ギャンブル(パチンコ、スロット、競馬)で借金した場合、自己破産できる?
原則としてはできません。それは『賭博』行為であり、免責不許可事由に該当するからです。しかし、月に数万円程度の遊興費は免除されることもあります。
ギャンブルで借金をして自己破産をすることは、認められていないよ!不誠実な理由では許可されない傾向があるって覚えよう!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
ギャンブルで借金した場合の自己破産
自己破産が出来るのでしょうか。
、
答えは、原則Noです。
ここで言うギャンブルとは、
ギャンブルの例
- パチンコ
- スロット
- 競馬
- 競輪
- 競艇
- オンラインカジノ
等のことです。これらは全てギャンブルであり、これにはまって借金を作り、その借金を自己破産によって帳消しにするという考え方は、原則として通用しません。
破産法第252条にはこうあります。
裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。※破産法(第二百五十二条 四)
つまり、
- 浪費
- 賭博(ギャンブル)
- 射幸行為(宝くじ等)
をすることで作った借金は、自己破産の免責不許可事由に該当するんですね。そういう理由での借金の帳消しは出来ないんです。
ギャンブルでの自己破産が認められると、射幸的で拝金的な軽薄な人間が思い通りになっちゃうからね!そういう不誠実な人はどちらかというと世の中から淘汰されなければならないんだ!
ぴよぴよ(そういう生き方をあらゆる場所から認めず、締め出すってことっすね)!
月に数万円程度の遊興費は免除されることも
しかし、原則はそうですが、実際には月に数万円程度の遊興費として使用していた場合は問題ありません。例えば、
- 給料:25万円
- 食費:7万円
- 家賃:7万円
- ギャンブル費用:3万円
などという割合であれば、ここで言う『
』ということには該当しません。つまり、『それくらいなら誰もが遊興費、娯楽費として出費することはある』という社会通念上の常識として、認められるわけです。
誰もが宝くじを買ったり、パチンコを打ってみたりすることはありますから、借金を負った原因の中にギャンブルや浪費が多少含まれていても、ほとんどの場合では問題なく免責が下りることになります。
ただし、
- どうしても自己破産を認めない方が本人のためである
- 遊ぶだけ遊んで自分勝手極まりない
などという判断に至った場合、容赦なく自己破産の免責は不許可となるでしょう。例えば、
借金なんてギャンブルで当てて返せばいいんだ!だから当たるまで借りまくるぞ!もし当たらなくても自己破産してリセットすればいいんだからな!
という考え方があると判断された場合は、間違いなく不許可となるでしょう。そのあたりの根幹に目を向ける必要があります。
その人の依存度にもよるよね!毎月のように月5万円ギャンブルをしてたって人がいたら、間違いなく厳しい目で見られて、『そのお金の使い方は間違っていたんじゃないか?』と諭されるよね!
ぴよぴよ(毎月5万円って、個人再生で毎月5万円払っている人もいるっすからね)!
調査型管財で裁量免責を求める
そう考えた時、『確かに当時はギャンブルにはまってしまっていた。しかし、今はもうすっかりギャンブルを止めて、まともな生活をしている』といった状況があればどう判断したらいいでしょうか。
Aさんが破産申告者とした場合、裁判所としても、『過去のAさん』は認められないが、『更生した現在のAさん』は本来認めるべき人格。そもそも、自己破産をした後に、この『現在のAさん』のような行動を取ることが望ましいとされているわけで、それをすでにAさんが実行しているということであれば、これは、Aさんに何らかの配慮をしてあげる発想になります。
そこで裁判所は、『
』という制度を設けています。これは、このAさんのようなケースに相応しい手続きで、あえて管財事件として扱うのです。
- 処分する財産がある場合=管財事件
- 処分する財産が無い場合=同時廃止事件
ですね。同時廃止事件とは、財産を持っていない人が出来る手続きで、これになれば手続きにかかる時間も費用も大きく減少します。
しかし、このAさんのようなケースの場合、『調査型管財』という形で財産を持っていなくても管財事件扱いとし、破産管財人に身辺調査をしてもらい、本当に『現在のAさん』が更生しているとわかれば、ギャンブル等が原因での借金でも、免責が下りる場合があるんですね。これを『裁量免責』と言います。
裁判官の裁量で免責の許可、不許可を判断するということですね。
裁量
その人の考えによって判断し、処理すること。
管財事件というのは種類が色々ありますが、基本的には『
』ということで共通しています。それに比べて同時廃止事件は、その破産管財人がつかないんですね。だからこそ費用も時間も短くて済むのですが、その代わりしっかりとした調査をしないんです。
ですから、管財事件として扱い、しっかりとした調査を行う。この調査型管財は、通常の管財事件の時のような『財産を調査する』目的ではなく、『Aさんが更生しているかどうか』ということをチェックするための手続きということになるんですね。
管財事件じゃなく、同時廃止事件であった場合は、調査しないかわりに時間も費用も負担が少なくて済むよ!だけど、こうしてあえて管財事件として取り扱ってもらって、より望み通りの結果を求めるっていうやり方があるね!
ぴよぴよ(これで通らなかったら無駄っすけどね)!
…。
管財事件にすれば時間も費用もかかる
この期間は通常、3~6カ月間ほど続きます。そしてそれで生活に問題が無いということがわかれば、ギャンブル等が原因で借金を負った場合でも、『裁量免責』によって免責が下りることがあるということですね。
注意するべきなのは、管財事件としての扱いとなるため、費用と時間がかかるということです。管財事件は現在ほとんどが『少額管財』として扱われますから、以前よりは時間も費用も抑えらえれますが、基本的には、
- 20万円以上
- 3カ月以上
かかると考えた方がいいでしょう。
また、『一部免責』ということもあります。全ての借金が帳消しになるのではなく、ギャンブルで作ったお金以外の借金を帳消しにし、ギャンブル等の分だけは自力で支払っていく、という対処法もあります。これも『裁量免責』ですね。一部免責については破産法にその詳細が記載されているわけではなく、裁判所や裁判官の裁量によって判断されます。
裁量免責は、言うなれば法律と警察っていう感じでさ、法律では厳密にはアルコール反応が出れば飲酒運転になるけど、現場の警察の判断で、反応が薄ければ見逃してくれることもあるね!
ぴよぴよ(なるへそ)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!