任意整理の返済が約束通りできないとどうなる?
任意整理で利息カットと分割払いの約束をして和解をしたのに、その和解案通りに支払いができなくなると、任意整理は無効になります。無効になると、せっかく任意整理によって定めたことがすべて無駄になります。期限の利益を喪失し、一括請求を余儀なくされます。
任意整理で和解案を作成して、それに従って支払いをしていく!そういう契約が交わされたのに、それができないなら無効になるよね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
任意整理をすると支払いが楽になるはず
任意整理をすると支払いが楽になります。利息をカットしてもらい、3~5年の分割払いで元金を返済していきます。利息がつかないわけですから、例えば50万円だった場合、利息制限法によって年利18%ですから、
利息制限法の上限
元本額が10万円未満の借金 | 元本額が100万円未満の借金 | 元本額が100万円以上の借金 |
---|---|---|
年20%まで | 年18%まで | 年15%まで |
計算
50万円×18%=9万円
9万円×3年=27万円
50万円+27万円=77万円
で、3年で返済する場合は、77万円→50万円になり、27万円もカットすることができます。月々で計算すると、
計算
77万円÷36か月=21,388円
50万円÷36か月=13,888円
で、およそ1.8万円も支払額を減らすことができます。これが一社の場合ですから、例えばこれが5社ある場合は、まったく同じケースで計算したとして、
計算
27万円×5社=135万円
13,888円×5=69,440円
で、カットできる合計は135万円。毎月の支払額は、およそ7万円も減らすことができます。これは大きいですね。借金の額が大きければ大きいほど、任意整理でカットできる金額も大きくなり、その分だけ支払いが楽になるということです。
ただし上記に書いたように、弁護士に依頼する場合、
- 着手金=整理した会社1社につき2~4万円(0円の場合もある)
- 成功報酬=整理した会社1社につき2~4万円
- 減額報酬=減額した負債額の1割
弁護士に依頼する場合の費用
着手金 | 成功報酬 | 減額報酬 |
---|---|---|
会社1社につき2~4万円 (0円の場合もある) |
会社1社につき2~4万円 | 減額した負債額の1割 |
という計算をしますから、一社整理するごとに報酬額も増えるということを覚えておきましょう。
まず、任意整理をすれば支払いが楽になるはずだからね!それが大前提!その前はもっと大変で、それから比べて楽になったんだから!
ぴよぴよ(たしかに)!
支払えないなら任意整理は無効になる
では、そうして任意整理で利息カットと分割払いの約束をして和解をしたのに、その和解案通りに支払いができなくなるとどうなるでしょうか。そうなると、任意整理は無効ということになります。
無効になると、せっかく任意整理によって定めたことがすべて無駄になります。上記の記事にある通り、期限の利益を喪失し、一括請求を余儀なくされます。
債務者は、支払期日までに支払いを待ってもらう権利を持っている
ですから、支払うと決めたものは必ず支払う必要があるということですね。1回でも支払いができないだけでも問題ですが、実際には2回以上の延滞をすると、期限の利益を喪失する可能性が高くなります。
もし支払いができない場合は、事前にきちんと債権者にその旨を連絡することが大切です。その話し合い次第では、折り合いがつくこともあります。折り合いがつかない場合でも、どちらにせよ連絡をして最悪のケースを免れることができないか、対処するべきですね。
1回くらいなら大丈夫だけど、2回となるともうだめだね!また、話し合いは大切だから、連絡を取ることが非常に重要だよ!一番ダメなのは音信不通だね!
ぴよぴよ(たしかに)!
個人再生でもし支払いができなかった場合
任意整理は、支払う約束をする債務整理です。もし支払えないなら自己破産を選択するしかなかったということです。個人再生の場合でもそれは同じです。
個人再生でもし支払いができなかった場合は、
- 減額された借金が元に戻る
- 住宅ローン等がある場合はその担保は引き揚げられる
等の散々な目に遭い、更に窮地に追い込まれることになるでしょう。そうなると自己破産をするしかなくなってきてしまいますね。個人再生の場合は、借金が平均5分の1に減額されますから、それが元に戻るということになった場合、大きな問題となります。住宅ローンがある場合などはさらに大変ですね。
個人再生のリセットはきついね!大幅減額からのリセットだから!これはもう精神的ダメージが大きいね!
ぴよぴよ(たしかに)!
特定調停でもし支払いができなかった場合
また、特定調停では下記の内容が注意点になります。
任意整理の場合、その和解書は『債務名義』ではありません。したがって、給料等の財産をすぐに差し押さえることはできません。しかし、裁判所を介した特定調停によって作成された調停調書は、『債務名義』扱いになります。
債務名義
強制執行ができる公文書
そうなると、債務名義を持っている債権者は、裁判所の許可を得ずに強制執行をかけることができますから、債務者は有無を言わさず強制執行を受ける必要があるということになります。債務整理の中で支払いをしていくのは、
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生
の3つですから、以上が債務整理後に返済ができなくなった場合のケースの全てです。もし支払いができなくなると予想される場合は、唯一、債務整理の中で借金を帳消しにする『自己破産』を選択することを検討しましょう。
特定調停の場合は費用が格安でいいけど、作成する調停調書が債務名義っていうところがちょっとね!プレッシャーだね!
ぴよぴよ(うーむ)!
自己破産と任意売却
もちろん、不動産の任意売却や、知人友人に頼る等、それらの考えられる選択肢を全て考えたうえで、連帯保証人の有無等をきちんと考慮して、よく考えてから決断しましょう。保証人がいる場合は、債務整理をしたら基本的にはその保証人に請求がいってしまいますので、注意が必要です。
場合によっては連帯保証人も自己破産をすることを余儀なくされます。
ただ、債務名義のある特定調停と、個人再生の無効と照らし合わせて考えたとき、その2つと比べれば、確かに任意整理なら、債務名義のある特定調停と比べてすぐに強制執行をかけられるわけでもないし、個人再生のように大きなダメージはないわけです。
つまり、まだ『あがく』猶予があります。その時間を有効活用できるかどうか、挑戦してみましょう。
任意整理の無効は、まだ余裕があると考えられるね!そう考えたら幸せかな!自己破産まで追い込まれるともう選択肢もなくなってくるしね!
ぴよぴよ(まだ幸せ状態っす)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!