面談なしで任意整理を引き受ける弁護士は信用できる?
できません。そもそも任意整理をする際、弁護士は『個別面談の義務』を守る必要があります。そういう弁護士はやめたほうがいいですね。
弁護士はたくさんいて、その数だけやり方があるけど、だからといってなんでもしていいってわけじゃないんだ!ルールがあるよ!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
大事な話は直接会って話し合いをすることが常識
任意整理を含めた債務整理を弁護士や司法書士に依頼するとき、必ず面談をします。というか、しないのはおかしいですよね。しっかりとした話し合いをせずに取引してしまうなんて、どうかしてますね。町の電気屋に電球を取り換えてもらうわけじゃないんですから、やはりしっかりとした面談をすることが求められます。
遺産相続なんかもそうですよね。そんな大事な話を直接顔を合わさずに話をするなんておかしいですよね。つまり、話が重要であればあるほど、メールや電話だけではなく、直接会って話し合いをすることが求められるのが人間の世界の常識というものです。
まず社会通念上の常識として、大事な話は直接会って話し合いをすることが常識なんだ!例えば恋人と別れ話をするとき、メールでやっても『こんな大事な話をメールで済ますつもり?』と言われるね!
ぴよぴよ(たしかに)!
吃音症の部下
相手の表情からしかわからないものもあります。私の部下は吃音症で、
- 黙り込む
- どもる
という症状が出るのが日常茶飯事です。ですから、大切な時に黙り込むことはしょっちゅうあって、これが電話である場合は、
わざと黙ってるんじゃないのか?
とはらわたが煮えくり返る様な思いに衝き動かされます。黙るって言っても、10分以上黙るケースも多々ありますから。正直言って、相手の命がいくつかあるのならとっくに殺してますね。それも何度も殺してます。しかし実際には人間の命はたった一つしかありません。だから彼を殺していないようなものです。それくらい電話だけだと相手の感情がわからないということなのです。
私は人を簡単に殴る様な人間ではありませんでしたが、彼には手をあげましたね。もう、あげざるを得ないような態度をとるんです。もしこれが本当に『一生治らない病気』なのであればそうしてはいけないのですが、そこには『甘え』もありますからね。
相手が『疾病利得』に走っている可能性もありますから。
疾病利得(しっぺいりとく)
病気だから何もしなくていいと勘違いする考え方
もし私が
病気だから仕方ない。
と思ってしまえば最後、彼はやりたい放題になり、あっという間に秩序は崩壊してしまうでしょう。これは10年彼を見た私が言っているのだから間違いないことです。
話は逸れましたが、私が言いたいことは伝わったはずです。直接会わなければわからないことがあるんですね。その部下に関しても、直接会ってその表情を見れば、『話をしようとしている』ということが見えるので、黙っている間も、電話のときよりははるかに耐えられる間となるわけです。
私が彼に電話をする際は、彼が『はい』とか『わかりました』と言えばいいような内容を、一方的に伝えるときのみでないと成り立ちません。
この吃音症の話をするとまた話が複雑化するから置いておくけど、それでも面と向かって話をすると、電話よりもはるかにトラブルに発展する確率が減るよ!
ぴよぴよ(うーむ)!
詐欺師も『ありがとうございます』は言える
さて、私と部下のこの話からも読み取れたように、電話やメールというものでは、意志の疎通が弱くなってしまうものです。この弁護士と債務者とのケースで考えても、弁護士が一方的に有利な状況にあるわけですね。知識もあり、主導権を握っています。内容が変だったり、自分にとって不利だと思えば断ることもできますよね。依頼を断られる件については下記の記事に書きました。
債務者は知識がない場合がほとんどです。ですから、現在の自分に適している債務整理が、
のうちのどれなのかもよくわかっていない可能性があります。費用もですよね。弁護士費用の相場については下記の記事に書きました。
そんな状況の中、知識があり、有利な立場にある弁護士の方から電話やメールで一方的にまくしたてられる、あるいはそこまで行かなくても、
安心して任せてください。
と言われたら、そりゃあ誰だって、
はい。ありがとうございます。
と言わざるを得ませんよね。一見すると優しくリードしているように見えても、実際は騙していたり、あるいは一方的で相手への配慮がないわけです。詐欺師だって途中までは相手に、
ありがとうございます。
と言われますからね。敬語を使われ、信頼され、それを利用してお金を巻き上げるんですから。
大事な話ほど直接会って話をするべきです。そうしなければ、状況が不明確のまま話を進めることになります。私と部下の話のように、誤解を生んだまま話が進むとどうなるでしょうか。何か問題が起きた時、圧倒的に知識があり、有利な立場にいる弁護士と口論して、勝つことができるでしょうか。
そう考えると、やはり最初の段階で、こちらの人権や意志をしっかりと尊重してくれる人が弁護士として相応しいということになりますね。
自分が無知で、弁護士に頼れば心強いからといって、すべてを丸投げし、自分はノータッチというような他力本願的な姿勢をとっていると、往々にしてトラブルが起きるよ!
