特定調停をすれば強制執行を停止できる?
できます。特定調停には強制執行停止制度があります。これは、特定調停の申し立てとは別で申し立てをする必要があります。『執行停止の申し立て』です。この申立てが受理されると、裁判所から執行停止命令というものが発付され、強制執行等が停止されることになります。
強制執行を止めることができるのは、裁判所を通す債務整理である、
- 特定調停
- 個人再生
- 自己破産
だけです。それぞれ、様々な理由と方法で強制執行を止めます。
裁判所を通す債務整理だから強制執行が止まるわけではないけど、結果的にそうなっているんだね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
強制執行を止めることができない債務整理もある
- 債務整理は、
とありますが、その中で強制執行を止めることができるのは、裁判所を通す債務整理である、
- 特定調停
- 個人再生
- 自己破産
だけです。任意整理、個人再生、自己破産については下記の記事に書きました。
個人再生の記事にも書いた様に、
給与の差押→個人再生手続きの申し立て→給与の差押をはじめとする強制執行の中止→個人再生手続きの開始決定→給与の差押をはじめとする強制執行の効力の失効
という流れがあります。ただ、このようにして裁判所に強引に給与の差押を取り消しにさせる方法以外にも選択肢はあり、
これから個人再生手続きに入ります。そうなると給与差押等の強制執行は最終的に失効となりますので、よろしければ今その差押を取り下げてもらえるようお願いいたします。
等として債権者にお願いすると、
まあ確かにそうなれば強制的に失効になるな。今取り下げるしかないか
として、それに応じてくれる可能性があります。
また、下記の記事に書いた様に、担保となっている物件を差し押さえられない為には、『その財産の価額に相当する金額を納付すること』でそれが実現できます。
個人再生の場合、担保権消滅の許可を裁判所から得られれば、担保物件を保持できるね!債権者には同意はいらないんだ!別除権協定で失敗してもね!
ぴよぴよ(ちょっと何言ってるかわかんないっす)!
他の記事で確認できるよ!
自己破産の際の注意点
自己破産についても記事に書きました。4分の1は差押えが可能な財産とされていて、給与等の金額が33万円を超える場合には、その給与等の金額から33万円を差し引いた金額全額を差し押さえることができる場合があります。
債務者が裁判所へ自己破産の申立てをすると、債権者は取立てと貸金返還訴訟を提起することがことができなくなります。従って債権者は、債務者が自己破産の手続きに入ったことがわかれば、支払督促を強めてきたり、訴訟を提起する可能性が高くなります。
債務者は、裁判所から通知が送られた場合、2週間後には強制執行される可能性があります。給与などを差し押さえされることになるんですね。
たとえそのときに自己破産を行う準備をしていたとしても、自己破産の申請をまだ行っていなかった場合にはこの強制執行は強行されることになります。しかし、自己破産を申請して、その申請が受理されていた場合は大丈夫です。
この強制執行は効力を失います。ですから、債権者側としては時間との勝負でもあるので、焦って、支払督促を急ぐんですね。
ただ自己破産の場合は、
- 換価20万円以下の物
- 99万円以下の現金
- 生活に必要最低限の家財道具
以外は、全て処分することになりますので注意が必要です。
自己破産も強制執行を止められるけど、タイミングが間違えば実行されてしまう可能性があるね!まあでも、自己破産したら財産のほとんどを売ることになるんだけどね!
ぴよぴよ(たしかに)!
特定調停の強制執行停止制度
では、特定調停の場合はどうかというと、特定調停には強制執行停止制度があります。これは、特定調停の申し立てとは別で申し立てをする必要があります。『執行停止の申し立て』です。この申立てが受理されると、裁判所から執行停止命令というものが発付され、強制執行等が停止されることになります。これを利用すれば、
- 車
- 給料
- 住宅
等の差し押さえを強制執行されることになっても、『特定調停の手続き中は』それを停止させることができます。まずは手続き中での停止です。そして、特定調停で合意が取れれば、強制執行は停止され、作成された返済計画・調停調書に従って支払いを続けていくことになります。
ただし、下記の記事に書いた様に、
もしその返済を怠ることがあれば、そこで強制執行されます。特に、任意整理とは違って特定調停で作成される調停調書は、裁判所が作成していることからも、『債務名義』の効力を持ちます。
債務名義
強制執行ができる公文書
この債務名義があれば、債権者は裁判所へ申立手続きせずに強制執行を行うことが可能です。そう考えると、特定調停で強制執行を止められたとしても、それは一時的な処置であり、支払いができなくなれば、また強制執行をかけられるということですね。
強制執行停止制度で、まずは一時的に止め、そして特定調停を成立させ、後は調停調書に従って支払いさえしていけば、強制執行は止められるんだね!
ぴよぴよ(なるへそ)!
個人再生・自己破産・任意売却
また、そうなると残された選択肢は、
- 個人再生
- 自己破産
となりますが、それは上記に記載した記事、あるいは下記に記載した記事を確認しながら、最適な判断をしてください。
また、下記の記事に書いた様に、自己破産をする前に自宅を任意売却した方がいいという場合があります。
どの道自己破産になれば不動産は『強制競売』となってしまいますし、任意売却の方が、競売にかけるよりも不動産を割高で売却できる、というメリットもあります。競売では市場価格の7割程度でしか不動産を売却出来ない、という特徴があります。どうせ売るなら少しでも高く売れた方がいいですからね。
- 競売<任意売却
様々な観点から考えて、状況を最適化しましょう。
特定調停が失敗したら、だね!でもそう考えると、特定調停の段階ではまだまだ『症状が軽い』ってことだから、今そういう状態にある人は恵まれていると思って、頑張ってほしいね!
ぴよぴよ(たしかに)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!