自己破産の方法って種類があるの?
自己破産には管財事件と同時廃止事件の2種類の方法があります。
- 処分する財産がある場合=管財事件
- 処分する財産がない場合=同時廃止事件
です。
処分する財産があるかないかによって、手続きが変わるんだね!全くない場合は同時廃止事件となって、管財事件の場合よりもすぐに終わるよ!費用もかからないね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
財産がある場合とない場合で手続きの方法は違う
自己破産をするときは、破産者にお金や財産があるかどうかを調査します。もしそれがあるのに自己破産をするということになれば、当然その主張は通りませんからね。
いや、あなた財産あるじゃん。
ということになり、
だったらそこから返しなよ。
ということになります。破産者の財産は、お金だけではなく、『処分、売却すればお金に換わるもの』もそうです。車や高級時計なんかがそうですね。とにかく、売れる物は全て売るという考え方になります。不動産もです。厳密には、
が処分の対象です。
しかし、生活に必要最低限のものは免除されます。
になります。
まあ、破産をするということは、お金を貸した側にお金が返ってこなくなるわけですから、それなのに破産者が、
- 高級時計を持っている
- 高級外車を持っている
- プラチナのネックレスをしている
- 大型ハイスペックテレビを持っている
- 海外旅行に行っている
- 不動産に堂々と住んでいる
なんてことがあれば、債権者、つまりお金を貸した側は、首をかしげますよね。かしげるどころか、激昂することもあるかもしれません。生活に必要最低限の財産以外は、全て処分する、という考えを持っていた方がいいです。
この調査をしたとき、二つの結果に分かれます。それが、
- 財産を持っている人
- 財産を持っていない人
の二つです。そしてそれらは上から順に、
- 管財事件
- 同時廃止事件
という名称がつき、手続きが進められていきます。
管財事件とは、
『処分する財産があるから、破産管財人を用意し、その人にそれらを正当に処分してもらうための手続き』
であり、同時廃止事件とは、
『破産手続きを開始しても、処分する財産がないため、すぐに終結するので、『開始と同時に終わる』ということで、開始と終結の手続きを同時に行う手続き』
です。 処分する財産があるかないかですね。あれば管財事件、なければ同時廃止事件です。
ちなみに平成29年4月1日から、33万円以上の現金を所有している場合は『管財事件』として扱うことになったよ!そのラインで判断するってことだね!
ぴよぴよ(どういうことっすか?99万円以下の現金は処分しなくていい。だけど、33万円以上持っていれば、管財事件となる)?
そうだね!だけど、そのお金は処分しなくていいってこと!
少額管財について
ただし、個人の自己破産における管財事件の場合は、通常の管財事件よりも手続が簡易化された
が選ばれることが多いです。
この少額管財にすると、管財事件手続きによってかかる時間を大幅に短縮でき、かつ、裁判所に納める予納金の金額が少額で済むメリットがあるのです。その予納金は、管財事件の場合が50万円するのに対し、20万円が目安です。かかる時間は、管財事件が半年~1年なのに対し、少額管財は2~5カ月程度です。
また、少額管財が行える場合は、予納金の支払いを分割で支払うこともできます。例えば東京地裁では4回までの予納金分割納付を認めています。しかし、少額管財を行っている裁判所は限られていますので、全てのケースでこれを行えるわけではありません。
また、少額管財は弁護士に依頼することが条件だね!弁護士に依頼していれば、少額管財を利用することができるんだ!裁判所も限られているし、条件つきってことだね!
ぴよぴよ(でも認められたら便利っすね)!
破産管財人について
破産管財人についていくつかのポイントを上げます。
- 裁判所が財産の処分等を行うと裁判所の負担が大きくなりすぎるため、破産管財人が用意されている
- 破産管財人は、裁判所が指名する
- 破産管財人は、通常、破産管財人の登録をしている弁護士が任命される
裁判所の代わりに、信頼できる専門家に、処分を公正・平等に行ってもらう、というわけですね。一部の債権者だけに偏って返済することを偏波弁済(へんぱべんさい)と言いますが、もちろん、その様なことがないように行われます。その様な不正がないようにするためにも、裁判所がこの破産管財人を任命するということですね。
破産管財人がいないと不正が行われる可能性があるからね!間違いなく手続きが進むように、公正な判断が出来る人を立てるっていうことだね!
ぴよぴよ(たしかにそういう人がやった方がいいっすね)!
同時廃止事件について
また、同時廃止事件になるのは、
- 処分する財産がない人
- 予納金が払えない人
- 借金を抱えた理由に大きな問題がない人
といった条件に当てはまる人です。先ほど『少額管財』の予納金が20万円が目安だと言いましたが、この20万円すら払えない、という人も、同時廃止事件になる人の対象です。『管財事件』であれば最低でも50万円ですから、少額管財はとても便利だということがわかります。
しかし、その少額管財の手続き料も払えないということで、これは同時廃止事件になるしかないということですね。まあ、普通に考えれば、今から自己破産をする、という人に潤沢な資産がある方がおかしいので、割合で見ると、
のが現状です。
同時廃止事件の予納金は1~3万円ですので、これだったら何とか工面することが出来る人がほとんどになるわけです。かかる時間も、管財事件が半年~1年、少額管財が2~5カ月程度なのに対し、同時廃止事件は約3か月と、短いのが特徴です。
また、『借金を抱えた理由に大きな問題がない人』ということですが、例えば、ギャンブルや浪費などで大きく借金を作った場合、普通に考えると、あまりいい印象を与えません。ですから、公明正大な判断をする為に、より細かい調査をする必要があります。そうすると、
ことになるわけです。
なぜなら、同時廃止事件では実質的には破産手続が行われないので、破産管財人による調査が行われません。そうすると、そこには十分な資産の調査や免責の調査が行われない特徴があるのです。従って、『管財事件』として扱い、より細かい調査をすることになるということですね。
自己破産をするような人は、ほとんど財産を持っていない人が多いからね!同時廃止事件になる場合が多いよ!また、あえて管財事件にして細かく調査するっていうパターンもあるね!
ぴよぴよ(細かい調査が必要になる場合は、管財事件になるっすね)!
異時廃止について
また、
という手続きもあります。これは簡単に言うと、最初は管財事件として扱っていたけど、処分する財産がないとわかったので、破産手続きを途中で終了する。
という手続きです。途中で『同時廃止事件』になるようなものですね。しかし、一度管財事件として扱っていたので、『異時廃止』という名称となるのです。
厳密に言うと、異時廃止とは、
破産者が財産が少なくて破産手続き費用を出せないと認められるときに、破産管財人の申立、もしくは裁判所の職権で破産手続き廃止の決定をし、破産手続きを終結させること。
を言います。
これで、
- 管財事件
- 少額管財
- 同時廃止事件
- 異時廃止
について理解が深まりました。
自己破産の管財事件と異時廃止って何?異時廃止の仕組みと手続きの流れ
管財事件として進めたけど、途中で財産が無いことに気づいて、同時廃止事件になることがあるんだね!それを『異時廃止』っていうわけだ!
ぴよぴよ(破産手続き費用をどうしても出せないってときとかっすね)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!