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自己破産の手続きにおいて使用される『否認権』は、破産管財人が所有している?それとも債権者?

自己破産

自己破産の手続きにおいて使用される『否認権』って、債権者の権利?

自己破産

否認権を所有しているのは破産管財人ですが、債権者の為にある権利です。否認権とは債務者の不誠実な行為を否認する権利のことです。

 

どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!

自己破産

債権者は、債務者に破産されたらかなわないね!貸したお金が返ってこないんだから!だからせめて、債権者側には否認権が与えられるんだ!それくらい当然だね!詳しく解説するね!

ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!

 

『否認権』とは債権者の為の権利

自己破産の手続きにおいて使用される『否認権』とは、債権者の為の権利です。お金を貸した人のための権利ですね。しかし、これを持っているのは『破産管財人』です。破産管財人はいわば、債権者の代理人みたいなものですから、

 

  • 破産管財人=債権者

 

という考え方が出来ます。

 

破産管財人は、自己破産が決まって管財事件となった場合、そこで差し押さえた財産を正当に処分し、債権者に公正に配当する責務を負っています。

管財事件

破産者に、処分する財産がある場合の手続き。(ない場合=同時廃止事件)

 

ですから債権者は、破産管財人にはぜひ平等・公正な判断をしてもらいたいと思っていることは明白です。不正があることなんて当然認められないし、とにかく少しでもお金を作って配当してもらいたいわけですね。

 

自己破産

債権者が破産管財人にそう求めるっていうのは当たり前だよね!ここで不当な扱いが行われたら、債権者も黙ってないね!ただでさえ貸したお金が返ってこないんだから!

ぴよぴよ(たしかに)!

この章のまとめ
  • 債権者は、破産管財人には平等・公正な判断をしてもらいたいと思っている。

 

自己破産とは強制的な白旗である

自己破産というのは、債務者が支払い不能に陥ったとき、代償を払うかわりに借金を帳消しにすることができる制度です。つまり債権者に、

 

もうどうやっても借金の返済が出来ないから、お金を返す権利を捨ててください!

 

と主張するようなものですね。『強制的な白旗』のようなものです。戦場で白旗を上げている人がいた場合、もちろん多くの場合ではその人を殺すことはないかもしれませんが、中には殺す人もいるかもしれません。何といっても『戦場』ですからね。仲間を何人も殺されているかもしれませんし、殺しても罪に問われません。

 

自己破産

 

ですから、殺してもばれない可能性があり、その白旗を無視してしまうことがあるかもしれません。白旗を出すタイミングにもよりますよね。散々仲間を撃ち殺しておいて、いざ自分が死ぬ寸前まで追い込まれてしまったとなったとたん、

 

お、おい!やっぱり俺は降参するよ!な!白旗だ!

 

と言ったところで、ついさっき仲間を殺された兵隊は、彼を殺すかもしれません。また、白旗を出す人にもよりますよね。相手の大将が白旗を出したのに、それを殺してしまったら『せっかく戦争が終わるかもしれなかった』のに、またそれが遺恨となって戦争が続いてしまう可能性があります。

 

ですからケースバイケースですが、この自己破産の場合で考える『強制的な白旗』とは、戦場と違って、極めて高い確率で相手に殺されることはありません。もちろん、中には激昂を抑えられなくて殺してしまう人もいるかもしれませんが、そういうケースはほとんどないわけです。あまりにもリスクが大きすぎて、馬鹿馬鹿しいからです。

 

憎いが、誰か仲間を殺されたわけでもないし、相手も本当にお手上げ状態だし、やむを得ない。

 

として、戦場よりははるかに受け入れられやすいわけです。

 

自己破産

 

しかし、どこかそれは『強制的な白旗』です。殺して鬱憤を晴らすこともできない。相手の主張を鵜呑みにするしかない。ということで、少しでも破産者が妙な真似をしたら、大きなトラブルに発展するかもしれません。

 

自己破産

理不尽なことだからね!自分が貸した側だったら絶対やだよね!例えば野球の新庄さんだったら、預けてた人に44億円のお金を自己破産されて、そのお金が返ってこなかったわけだからね!

ぴよぴよ(それはきつすぎるっす)!

