特定調停後にローン(支払い)の繰り上げ返済は可能?
特定調停後にローンの繰り上げ返済をすることは可能です。任意整理後でも可能ですし、個人再生でも可能です。繰り上げ返済は債務者としてもメリットがあります。元金を減らしていけば、払う利息も減っていくのです。
しかし、債務整理では往々にして、『利息をカット』します。ですから、それをしたところで払う金額の総額は変わりません。
債務整理はあくまでも応急処置。この期間に問われているのは、『一定期間、一定の負荷をかける』ことです。一時的な臨時収入があったという理由で一度定めた支払い方法を変えるということは、あまり良くない行動かもしれません。
ただでも、完全に一括で支払える場合はいいよね!遺産相続で1千万円入って、借金が200万円だとかさ!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
特定調停後にローンの繰り上げ返済をすることは可能
特定調停後にローンの繰り上げ返済をすることは可能です。任意整理後でも可能ですし、個人再生でも可能です。
繰り上げ返済
返済金に、通常よりも多い元金分を加えて、元金を減らしていく返済方法
債務整理は、
とありますが、そのうち支払いをしていくのは、
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生
であり、そのいずれの債務整理でも、繰り上げ返済をすることは可能ということですね。繰り上げ返済というのは前述したように、『返済金に、通常よりも多い元金分を加えて、元金を減らしていく返済方法』です。債権者としても原則として、貸したお金が早く返ってくる方が有難いですからね。
まあたしかに債権者からすれば、早くお金を回収できた方がいいに決まってるよね!長くなるほど焦げ付く可能性が高くなっちゃうから!
ぴよぴよ(たしかに)!
繰り上げ返済は債務者も債権者もメリットがある
繰り上げ返済は債務者としてもメリットがあります。元金を減らしていけば、払う利息も減っていくのです。例えば下記は法律で定められた利息制限法ですが、
利息制限法の上限
元本額が10万円未満の借金 | 元本額が100万円未満の借金 | 元本額が100万円以上の借金 |
---|---|---|
年20%まで | 年18%まで | 年15%まで |
元金が50万円の場合、年利は18%。繰り上げ返済で10万円余分に払い、元金を余分に減らすと40万円になり、年利は18%。同じ年利18%ですが、計算すると、
計算
50万円×18%=9万円
40万円×18%=7.2万円
であり、毎月の支払いで計算してみると、
計算
59万円÷12カ月=49,166円
47.2万円÷12カ月=39,333円
で、月に支払う金額はおよそ1万円も違ってきます。ですから、支払えるときに繰り上げ返済をしておいて、毎月の支払額を減少させていくことで、支払いが楽になるということですね。
元金が減れば、利息も減るからね!通常の支払いであれば、どんどんこの繰り上げ返済はしていくべきだろうね!
ぴよぴよ(たしかに)!
任意整理と特定調停は利息をカットすることができる
ただし、任意整理と特定調停の特徴を見てみましょう。
任意整理
毎月一定の収入があり、月々の返済額さえ減らすことが出来れば自力で返済が可能な人、また、借金額が年収の1.5倍以内であるかどうかがポイント。原則として利息をカットしてもらい、3~5年の分割払いで返済していくのが相場。整理する債権者を選べる。
特定調停
裁判所を通した任意整理。債務者自身ではなかなか進めにくい債権者との話し合いを、調停委員が間に入って債務整理をしていく手続き。『自己破産に近い状態の苦しい多重債務者を、破産させないでなるべく返す方向で再生させる』ことがこの制度の趣旨。任意整理同様、原則として利息をカットしてもらい、3~5年の分割払いで返済していくのが相場。整理する債権者を選べる。
ともに、『原則として利息をカットしてもらい、3~5年の分割払いで返済』と記載してありますね。これが任意整理と特定調停の特徴になるわけです。
つまり、本来は50万円の元金に対し、利息制限法に則った年利9万円、それを3年で支払っていくのであれば、3年分の利息を足して、
計算
50万円+(9万円×3)=77万円
77万円の支払いをしてく必要があるところ、任意整理と特定調停によって利息をカットしてもらうわけですから、50万円だけの支払いでよくなるわけです。ですから、任意整理と特定調停の場合、繰り上げ返済をしたところで、和解案には、
『50万円を36ヵ月払いで返済していく』
という旨の記載があり、どちらにせよ支払う金額は同じになります。元金を減らした分だけ利息が減って楽になる、ということはありません。そう考えると、任意整理と特定調停をして、わざわざ繰り上げ返済をする必要はあまりないように思えます。
任意整理と特定調停は利息をカットする債務整理みたいなものだからね!そうすると繰り上げ返済をしたところで、支払う総額は変わらないよね!
