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商業帳簿(業務帳簿)の隠匿・変造・偽造と免責許可の関係について(免責不許可事由3)

質問

自己破産で商業帳簿(業務帳簿)の隠匿・変造・偽造をするとどうなる?

答え

基本的に、不誠実なことをしたら自己破産は認められません。

 

詐欺をしたらなぜ逮捕されるのか、という問題を考えれば見えてくるように、まずはこの世に倫理仁義というものがあります。

 

自己破産とは、債権者に『貸したお金を諦めろ』と言うようなものです。そんな中、少しでも破産者に不誠実さがあるなら、裁判所はそれを許可することなどできません。より一層倫理や仁義について深く考えることを求められるということです。

 

どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!

ニワトリ

隠匿・変造・偽造っていうのは、捏造、隠蔽をするっていうことだからね!それは普通は、『詐欺』だよね!詳しく解説するね!

ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!

 

業務帳簿等の隠匿・偽造・変造が免責不許可事由となる根拠

破産法第252条第1項第6号にはこうあります。

業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。

 

つまりこれは、免責不許可事由に値すると明記されています。サラリーマンなどの会社勤めの方が自己破産する場合は給与所得者ですので、これらの帳簿には縁が薄いと思います。

 

しかし、開業届を提出しているような個人事業主の場合、出納帳や売上長などの業務・財産に関する帳簿を複数つけていることでしょう。書類で言えば、決算書や確定申告書がこれにあたります。

 

自己破産

 

多岐に亘る事業が存在するため、該当する帳簿や書類も多数存在すると思いますが、業務の会計状況や資産状況を示す書類関係は全てここに定められている「業務及び財産の状況に関する帳簿,書類」に該当するとみて間違いありません。

 

次に「その他物件」についてですが、条文の趣旨が不当な財産隠しを未然に防ごうとするものであることから、隠匿・偽造によって財産隠しの手段となりうる記録となるもの、を意味していると捉えてください。

 

借金

財産を隠せば、処分しないで済むからね!だけどそれが見つかったら大変だよ!最悪の場合は詐欺破産罪として訴えられ、1,000万円以下の罰金、10年以下の懲役だね!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 業務帳簿等の隠匿・偽造・変造は免責不許可事由となる。

 

業務帳簿等の隠匿・偽造・変造とは?

隠匿に関しては、文字どおり隠すことです。会計状況や資産状況を隠し立てすることは、債務を0にしてもらおうとする手続きにおいて大変不誠実な行為であり、隠された書類によって負債額や資産額が変動するようであれば正確な申立人の状況が把握できず、免責不許可事由となりえます。

 

また、これらを調査する破産管財人の手間もかかってしまうため、申立人の義務である「破産管財人の業務を妨害しない」という行為に違反することになります。

 

次に偽造行為についてですが、「偽造」は作成名義や書類の本質的な部分を改ざんすることを指します。

 

「ある書類を作成する権限のない人間が、その権限を持つ人物の名義を勝手に使って当該書類を作成した」

 

これは名義を偽造していることからその書類自体も偽造していることになり、免責不許可事由の偽造に該当します。また負債であれ純資産であれ、記載金額を事実とは異なる額で記していたりすることも偽造行為に値します。いわゆる文書偽造行為です。

 

自己破産

 

また変造行為に関しては、書類の種類によって判断が異なるため大変難しい事柄ですが、偽造行為とは異なり本質的でない部分を改ざんしていることを指します。本質的・非本質的の判断が難しく、日付一つ取っても大目に見てもらえる部分とそうではない部分があるため、書類の作成はより正確でなくてはいけません。

 

また、ここで定義されている隠匿・偽造・変造とは、前提として故意に行っていることが挙げられます。したがって、うっかりミスで帳簿をつけ忘れた、といった具合に意図せず行ったことは免責不許可事由として該当しないことを記しておきます。

 

自己破産

 

借金

基本的に、どんなことでも故意にやったとか、主体的だったかどうかとか、主犯なのか、計画的なのか、そういうことが追及されるよね!もし偶発的だったとしたら、重視されない傾向にあるよ!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 隠匿・偽造・変造とは、前提として故意に行っていることが前提。
  • うっかりミスで帳簿をつけ忘れた、といった具合に意図せず行ったことは免責不許可事由として該当しない。

 

業務帳簿等の隠匿・偽造・変造とは?

より具体的な例を挙げましょう。

 

Aさんはある会社の社長を務めていましたが、自己破産することになり会社の破産手続きも同時に行う運びとなりました。しかしAさんは会社のお金を自身のローン返済や遊興費に回しており、それを帳簿上の経費として計上し税務申告もしていました。

 

Aさんのような行為は、特別背任行為とされます。このような事実は、破産申立書類提出時に粉飾決算の有無を記載する欄がありますので、正確な情報を包み隠さず申告する必要があります。

 

自己破産

 

また、これらの申告書類に関しては弁護士のような申立代理人や破産管財人が可能な限り調査・確認しますので、偽造や変造の事実は高確率で明るみになると考える必要があります。

 

また、このことは免責不許可事由として一考慮事由にはなりますが、これだけで免責不許可が確定すると決まったわけではありません。偽造・変造といった小細工をせずに、初めから正直に誠実さを持って対応していくことが肝心です。

 

借金

小細工を使わず、誠実に!結局一番強いのは、誠実な人だよ!何があっても動じることはないからね!堂々と生きていられるよ!

ぴよぴよ(たしかに)!

この章のまとめ
  • 偽造・変造といった小細工をせずに、初めから正直に誠実さを持って対応していくことが肝心。

 

免責不許可事由とならないために

自己破産は、自分から願い出て裁判所により債務を0にしてもらう手続きです。そのため裁判所や破産間罪人、弁護士の言うことをよく聞いて免責手続きや調査に協力的でなくてはいけません。どんなに後ろめたいことがあっても、正直且つ正確に事実を申告し、心の底から反省する姿勢が求められています。

 

免責許可が下りるかどうか不安になって、虚偽の申告をしてしまう気持ちも分からなくもありませんが、債務を負った経緯や状況を鑑みて免責を許可してもらえる裁量免責の可能性もありますので、債務状況や資産状況は嘘偽りなく正直に申告するようにしましょう。

 

自己破産

 

自己破産とは、申立をすれば必ず免責が許可されるというものではありません。中には免責不許可事由に該当したり、その程度が酷い場合や態度が免責するに値しないと判断された場合には、裁量免責の余地もなく免責不許可となってしまうケースも存在します。

 

業務帳簿等の隠匿・偽造・変造も、そういった免責不許可事由の一つであり、資産状況や会計状況を記した帳簿や書類等を隠匿・偽造・変造することを故意に行ってはいけません。

 

もし虚偽の申告をしてしまった場合、破産管財人や申立代理人(弁護士等)から調査・確認を受け、明るみになることでしょう。免責許可を得るにあたり、どのような状態であっても正確且つ誠実に申告・対応することが求められます。

 

借金

一番重要なのは、『心の底から反省する姿勢』だね!それがあるかないかで、一気に内容が変わるよね!『反省しているっぽい人』じゃないよ、当然だけど!

ぴよぴよ(うーむ、深い)!

この章のまとめ
  • 自己破産は正直且つ正確に事実を申告し、心の底から反省する姿勢が求めらる。

 

 

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