借金の督促を無視していても任意整理はできる?
できます。むしろ、支払いが滞り、督促状が来た時点ですぐに任意整理をするという人のほうが少ないと言えます。ですから、任意整理を含めた債務整理は、督促状が届いてからしばらく経って、という状況でも問題なく通用します。
ただし、その『放置していた期間』が長すぎると、『損害遅延金』の面で問題が発生します。任意整理は利息をカットできるのが特徴で、損害遅延金も『延滞利息』という形で数えられるわけですが、任意整理前に発生している利息はカットできない可能性が高いのです。
そうすると、もし損害遅延金が多くついてしまっていた場合、任意整理をしてもこの部分はカットできず、大きなロスを生むことになります。
そうすると、早め早めにした方がいいということだね!損害遅延金が増えちゃうから!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
借金の取り立てと督促について
借金の支払いが滞ると、督促や取り立てが始まります。その際、違法な取り立ては通常ではありえませんので安心です。しかし、中にはそういうケースもあるでしょう。闇金融や暴力団から借りているケースも『借金』のひとくくりで考えますからね。しかし、そのようなときは下記の記事を参考にしましょう。
このようなケースでなくても、取り立て行為や督促は心理的につらいものです。ハガキの督促状が来るだけでも嫌な気持ち、あるいはプレッシャー、心理的ストレスを感じるものです。
ある時私も年金の問題について督促が来ていまして、そこに『財産の差し押さえ、強制執行をする』というような内容が書いてあり、たまらず電話しました。すると、こちらが感じたような緊急事態には陥ってはいないものの、相手は、
こうして連絡してきてくれるから、督促状は出す価値があると思っています。
と言いました。連絡をしてきてくれれば、そこで現状の確認や話し合いをすることができ、前に進めることができるというのです。
たしかに、その言い分には一理ありましたね。こちらとしては身に覚えのない督促状で、しかも内容が高圧的なため、ストレスでしかないのですが、相手としては十分身に覚えのある話をしているつもりで、むしろ強制執行をかける前に事前通知をしているだけ、配慮しているということです。
そもそも私のこの年金のケースとは違って借金の場合は、『身に覚えがない』は通じませんね。
督促状っていうのは大体ハガキなんかで来るけど、やっぱり心理的ダメージがないって言ったら嘘になるよね!でもそれは自分に責任感がある証拠だからいいんじゃないかな!
ぴよぴよ(たしかに)!
本来支払いというものは一括でするべきもの
また、下記の記事にも書いたように、本来支払いというものは一括でするべきものです。それを、分割払いという約束によって、返済を分割にしてもらっているわけです。
それなのに、その分割払いさえできないということであれば、これはもう期限の利益を喪失し、一括請求を余儀なくされます。
期限の利益
債務者は、支払期日までに支払いを待ってもらう権利を持っている
ですから、支払いを滞らせたのなら、督促状が来ても何らおかしくはないんですね。また、下記にクレジットカードの支払い督促を無視していたらどうなるか、という記事を載せましたので参考までに。
原則としては、一括で返済することになっているんだ!だけど、分割払いという期限の利益たる権利を債務者に与えているんだね!それを破るんだから、督促が来ても仕方ないね!
ぴよぴよ(たしかに)!
督促が来ている状態を無視していても任意整理ができる
さて、今回のテーマは、『督促が来ている状態を無視していても、任意整理ができるか?』ということです。任意整理というのは文字通り、『債権者と任意で話し合いをする』という意味です。裁判所を通した任意整理が、特定調停といわれるものです。
特定調停なら間に裁判所を入れるということで、相手との間に不和があっても何とかなりそうな気がします。しかし、任意整理では不和があると話し合いが難しい印象がありますね。特にこの、督促を無視している状態が続いているというケースでは、より一層難しくなってくる印象があります。
しかし、実際はこのようなケースでも問題なく任意整理ができます。むしろ、支払いが滞り、督促状が来た時点ですぐに任意整理をするという人のほうが少ないでしょう。ですから、任意整理を含めた債務整理は、督促状が届いてからしばらく経って、という状況でも問題なく通用するということです。
督促の『無視』って言っても、その受け取り方は人次第だね!話の中で、3秒間が空いただけでも『無視するなよ!』ってなるしね!
ぴよぴよ(たしかに)
『放置していた期間』がどれだけあるかで変わる
ただし、その『放置していた期間』がどれだけあるかということによって、話は多少変わってきます。例えば、任意整理では下記の記事に書いたように、
- 将来利息
- 経過利息
- 延滞利息
はカットすることを期待できますが、これはすべて、『任意整理が始まってから後のこと』です。つまり、任意整理前に発生している利息はカットできない可能性が高いんですね。
ここでいう『延滞利息』は『損害遅延金』のことですから、もしこれが多くついてしまっていた場合、任意整理をしてもこの部分はカットできず、大きなロスを生むことになります。
そう考えると、債務整理をするなら早め早めにしたほうがいいということですね。あまりにも長すぎさえしなければ、延滞利息もそう多くはつかないでしょう。もし、その金額が膨大なものになってしまっていて、返済不能であると判断されるならば、個人再生や自己破産を選ぶことになります。
債務整理をするのに抵抗がある人もいるかもしれないね!だけど多重債務者で闇金融を利用している人の特徴って、結構『見栄っ張り』が多いんだ!素直さが問われるね!
ぴよぴよ(うーむ)!
借金には消滅時効がある
また、もしその放置期間が『数年単位』のものなのであれば、今度は逆に『時効』が過ぎていないかチェックしてみるといいでしょう。時効については下記の記事に書きました。
借金の返済には時効があるんですね。5年、あるいは10年が過ぎていれば、時効の援用によって債務を消滅させることができます。ただし、『時効の中断』には注意です。時効の進行中に、
- 請求
- 差し押さえ、仮差押えまたは仮処分
- 承認
があった場合は時効は中断です。つまり、督促状が来たらそれは『請求』ですから、そこでまた時効はリセットされます。
『援用』っていうのは本来『自分の都合のいいように事実を利用する』という意味だから、あまりいい言葉ではないね!
ぴよぴよ(うーむ)!
任意整理で強制執行を止めることはできない
また、下記の記事にも書いたように、任意整理で強制執行を止めることはできません。強制執行を止められるのは裁判所を介す債務整理、
- 個人再生
- 特定調停
になります。
関連記事はいくつかあります。個人再生の記事にも書いた様に、
- 給与の差押→個人再生手続きの申し立て→給与の差押をはじめとする強制執行の中止→個人再生手続きの開始決定→給与の差押をはじめとする強制執行の効力の失効
という流れで、強制執行は止めることができるわけですね。
また、下記の記事に書いたように、担保権請求、別除権協定という選択肢もあります。
しかし、任意整理ではこれができません。裁判所を通さないからですね。また、先ほども書いたように、任意整理をしてもその支払い計画に従って返済ができないなら、期限の利益喪失によって、一括請求を余儀なくされます。つまりそれは、『一括請求という強制執行』ですので、注意が必要です。
裁判所を通さないから気軽にできるんだけどね!通すと、強制執行を止められる代わりに、書類が債務名義になったりして、逆に強制執行のプレッシャーを与えられるね!
ぴよぴよ(うーむ)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!