親、固定収入のある兄弟が申請者となって、消費者金融系または銀行系の教育ローンを申請してみましょう。
破産者本人は10年間できない。そして、子供本人やパートなんかの家族でも審査は厳しい。その場合は対処法があるってことだね!
ぴよぴよ(うーむ)!
日本政策金融公庫での教育ローン
日本政策金融公庫(JFC)は、国が運営しています。教育ローンの申請に関し、安定収入があって独立して生計を営んでいる成人した子供の場合、子供本人からの申請が可能です。
国の教育ローンには民間の金融会社と違って世帯収入の上限が定められており、世帯収入の低い家庭ほど優先的に審査が通りやすくなっています。具体的には、1世帯1人の子供だと、
- 給与所得者の年収上限=790万円
- 事業所得者の収入上限=590万円
となります。
そのため、学生でありながら独立して生計を立てている子供の収入がそれほど高いとは考えにくいので、その点においては申請する価値があると言えるでしょう。
民間の金融会社だと、収入の低いものに教育ローンというまとまったお金を貸し付けるリスクを回避するため審査が通らない可能性が高いですが、そういう子供にこそ貸付を行っているのが国の教育ローンです。
また、国の教育ローンは年利2.35%程ですが、民間の金融会社はそれ以上のところが多く、使途自由のフリーローンと年利がそれほど変わらないところもあります。国の教育ローンは貸付上限金額が300万円ですが、民間の金融会社での貸付上限は多くのところが500万円となっています。
トータルの返済額を考えた場合、年利は安いに越したことはありません。
国が運営する教育ローンはなかなかありがたい制度だね!
ぴよぴよ(たしかに)!
教育ローンについて
教育ローンとは、教育資金を使途としている低金利のローンのことを言います。
使途が自由のフリーローンと違い、幾ばくかは低金利であるから利用しやすいものですが、審査基準が厳しいため借り入れは容易くありません。審査には細かな基準が設けられており、その上借入先によって審査難易度が違ってきます。
日本政策金融公庫が融資を行なっている「国の教育ローン」は、生計を立てている者が過去10年のうちに自己破産している場合、その家族の誰が申請しても審査は通りにくくなっていますが、民間の金融会社ですと債務整理をしていない配偶者や身内名義での教育ローンが利用できる可能性があります。
教育ローンを利用するにあたり、各社共通していると思われる最低条件を挙げてみましょう。
- 「申請者の年齢が満20歳以上である」
- 「申請者の前年度年収が200万円以上である」
- 「申請者の勤続年数が1年以上である」
この条件を満たしていれば、民間の金融業者にて教育ローンを組むのは子供本人であっても構いません。実際支払うのがその親だとしても、審査自体は問題ないでしょう。
国の教育ローンは確かに有難い制度だけど、自己破産をした場合に限っては、ちょっと厳しい目を向けられるんだね!だから民間の金融会社が役に立つことがあるよ!
ぴよぴよ(なるへそ)!
自己破産者が教育ローンを組む手立てはないのか?
自己破産をしてから10年間は信用情報機関に自己破産の登録が開示されているので、借りる手立ては存在しないと考えて間違いありません。信用情報機関に登録されている情報は、開示手続きをとれば自分でも閲覧することが可能なので、確かめてみると良いでしょう。
もし、自己破産から10年以上が経っているにも関わらず教育ローンの申請が下りないのであれば、何らかの事故情報が記載されている可能性があります。破産後10年経って新たに組んだローンやカード利用の支払い遅延、その繰り返しが事故情報として記録されます。
こういった遅延記録は5年間保持されますので、直近で身に覚えのない方も信用情報機関の開示は一度行っておくことをおすすめします。
ブラックリスト登録されている間は何をしても無駄だね!しかもどうやってもこれを短縮することはできないよ!ただひたすら待つしかないんだ!
ぴよぴよ(うーむ)!
開示手続きで得られる情報
日本信用情報機構(JICC)での開示手続きで確認できる個人の信用情報は、以下の通りです。
- 「氏名、生年月日、電話番号などの個人情報」
- 「カードローンやキャッシングなどの利用額及び、残高といった個人取引に関する情報」
- 「支払い遅延や法的手続きの有無といった取引に関して発生する情報」
また多くの人が盲点となっているのが、携帯電話の利用料金の支払い遅延についてです。うっかり払い忘れる人も中にはおられると思いますが、支払い忘れは遅延事故として信用情報に記録されます。
今月も支払い忘れて遅れてしまった、ということが続かないようにしましょう。遅延が連続すれば、いわゆるブラックリストとして判断されることになります。
法的手続きの有無は、何も自己破産だけを指すものではありません。任意整理や民事再生、特定調停もその範疇に入りますので気をつけてください。
信用情報機関は三つあるよ!そのうちのJICCの話だね!とにかくブラックリスト登録されている間は、ただひたすら待つしかないね!社会的制裁を受ける期間なのさ!
ぴよぴよ(うーむ)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!