高齢者や年金受給者も任意整理が出来る?
できます。毎月一定の収入があれば可能です。ただし、生活保護受給者はできません。
生活保護で得たお金は、借金の返済に使ってはいけないんだ!だから生活保護受給者はダメだけど、高齢者や年金受給者なら大丈夫だよ!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
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高齢者だから出来ないとか、年金受給者だから出来ないということではない
高齢者や年金受給者も任意整理が出来るでしょうか。
答えは、Yesです。
任意整理は、高齢者だから出来ないとか、年金受給者だから出来ないということではないんですね。
任意整理というのは、
任意整理
毎月一定の収入があり、月々の返済額さえ減らすことが出来れば自力で返済が可能な人、また、借金額が年収の1.5倍以内であるかどうかがポイント。3~5年の分割払いで返済していくのが相場。
つまり、
- 毎月一定の収入がある
- 借金額が年収の1.5倍以内である
- 3~5年の分割払いで返済していく
ことが最低条件ですから、これに該当さえすれば誰でも任意整理ができることになります。任意整理が受けられないのは、この条件に該当しない人。下記の記事でも書いた様に、
無職で無収入であれば基本的には無理ですね。しかし、
- 年齢:65歳
- 仕事:定年退職
- 収入:年金暮らし
という状況があった場合、この人は『無職』になるわけですが、収入は年金があるのでゼロではありません。従って、この場合は任意整理が出来る可能性があります。
でも、あまりにも高齢ならできないよ!『後がない』からね!ただそういうケースはほとんどないけどね!亡くなってしまったら、その『負の遺産』は相続放棄することで回避できるよ!
ぴよぴよ(うーむ)!
借金の額が大きければ個人再生が推奨される
ただし、借金の額が書いてありませんね。もしこの人の借金の額が500万円だった場合で、年金が年収300万円だった場合、
計算
300万円×1.5倍=450万円
ですから、1.5倍以上の借金を背負っていることになり、任意整理ができない可能性があります。ですからケースバイケースですね。その人の債務状況や入支出の状況によって最適な答えは変わってきます。
この場合であれば個人再生がいいですね。個人再生なら借金を5分の1にできます。
具体的に:
住宅ローンを除く借金総額が5000万円を超えない個人再生の場合の返済額についての下限額は、以下のとおりである。
- 債務総額が100万円未満の場合:債務総額
- 債務総額が100万円以上500万円以下の場合:100万円
- 債務総額が500万円を超え1500万円以下の場合:5分の1
- 債務総額が1500万円を超え3000万円以下の場合:10分の1
返済しなければならない金額
100万円未満 | 100万円以上500万円以下 | 500万円を超え1500万円以下 | 1500万円を超え3000万円以下 |
---|---|---|---|
債務総額 | ¥100万 | 5分の1 | 10分の1 |
500万の5分の1ですから、100万円です。個人再生の場合は、3年で分割返済していくのが基本ですから、
計算
100万円×36ヵ月=27,777円
で、弁護士の報酬料を入れても、月々およそ3万円の支払いをしていけば、3年で完済できる計算になりますね。
債務整理の優先順位としても、
- 任意整理→個人再生→自己破産
の順番で難易度と敷居が高くなっていきますから、個人再生を検討することになりますね。個人再生が借金を5分の1に減額できるのに、なぜ敷居が高いかというと、任意整理が整理する債権者を選べるのに対し、個人再生や自己破産は全ての債権者を対象にしなければならないということです。
借金の額が大きければ任意整理はできない場合があるね!年収の1.5倍までが限界だから、それで計算してみて、ダメだったらほかの債務整理を検討しよう!
ぴよぴよ(しよう)!
個人再生と自己破産のデメリット
例えば、
- A社:高利
- B社:クレジットカード会社
- C社:担保あり
- D社:
こういった債務状況があった場合、任意整理であれば、高利のA社だけを整理して、利息をカットしてもらい、元金だけを返済していくように進めていくことができます。そうすることで、他の債権者には迷惑をかけませんので、B社のクレジットカードを止められることなく、そのまま継続して使用することができますし、C社に押さえられている車等の担保も引き揚げられないで済みます。
しかし、個人再生や自己破産の場合は、A~D社を全て整理の対象にしなければなりませんのでB社のクレジットカードも使えなくなるし、C社の担保も引き揚げられて処分されることになってしまうんですね。
何事もメリットとデメリットがあるからね!でもその代わりに借金を大幅に減額出来たり、帳消しできるわけだから!
ぴよぴよ(たしかに)!
任意整理をして途中で支払えなくなったら給料を差し押さえられる
では、もし任意整理が上手くいったとして、途中でそれを支払えなくなったとしたらどうすればいいでしょうか。その場合は、下記の記事でも書いた様に、一括返済ですね。
これを余儀なくされます。もしできない場合は、給料を差し押さえたりする等の強制執行を執られます。ただ、裁判所を介さない任意整理での和解書は、それだけでは『債務名義』とはならず、給料等の財産をすぐに差し押さえることはできません。
債務名義
強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書。つまり、これがあれば強制執行できる。
特定調停をして裁判所を介した場合は債務名義があるのですが、任意で行う任意整理は、この債務名義がないんですね。しかし、その和解書をもって訴訟を起こされれば、債務者は一括返済をすることを余儀なくされます。
でもまあ債権者の立場からも考えたいよね!債権者からすればそれくらいの権利はないと、ただでさえ債務整理をされて様々な権利を諦めるわけだからさ!
ぴよぴよ(たしかに)!
年金は差し押さえられる?
ただ、今回の場合は『年金受給者』ですからね。年金は給料ではありません。では、年金の場合も差し押さえられてしまうのでしょうか。
答えは、Noです。
国民年金法24条にはこうあります。
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
また、厚生年金保険法41条にはこうあります。
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金たる保険給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
全く同じですね。つまり国民年金法と厚生年金保険法の両方に、『年金は差押禁止財産である』と記載されているということです。従って、個人年金等の民間で貯蓄した年金でない限り、公的な年金を差し押さえられることはありません。
ですから、任意整理で支払えなくなった場合は、一括返済を求められますが、それでも支払えなくなった場合は、差し押さえられるものがないので、最終的には自己破産をするしかないと言えるでしょう。
しかし、差し押さえられるものがないという状態は、むしろ自己破産に向いている状態とも言えますので、自己破産をするからといって過度に心配する必要はありません。
年金は差し押さえ禁止財産だから安心だよ!一つ一つにそうやって細かいルールがあって、しっかりとそれぞれの立場を公明正大な観点で考えてあるんだね!
ぴよぴよ(うーむ)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!