任意整理に免責はある?
任意整理に免責はありません。免責があるのは自己破産です。ここで言う免責とは、『裁判所が債務者の支払い能力のなさを認め、債務を帳消しにしてくれること』を言います。借金を帳消しにする債務整理は、自己破産しかありません。
これは単なる勘違いだね!免責=自己破産って覚えればいいね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
任意整理に免責はない
任意整理に免責はありません。免責というのは、辞書で調べるとこうなっています。
免責
債務者が債務の全部または一部を免れること。
しかし、これでは『一部を免れる』となっていますから、少しでも借金が減るなら、それは免責であるということになってしまいます。そうすると、任意整理でもその他の債務整理でも、『免責がある』と表現することになってしまいますね。
しかし、裁判所が出す『免責許可』の実際の意味はこうです。
免責許可
裁判所が債務者の支払い能力のなさを認め、債務を帳消しにしてくれること。
従って、自己破産をした場合にのみ、免責許可が出るということですね。『支払い能力』の有無が免責許可が出るかどうかに大きく影響します。下記の記事に書いた様に、自己破産というのは『いくら借金があればできる』ということではなく、『支払い能力があるかないか』という点だけを判断します。
『一部の免除』だと確かに任意整理も入っちゃうからね!借金の場合では、免責は自己破産のときのみ使うって覚えたらいいね!
ぴよ(ふむ)!
特定調停の特徴
例えば、特定調停の特徴はこうなります。
特定調停
裁判所を通した任意整理。債務者自身ではなかなか進めにくい債権者との話し合いを、調停委員が間に入って債務整理をしていく手続き。『自己破産に近い状態の苦しい多重債務者を、破産させないでなるべく返す方向で再生させる』ことがこの制度の趣旨。任意整理同様、原則として利息をカットしてもらい、3~5年の分割払いで返済していくのが相場。整理する債権者を選べる。
『自己破産に近い状態の苦しい多重債務者を、破産させないでなるべく返す方向で再生させる』のが特定調停の目的です。
ですから、特定調停をしようとして、返済計画を立てる段階で『3~5年で返済していく』ことを原則として考えた時、債務者にその支払い能力がないと判断された場合は、調停委員から特定調停の取り下げを勧められるタイミングとなります。
このまま行くとどちらにせよ支払いが行き詰まって、債務名義によって強制執行をかけられるからね。だとしたら最初から自己破産をした方がいいかもしれないよ。
と言われるわけですね。
債務者に支払い能力があるかないか。これが、どの債務整理を選べばいいかということに大きく影響してくるのです。もし、債務者に支払い能力がある場合は、
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生
の3つのうち、いずれかの債務整理を選択することになります。そのうち、任意整理は『裁判所を通さない特定調停』ですから、特定調停と同じように考えます。
特定調停の場合、調停委員という『間に入る人』がいるから、その人が色々と判断してくれるんだね!
ぴよぴよ(なるへそ)!
任意整理の特徴
任意整理の特徴はこうなっています。
任意整理
毎月一定の収入があり、月々の返済額さえ減らすことが出来れば自力で返済が可能な人、また、借金額が年収の1.5倍以内であるかどうかがポイント。原則として利息をカットしてもらい、3~5年の分割払いで返済していくのが相場。整理する債権者を選べる。
- 利息をカットしてもらう
- 3~5年で元金だけを分割払いする
- 整理する債権者を選べる
というところがポイントですね。借金の免責(帳消し)はできません。しかし、利息をカットしてもらうことができますから、『一部借金を帳消しにできる』と言えます。
また、整理する債権者を選べるのも強みですから、自動車ローンや住宅ローンを対象から外し、担保を引き揚げられることのないように対処することができます。連帯保証人がいる債権も対象から外せば、迷惑をかけないで済みますね。
特定調停も同じように考えます。ただ、それぞれもし支払いを怠ることがあった場合、期限の利益を喪失し、一括請求を余儀なくされます。
期限の利益
債務者は、支払期日までに支払いを待ってもらう権利を持っている
ただ、任意整理の和解書の場合は、それ自体が債務名義とならないので、強制執行は訴訟等の手続きに時間がかかります。しかし、もし特定調停をした場合は、そこで作成された調停調書は、それだけで債務名義となります。従って、債権者は裁判所の許可なしに、強制執行が出来ますので、注意が必要です。
債務名義
強制執行できる公文書
その代わり、まず猶予が与えられるわけですからね。約束通り支払いを怠らなければ、元金だけの返済で済み、自動車ローンや住宅ローンがある場合はその担保を守ることができ、連帯保証人がいる場合は、その人に迷惑をかけることはありません。
免責が『一部の取り消し』でもいいんだったら任意整理でも免責は下りると言えるんだけど、ここではそう考えないからね!
ぴよぴよ(たしかに)!
自己破産は借金を免責(全て帳消し)してもらえる
その点自己破産は、その全ての影響を及ぼしますからね。その代わりに借金を免責(全て帳消し)してもらうわけです。
また、ギャンブルや浪費が原因での借金の場合は、自己破産では免責不許可事由に該当します。裁量免責によって裁判官が柔軟に判断することがありますが、原則は認められません。
しかし、任意整理の場合はその制限がありません。借金を帳消しにするかしないかということは、大きな違いがあります。ですから、帳消しにする場合は、
- ギャンブルや浪費は認められない
- 7年間は自己破産が出来ない
- ほとんどの財産を処分する
- 連帯保証人も自己破産を余儀なくされる
- 一部職業や資格が制限される
- 条件によって海外旅行へ行くことは許可がいる
等の規制や制限を受ける必要があるということですね。
ですから、任意整理というのは債務整理の中でも最も人気があると言われています。特定調停と違って裁判所を通さず、任意というところもお手軽ですし、弁護士に任せられるというところもお手軽です。また、任意なら相手に威圧感も与えませんし、話し合いで和解出来ればそれが一番平和です。
財産を無意味に処分することも防げますし、保証人にも迷惑をかけずに済む方法があります。また、元金だけは支払うわけですから、個人再生や自己破産のように、借金を大幅に減額したり、帳消しにしないので債権者に無意味にダメージを与えることもなく、大きな罪悪感を覚えることもありません。
自己破産は、借金を免責してもらえる代わりに、財産のほとんどを処分するよ!家も車も時計も全部ね!
ぴよぴよ(うーむ)!
任意整理と自己破産の費用
最後に、任意整理と自己破産の費用について記事を載せておきます。
費用についてはリンクした記事に載せたから確認しよう!
ぴよぴよ(しよう)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!