ぴよぴよ(うーむ)!
ぞんざいで拝金的な弁護士もいる
そしてその『尊重する』というのは間違っても『はい』『わかりました』という言葉を言えばいいだけ、という状況に持って行ってくれることではありません。債務者にしっかりと現状の内容を理解してもらい、どんな債務整理が最適か、また、整理をした後に続く返済生活がどんなものかをきちんと説明し、一緒に考えてくれる人が、『尊重してくれる弁護士』だと言えるのです。
弁護士がぞんざいな対応をするのには理由があります。下記の記事に日弁連が定めた債務整理に関する弁護士のあるべき態度について書きましたが、
簡単に言うと『過払い請求は儲かる』として、拝金的な弁護士が増えてしまったことについて、ムチを打った過去があるのです。
『利益の高い過払金返還請求だけやって、他に整理すべき債務を見てみぬふりをする』
ということがありました。また、本来過払い金で100万円戻ってくるべきところを、
5万円しかもらえなかった。
と嘘をつき、95万円を独り占めするという劣悪なケースが出てしまっていたのです。そう言うことが二度と起きないように網を張ったんですね。
要するに、『利己的である』ということです。利己的であり、拝金的であるからこそ、ぞんざいな対応になるんですね。利他的であればその真逆の態度をとります。思いやりがあり、人権を尊重する態度をとってくれます。
あらゆる規制や法律が、『人間が粗相をしてから作られる(強化される)』ように、弁護士の債務整理におけるルールも同じように規制されてしまったのです。
お金があるところには、いつでもトラブルが起きるよ!お金というものは人間の欲望を『煽る』ものだからね!すべての人間に眠っている悪い心が表面化しやすいんだね!
ぴよぴよ(うーむ)!
個別面談の義務化とは
その規制の中の一つに、『個別面談の義務化』があります。『日弁連』のホームページにはこうあります。
受任弁護士自らが行う個別面談による事情聴取の原則義務化
弁護士は、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受けてはいけないのが原則です(弁護士と会って依頼をするのが原則です)。
原則として、受任する弁護士が自ら個別面談をして、事件の依頼主の事情を聴かなければなりません(規程第3条)。
過払金返還請求のつまみ食い同様、このように面談の義務もしっかりと義務化されているんですね。
ですから、最初は無料のメール相談で全然かまわないのですが、ちゃんとした契約を交わすとなると、やはりしっかりと面談をしてからでないといけません。それにもかかわらず
面談なしでいきます。
と言うのであれば、もうその時点で怪しいですね。更に、この日弁連の原則の話をして、
じゃあうちに頼まなくていいですよ。
なんていう態度をとったなら、尚のこと怪しいですね。その場合は、
もちろんそうしますし、日弁連に報告します。
と言って、切ってしまえばいいんです。メールならやりとりが証拠になりますから、ぞんざいな対応をしてきた場合は、そのメール内容を取っておけば、何かあった時に役に立ちます。もっとも、相手も法律のプロですからそんなことでいちいち自分たちが不利になるようなことはしないはずですけど。
逆に言うとそれは、『弁護士は法律にガチガチに固められている』ということでもありますからね。法律をよく知っているからこそ、法律という圧倒的な力で対抗したらぐうの音も出ないことを理解しています。従って、もしあまりにも悪質な態度をとることがあれば、別の弁護士に頼んでそこを突いてしまえば、正義がハッキリしますね。
とにかく、日弁連で定めているにも関わらず『面談なし』で進めようとするのは、もう異常行動ですよね。弁護士はいくらでもいますから、スムーズで安心な任意整理がしたいなら、せひ正常な弁護士に依頼しましょう。
人間は欲望をルールや道徳によって抑えつけている生き物だからね!そのタガが外れたら、ひとたび秩序は乱れ、人間社会は混沌に陥るね!そういうものなのさ!
ぴよぴよ(たしかに孔子が言う理想社会に対し、韓非子は異論を唱え、この世に法律を…)…
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!