ぴよぴよ(たしかに)!
『約束を破る』形になる?
また、個人再生もそうですが、『3年及び5年で支払っていく』約束をしたわけですから、いくら繰り上げ返済という形をとっても、それは『約束を破る』という形になることも事実です。
良い破り方だからいいじゃないか。
と思うかもしれませんが、しかし多くの人が安定、平安、安堵に安穏と唱えているように、人はあまりその『イレギュラーな対応』を好みません。『成長』と『膨張』は違うように、いくら勢いがあるからといって、その勢いがいつまで続くかはわからず、むしろ膨張は弾けるのが相場です。見るべきなのは以下の記事です。
たまたま自分に勢いがついたからといって得意になり、その力を過信し、『いつもとは違う行動を取る』人に、あまり信頼性はありません。そういう人間は、『勝って驕らず、負けて腐らず』の意味を理解しておらず、常に一喜一憂している印象があり、そういう人は恐らく、もう一度同じ過ちを犯すのではないでしょうか。
そうやって一喜一憂する性格だったからこそ、借金をしたのかもしれないね!例えばギャンブルとか!あれは熱くなると歯止めが利かなくなるからね!
ぴよぴよ(うーむ)!
債務整理をした人に問われる自己管理能力
個人再生で支払いをするとき、任意整理や特定調停と違って、『3カ月に一度』の支払いでいいとされています。
しかし、推奨されているのは『1か月に一度』であり、間に弁護士を入れ、弁護士に払って、弁護士が債権者に代わりに振り込む形を取っている場合でも、毎月弁護士に支払うことが推奨されています。
その背景にあるのは『自己管理』です。やはり借金を返せなくなった人というのは、自己管理能力が人と比べ劣っているか、解釈が歪曲しているという可能性があるわけです。ですから、なるべく短いスパンで支払いを管理し、『毎月きっちり指定された金額を支払えるかどうか』ということを管理します。
それによって、より確実な『矯正』ができます。歯の矯正と同じように、その矯正の強度は、あまり緩めない方がいい。短い矯正期間でしっかりと歯を正常な形に矯正するためには、『一定期間、一定の負荷をかける』ことが大切なのです。
返済がすべて終わった後、自分一人で生きていくようになったとき、2度と同じ問題を起こさないことが最善ですからね。その為に必要なのは、繰り上げ返済によって早めに完済することよりも、『一定期間、一定の負荷をかける』ことが大切です。
どうしても臨時収入が入った場合は、貯金をしておけばいいのです。自分が本当に『膨張路線』にいず、れっきとした『成長路線』にいるというのであれば、それが容易にできるはずです。もし、
どうしても貯金があると使っちゃうんだよなあ…
と思うのであれば、それは残念ながら、心に成長は見られないことを意味します。それを試す意味でも、これらの債務整理の場合、繰り上げ返済をして目の前の問題を早く片付けようとするよりは、自己管理能力を身に着けることが重要になります。
だけどまあ冒頭に言ったように、大金が入ったのであれば別にいいよね!人生何が起こるかわからないからねえ!
ぴよぴよ(ぷふふ)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!