『即日面接制度』とは?
自己破産の申立てをおこなったその日に、そのまま裁判官と弁護士が面談を行い、『同時廃止事件にするか管財事件にするか』を決定する制度です。この制度は、東京地方裁判所等、できるところに限りがあります。
自己破産の手続きは今日やってその日のうちにできるわけじゃないから、結構大変なんだ!でも即日面接制度が利用できれば、手続きがすぐに終わるよ!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
申し立てのその日に手続きできる即日面接制度
東京地方裁判所には
という制度があります。これは、 に、そのまま裁判官と弁護士が面談を行い、『同時廃止事件にするか管財事件にするか』を決定する制度です。
同時廃止事件とは、処分する財産がない場合、管財事件というのは、処分する財産がある場合です。それを判断するのです。処分する財産があれば、それは管財事件となり、破産管財人を立て、その管財人が財産を最適な形で処分し、借金の相殺等に充てるわけです。
処分する財産がなければ、借金の相殺に充てるものがありませんから、同時廃止事件となり、手続きがすぐに終了します。
しかし、この管財事件は終了まで通常1年以上かかり、自己破産申立人と裁判所双方に大きな負担となります。そこで東京地裁など一部の裁判所では少額管財という簡便法を採用しています。通常の管財事件の50万円に対して、少額管財の引継予納金は20万円となっているのが特徴です。
この、『申し立てを行ったその日に面談を行う』
は、読んで字のごとく、その日、即日に面接を行うということです。しかし、これは全ての地方裁判所で利用できる制度ではありません。東京地方裁判所に限られているのです。
では、他の地方裁判所の場合はどうでしょうか。他の地方裁判所の場合、自己破産の申立て書類を提出してから、自己破産の開始決定がなされるまでに約1カ月かかるのが相場なんですね。
即日面接制度は、読んで字のごとく、その日、即日に面接を行うということだね!でも、なんで東京地方裁判所だけなんだろう?
ぴよぴよ(たしかに)!
なぜ東京地方裁判所等にだけしかないのか
では、なぜ東京地方裁判所だけが即日面接の制度が導入されているかというと、東京という街が大都会だからです。地方の人が渋谷や新宿に行くと、その交差点の人の多さに、『今日は祭りでもあるのか?』と口をそろえて言いますが、それだけ地方と東京とでは、人口に差があるのです。
つまり、東京地方裁判所では、地方裁判所よりも遥かに多い自己破産の申立てがあり、自己破産の手続きを迅速に進めるために、この即日面接という制度が利用されているというわけなんですね。
この即日面接の制度は、東京に在住している人以外は利用することが出来ません。平成27年5月1日に、東京地方裁判所の運用方針が厳しくなり、原則として東京都内に住所地のある破産者しか、東京地裁に自己破産を申立てることはできなくなりました。
しかし、
という制度があり、即日ではありませんが、3日以内で面接を希望する日の候補を提出できる制度です。その候補日のなかから裁判所が日時を指定します。横浜は、神奈川県とは一線を画して、『横浜』として別格で呼ばれるくらい、東京に匹敵するくらいの大都会ですから、これが採用されているのかもしれません。
単純に、人が多いか少ないかってことだね!多ければ早く手続きを終わらせることが重要になるから、色々と対策を練らないといけないからね!渋滞とかでも、渋滞になる必要がないなら、ETCはいらない、みたいな!
ぴよぴよ(うーむ)!
即日面接のポイント
即日面接のポイントを見て見ましょう。
ポイント
- 少額管財の場合は、手続きが通常2週間~1カ月かかるところ、即日で開始される
- 同時廃止事件の場合は、その日のうちに破産手続きが終了することになり、たった1日で破産手続きが終わることになる
手続きが早く終わることは精神的にも大きなメリットがあります。ちなみに自己破産の場合、およそ9割近くが同時廃止事件となっています。ただし、同時廃止事件になって、その日に破産手続きが終了するとしても、免責審尋に出席しないと裁判所からの免責を受けることができないので、その手間がかかることは頭に入れる必要があります。
免責審尋とは、面接のようなものです。『なぜ破産することになったのか』等、その様な事情を正直に話す面接の場ですね。当然、こういう場を設けなければ正当な判断は下せないということです。
従って、最低でも1回は必ず裁判所に出向く必要があります。管財事件となれば、
- 破産管財人との打ち合わせ
- 債権者集会に出席
等の理由で、更に裁判所に出向くことが求められます。
管財事件だと即日で開始、同時廃止事件だとその日のうちに終わるって、かなり便利だね!やっぱり余計な手間はかからない方がいいにこしたことはないからね!合理化されているようだ!
ぴよぴよ(うーむ)!
即日面接の注意点
この即日面接には注意点があります。以下の条件が揃っていることが前提です。
注意点
- 債務者の財産や債務の状況についての書類が揃っている
- 代理人弁護士が債務者を調査・把握できている
従って、代理人弁護士がいない場合(本人申立ての場合)は、即日面接を利用することはできません。
また、弁護士ではなく司法書士に依頼している場合も利用できません。本来司法書士というのは、弁護士と違って行動に制限があります。
であり、 だと考えましょう。それゆえに、司法書士の方が料金が安くなっているのが特徴です。
つまり司法書士は、法定代理人の資格がなく書類作成代行までしかできないため、裁判官との即日面接ができないのです。
また、即日面接に魅力を覚えるという人は、やはり手続きを素早く済ませたいと思っていることでしょう。その為にも、弁護士に依頼するということは、理にかなっています。自己破産をするときには、実にたくさんの書類を不備なく用意することが求められます。
これを間違ってしまったら、もう一度書類を用意し直す等の無駄な時間を強いられることにもなります。お金はその分かかりますが、タイム・イズ・マネーだと考えれば、プロに依頼することは賢明な判断だと言えるでしょう。書類以外にも弁護士等の専門家は、様々な部分で頼りがいがあります。
どの道その後、自己破産決定の日から、
待つことになります。この免責意見申述期間は、お金を貸した人が異議を申し立てることのできる期間の事です。この期間がなければ、貸した側の人の気持ちが配慮されないことになります。
自己破産をする人は自分が早く楽になりたいと思うかもしれませんが、裁判所は自己破産者の味方ではありません。貸した側、借りた側、双方に公明正大な処置を下すことが求められています。
そもそも破産者側が『早く解放されたい、早く手続きをしたい』と思っても、そんなことは完全な私情ですからね。『あなたの私情だけではなく、相手側の主張も考慮することは当然だ』ということです。
様々な事情があって、結局自己破産というのは長い時間がかかってしまうものであり、逆に、即日で片付けてしまうような簡単な手続きではないということです。人の一生を変えるかもしれない大きな判断を、即日で安易に済まそうという発想自体が間違っているかもしれません。
しかし、少しでも早く、かつ確実に不備なく手続きを済ませて再スタートを切りたいと思うのは良いことです。ズルズル長引けばいいというものでもありません。従って、自己破産の手続きはやはりプロに依頼して一緒に取り組むのが最善策と言えるでしょう。
破産者の中には、『あえて苦労をする』という選択肢を選ぶために、司法書士に依頼する人もいるからね!そっちの方が不便で、自分でやらなければならないことが増える。だけど、教訓を多く得られるし、もう二度と失敗しない様意識できるからね!
ぴよぴよ(それは立派な考え方っすね)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!