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破産者が悪意で加えた不法行為(犯罪など)に基づく損害賠償請求権(免責とならない主な債務3)

質問

自己破産で事件に対する損害賠償の責任も消える?

答え

内容によります。『破産者が悪意で加えた不法行為(犯罪など)に基づく損害賠償請求権』であれば、非免責債権に該当します。悪気の有無や、内容の深刻さで答えが変わるということですね。

 

例えば、窃盗や傷害事件等であれば、免責となりません。しかし、同じ暴力でも『正当防衛』であれば罪に問われないように、損害賠償の内容によって答えが変わります。

 

どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!

ニワトリ

正当防衛と過剰防衛ってあるからね!だから一概には言えないけど、そうやって見えない境界線があるから、適切に考えられていくよ!詳しく解説するね!

ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!

 

不法行為(犯罪など)に基づく損害賠償請求権について

非免責債権である、悪意ある不法行為に基づく損害賠償請求権を説明する前に、「不法行為に基づく損害賠償請求権」について知っておきましょう。「不法行為に基づく損害賠償請求権」の詳細は、民法第709条によって定められています。

 

民法第709条にはこうあります。

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う

 

つまり「意図的に、または不注意により加害行為や権利侵害行為を行い、確かな因果関係が立証される場合において損害が発生した」とき、その損害を賠償しなくてはならないということです。

 

自己破産

 

例えば、窃盗や傷害事件等がそれにあたります。これが損害賠償請求権を行使される時、加害者は明確な目的を持って窃盗や暴力を振るっているか、または必要な注意を怠っていたため結果的に加害者になってしまっている、という他人の損害と行為との間にはっきりとした因果関係が生じることになります。

 

交通事故にあったとしましょう。もし当該の交通事故が故意であった時、場合によっては加害者は殺人容疑殺人未遂容疑がかけられ、多額の損害賠償と慰謝料を請求されるでしょう。これは過失であった場合も同様で、加害者の前方不注意による事故であったとしても、被害者側に怪我や衣服・自転車等の損害が発生していれば損害賠償請求権が発生します。

 

自己破産

 

また、医療ミスによる後遺症などについても同様です。医師の判断ミス、診断ミス、執刀医の技術的なミスなど医療ミスは非常にデリケートな問題ですが、それによって患者に損害が発生している場合、損害賠償請求権が発生します。

 

裏を返せば、故意または過失によって加害行為を行っても損害が発生していないのであれば、損害賠償請求権は発生しません。また同様に加害行為を行ったとしても、損害自体は別の理由で生じたのであれば、損害賠償請求権は発生しません。

 

自己破産

 

借金

損害が生じるかどうかだね!また、損害が実際に生じても、相手がそれを訴えなければ解決することになるよ!和解、示談というやつだね!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 故意または過失によって加害行為を行っても損害が発生すれば、損害賠償請求権が発生する。
  • 故意または過失によって加害行為を行っても損害が発生していないのであれば、損害賠償請求権は発生しない。
  • 加害行為を行ったとしても、損害自体は別の理由で生じたのであれば、損害賠償請求権は発生しない。

 

損害賠償請求権が非免責債権となる場合

不法行為に基づく損害賠償請求権は上記に記した通りですが、自己破産によって免責の対象外となるのは「悪意で加えた」不法行為である場合のみとなります。

 

自己破産

 

この根拠は、破産法第253条第1項にあります。

免責許可の決定が確定したときは,破産者は,破産手続による配当を除き,破産債権について,その責任を免れる。ただし,次に掲げる請求権については,この限りでない

 

ここにこう明記されており、この請求権の中に「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」(破産法第253条第1項2号)と、「破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」(破産法第253条第1項3号)が指定されています。

 

ここでいう悪意とは、通常法律用語で解釈される「何か知っていること」という意味合いよりも、「故意又は重大な過失よりも悪質なもの」であると捉えておきましょう。

 

なぜなら破産法の条文により、「単なる故意・過失で片付けるべき問題ではない重大な過失に関しては免責されるべきではなく、たとえ破産したとしても被害者の保護のために最後まで賠償させなければならない債務である」と読み取ることができるからです。

 

したがって、非免責権となる損害賠償請求権は、民法上の取り決めよりも大分限定されると考えられ、刑事事件へと立件されるような窃盗や横領、傷害事件等の犯罪行為がこれに当たると言えるでしょう。

 

借金

悪意でない場合で損害を与えてしまうことはあるからね!例えば、思い切り背伸びをしたら人の鼻に手が当たって、打ちどころが悪くて転倒し、それで頭を打って入院する場合とか!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 自己破産によって免責の対象外となるのは「悪意で加えた」不法行為である場合のみ。

 

損害賠償請求権に対する支払いを怠るとどうなる?

非免責債権である「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」は、必ず支払わなければなりません。自己破産後この債務を踏み倒していれば、いずれ被害者側から給与や預金の差し押さえを強制執行されるでしょう。

 

自己破産

 

しかし、強制執行の手続きは裁判所を通して行うため、手間と時間とお金がかかってしまいます。多くの場合、被害者側がどのように損害賠償金を回収しているのかというと、間に弁護士を挟んで返済に関する取り決めを証書に残し、きっちりと行っているようです。

 

自己破産

 

自己破産しても免責されない債務の一つに、「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」があります。これは非免責債権の一つであり、「積極的に悪意を持って不法行為を行い相手の権利を侵害する、または損害を出した場合はその責が免責されるべきではない」と判断されることにより、自己破産後も引き続き返済責任が生じるものとなっています。

 

被害者の保護を第一優先した結果の非免責債権ですので、これを踏み倒していては、いずれ給与差し押さえ等の強制執行がなされる可能性が考えられます。

 

 

借金

まあこれに限らず、大体の支払い義務はそれを怠ると強制執行になるね!『義務』というぐらいだから!義務じゃないやつは、そこまでの強制力が働かないのは事実だね!

ぴよぴよ(たしかに)!

この章のまとめ
  • 損害賠償請求権に対する支払いを怠ると給与や預金の差し押さえを強制執行される。

 

 

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