この章のまとめ
  • 債権者は、債務者の自己破産という『強制的な白旗』を受け入れなければならない。

 

債務者の不誠実な行為を認めない破産管財人

『否認権』とは、債権者の為の権利だと言いました。つまりこの権利は、そういった複雑な事情を抱えている債権者の権利を守るために用意されている権利なのです。破産管財人は、その債権者らの代理人のような立ち位置に居ますからね。

 

破産者は、悪気の有無にかかわらず、『不誠実』な態度を取ることがあります。例えば、偏頗弁済(へんぱべんさい)というものがあります。

偏頗弁済(へんぱべんさい)

特定の人にだけお金を返す行為。えこひいきのようなもの。

 

これをしてしまったら、債権者はどう思うでしょうか。そのえこひいきされた債権者だけは特別にお金を返してもらって嬉しいかもしれませんが、その他にも債権者がいます。とても嫌な思いをすることになりますよね。

 

自己破産

 

破産法第252条3項にはこうあります。

裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

 

三  特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。※破産法(第二百五十二条 三)

 

 

この偏頗弁済があった場合、自己破産が認められないこともあります。更に法律は続きます。

六   業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。

七  虚偽の債権者名簿を提出したこと。

八  破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。

九  不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。

 


 

これらはすべて、『不誠実な行為』ですね。

 

  • えこひいきをする
  • 嘘をつく
  • 捏造する
  • 隠蔽する
  • 妨害する

 

わけです。たとえば『六』であれば、『業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと』ですから、『財産を隠した』わけですね。その財産を処分すればお金に変えられて、債権者に支払わなければならないから、隠すわけです。

 

これは債権者側からすれば腹が立ちますね。ただでさえ『強制的な白旗』を受け入れなければならないのに、そこにこうした不誠実な行為が加わるとなると、これは平等ではありません。自己破産自体が認められないことになります。破産者だけが舌を出して、法律を悪用して、借金を踏み倒すわけですからね。そういう印象を持たれても仕方ありません。

 

自己破産

 

そんな自分勝手が許されてはいけないということで、きちんとこうして法律で定められています。

 

自己破産

自己破産

ただでさえ理不尽なのに、そこにこうした不誠実な行為が加わるとなると、もう我慢の限界だよね!これ以上踏みにじるのはやめろ!って怒られても仕方ないね!

ぴよぴよ(その通りっす)!

この章のまとめ
  • 不誠実な行為』とは、偏頗弁済や資産隠し等のこと。

 

否認権とは債務者の不誠実な行為を否認する権利

そして『否認権』とは、こうした債務者の『債権者の配当を減らそうとする行動の効力を否定する権利』ということになるわけですね。

 

自己破産

  • 債権者に財産を隠す
  • 特定の債権者にだけ支払いをする
  • その他捏造、隠蔽、妨害をする

 

という行動を、否定する権利ということですね。そして、ここには『悪気の有無』は関係ないわけです。ですから、

 

  • 財産を減らすような行為
  • 財産を人にあげる行為

 

を悪気なくやってしまった場合も、それを否定することができるということですね。否認の請求または訴訟によって否認が認められると、相手方は破産者の財産を原状に戻す義務が生じます。

 

破産法第167条にはこうあります。

否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。※破産法(第百六十七条)

 

つまり、ここでいう『否定する』というのは、ただ単に『それは認めない。』と言って首を横に振ることを言うのではなく、『その行為(取引)事態を認めない』として、強制的にその財産を元に戻すことができるということです。

 

自己破産

 

それは単純に、その財産を返してもらって済むこともあるし、お金の支払いが発生してしまっていた場合でも、そのお金を返金させることができます。

 

自己破産

 

例えば、100万円の価値があるものを、友人に50万円で売ってしまっていた場合、普通に50万円を返して、その100万円の価値があるものを返品させることができます。

 

そして、もし友人がその100万円の価値があるものを破損・処分等してしまっていた場合、破産管財人はその友人に50万円の請求ができる、ということになります。一応その友人も50万円支払っているわけですからある種の被害者ということも考慮されて、全額ではないということですね。

 

しかしこれはもし友人がそのことについて知らなかった場合、トラブルになりますね。彼からすれば、普通に50万円で買ったと思ったものが壊れて、損をした気分になっていたところ、さらに追い打ちをかけるように『残りの50万円を払え』と、強制的な支払いを命じられるわけですからね。

 

泣き寝入りをしたとしても、その破産者との間に大きな亀裂が生じます。ですから破産者はそういうことのないように、自己破産をすると決まったら悪気の有無に関係なく、誠実な対応をすることが求められますね。結局その行為は『否認権』によって否認されるわけですし、友人も踏んだり蹴ったりです。更には、債権者の気分まで害するわけですからね。

 

自己破産

 

まあ、実際にはそんな短期間で50万円も払った物が破損して、もう50万円を払うなんていうケースはほとんどないわけですが。

 

とにかく、自己破産をしなければいいわけですから。せめてそういう究極的な状況に陥っているときは、余計なことはせず、早めに弁護士等に依頼して最適な債務整理をすることが賢明ですね。

 

 

自己破産

自己破産はかなり強烈な制度だからね!それをぞんざいに遂行するとなると、大きなトラブルに発展しかねないよ!だからたくさん細かいところに気を遣っているんだ!

ぴよぴよ(その一つが否認権ってことっすね)!

この章のまとめ
  • 否認権とは債務者の『債権者の配当を減らそうとする行動の効力を否定する権利』。

 

 

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