任意整理で奨学金を対象にすることはできる?
できます。ただし、奨学金は無利子の場合もありますので、利息をカットする任意整理をしても、あまり意味がないことがあります。
また、奨学金を任意整理しても、将来利息のカットにも応じなかったり、返済期間の延長も認めてくれないことがあります。任意整理に対して厳しい姿勢をとっているようです。そのため、奨学金の支払いができず、自己破産をする人もいるのが現実です。
対策としては、『奨学金を払うために、その他の借金を債務整理する』と考えることです。
奨学金は借金だから、任意整理ができるよ!だけど、無利子の奨学金の場合は、任意整理をしてもあまり意味がないね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
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対象にすることはできるがブラックリストに載る
任意整理で奨学金を対象にすることはできます。しかし、奨学金を対象にすると、ブラックリストに載ります。
奨学金という制度は、日本学生支援機構(JASSO)が貸付を行っていいます。
JASSOのHPにはこうあります。
JASSOの2つのS、“Student Services”を我々の活動の原点として、学生がどんなときでも安心して学ぶことができるよう、必要なサービスを提供していくことを組織の目的に掲げ、我が国の将来を担う若者たちの学びと成長を見守っていきます。
具体的には、奨学金、留学生支援、学生生活支援の3つの支援事業を行い、我が国の学生の学びを支える重要なインフラを提供する学生支援のナショナルセンターとして、次代の社会を担う人材の育成に貢献します。
JASSOは『全国銀行個人信用情報センター(JBA)』に加盟していますので、信用情報機関に影響してくるんですね。信用情報機関にブラック登録されてしまうとお金を借りたりクレジットカードが作れません。
奨学金の返済が3カ月以上滞ると、この信用情報機関に登録されるのですが、任意整理等の債務整理をしても同じようにブラック扱いとなります。ただ、下記の記事にも書きましたが、
自己破産においても奨学金の支払いを免除することはできますが、ブラック扱いとなりますし、連帯保証人がいる場合はそちらに請求がいくことになります。奨学金の場合は、親が連帯保証人になっている場合が多いので、奨学金を任意整理すると親に支払い義務が移行します。
奨学金を滞納するとどうなるかについては、上記の記事に書きました。滞納2か月で連帯保証人、3ヵ月で保証人に連絡がいき、そしてブラックリスト登録されるということですね。
ブラックリストに載るということが問題ないという人は、特に問題はないね!
ぴよぴよ(ないね)!
奨学金を対象から外すのが無難
それを防ぐ為には、奨学金を任意整理の対象から外すことが求められます。対象から外すことについては、下記の記事に書きました。
任意整理のメリットは、自分で好きな債務を選んで整理できるということですから、それを存分に利用するのが賢明ですね。個人再生や自己破産ではそれができませんから。それらの場合は、『債権者全員』を整理の対象にすることが条件で、借金を5分の1にしたり、帳消しにしたりするんですね。
- 個人再生:5分の1程度に減額
- 自己破産:借金を全て帳消し
借金を大きく減額できるメリットがある代わりに、家や車等の財産を処分することになったり、担保にしている物件を手放すことになったり、この奨学金などのような債務も一緒に整理しなくてはならず、それによって不自由な思いを強いられることになります。
自動車ローン、住宅ローン、保証人付き債務、奨学金。これらは任意整理の対象から外すことができるから、それを検討してみよう!
ぴよぴよ(みよう)!
奨学金は任意整理に対して厳しい対応をとる
しかし、それを踏まえた上であえて奨学金を任意整理するという選択肢を選ぶ人もいるでしょう。奨学金というのは原則、『貰ったお金』ではなく『借りているお金』ですので、卒業後にお金を返済していくことになります。
中には『給付タイプ』の奨学金も存在しますが、往々にして日本学生支援機構の育英奨学金というものは、『貸付タイプ』なんですね。
日本学生支援機構のHPにはこうあります。
国内の大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人を対象とした奨学金には、利息の付かない第一種奨学金 と、利息の付く第二種奨学金があります。これらとあわせて入学時の一時金として貸与する入学時特別増額貸与奨学金(利息付)があります。
そこに記載してあるように、この貸付タイプの奨学金には、
- 第一種(無利息)
- 第二種(利息が付くタイプ)
- 入学時特別増額
と、利息の有無があったりして、更に種類が用意されています。利率に関しては下記のページにあります。
- 平成29年度 貸与利率一覧(年利%)
奨学金とは、このようにしてしっかりと利息も取られる、ちゃんとした『借金』なんですね。しかし、この借金の『返金』が出来ずに滞ってしまう人がいるということを、自己破産の記事に書きました。『奨学金が返済できずに自己破産する人が増えている』ということですね。
自己破産をする人がいるくらいですから、任意整理をする人もいるということです。しかし、日本学生支援機構は任意整理に対してもかなり厳しい構えで対応するので、延滞金の減額等になかなか応じないと言います。それだけではなく、将来利息のカットにも応じなかったり、返済期間の延長も認めてくれないことがあるというんですね。
『給付タイプ』の奨学金なら無利子だから、任意整理をしてもあまり意味がないけど、『貸付タイプ』なら利息があるからやる意義があるね!だけど、そう簡単にはいかないんだ!
ぴよぴよ(うーむ)!
任意整理に強い弁護士を探す
ですから、もし任意整理を検討している人がいる場合は、任意整理に慣れた弁護士に依頼するのが賢明です。任意整理は交渉力が求められますので、それがない弁護士に依頼すると、交渉は失敗するかもしれません。
それで『結局自己破産するしかなくなった』ということもあり得ますから、任意整理に向いている弁護士に依頼することの重要性が分かったと思います。そして同時に、『奨学金が返済できずに自己破産する人が増えている』という事実にも納得がいってしまいますね。
奨学金をそれでも任意整理したいなら、任意整理に強い弁護士を探すのがいいね!弁護士にも得意不得意があるよ!
ぴよぴよ(なるへそ)!
奨学金の支払いをする為に債務整理をする
また、下記の記事に、
『考え方を変えて、『納税をする為に、債務整理をする』と考える』
と書きました。つまり、納税はたとえ自己破産においても非免責権ですから、だとしたらそれ以外の借金を整理して、『納税(に集中)をする為に、債務整理をする』と考えるのです。
非免責権
自己破産が認められても、帳消しにならない支払い義務
ですから同じ考え方で、もし奨学金の支払いができない理由に、他の借金への支払いがあるということなのであれば、
『考え方を変えて、『奨学金の支払いをする為に、債務整理をする』と考える』
という手もありますね。奨学金の任意整理が難しいのであれば、その他の債務を任意整理して和解し、支払い能力を改善させ、奨学金だけは穏便に支払いを済ませる、という選択肢もあります。
奨学金の支払いをする為に債務整理をすると考えれば問題が解決することがあるよ!その場合、他のも借金がなければだめだけどね!
ぴよぴよ(たしかに)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!