任意整理で借金が減らない場合はある?
あります。 例えば下記のとおりです。
- 1:相手が闇金融である
- 2:借金だと思っているそれが単なる支払い義務である
- 3:利息が全くない借金である
- 4:過払い金があると大きな額を減らせる
- 5:借金をしてから時間が経っていない場合はたいして減らせない
任意整理というのは『借金を減らす』というよりは、『返済額を減らす』というイメージだね!だから利子がない借金に関しては、減らすことができないよね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
任意整理で借金が減らないケースとは
任意整理をしても借金が減らないなら、任意整理をしても意味がありません。借金を減らすために債務整理をしたいわけですからね。その場合はこういう理由が考えられます。
- 相手が闇金融である
- 借金だと思っているそれが単なる支払い義務である
- 利息が全くない借金である
相手が闇金融である
まず、相手が闇金融であったり暴力団であった場合は、アウトローですからね。アウト(外)ロー(法律)です。つまり、法律の外で生きる彼らに法律の話をしたところで、話を聞いてくれるわけがありません。任意整理の主張をしても無視されることがあるでしょう。
しかし、それならそれで対処法があります。そもそも、その様な業者に対しては支払いをする必要がないのです。闇金融に関する詳細は下記の記事に書きました。
また、弁護士の中には闇金融対策に特化した人がいますから、そういう専門家に仕事を依頼するのも一つの手ですね。
相手が無法者、つまりアウトローであれば法律の話を淡々としても言うことを聞かないからね!借金問題の中には、こうした闇金融なんかがいるからちょっとややこしいね!
ぴよぴよ(ウシジマくんっす)!
借金だと思っているそれが単なる支払い義務である
そもそも、借金だと思っているそれが、単なる『支払い義務』である場合は、それを減額することができませんね。例えば損害賠償金や罰金等は、借金ではなく支払い義務です。
たしかに自分にとっては『自分の手元から出ていくお金』という認識であり、借金だろうが支払い義務だろうがあまり変わりはないのですが、それは自分の認識にすぎませんからね。これらは借金ではなく、支払い義務なのです。
こういった支払い義務は、自己破産をする際においても帳消しになりません。『非免責権』と言います。
ですから、自己破産における非免責権や、支払い義務に関しては、借金でないからゆえ、任意整理でその額を減額することはできないということですね。
罰金や税金なんかは、借金じゃないから減らすことはできないんだね!だから考え方を変えて、『それらを支払うために、ほかの借金を整理する』という考え方にするのがいいよ!
ぴよぴよ(なるへそ)!
利息が全くない借金である
この場合も任意整理は適していませんね。借金には無利子という形態もありますから。そもそも任意整理の最大の特徴は、
- 利息をカットできる
- 3~5年の分割払いが出来る
ということです。
例えば、100万円の借金があった場合、利息制限法では15%の年利と定めていますから、それを3年で返す約束をしていた場合、こういう計算になります。
計算
100万円×15%=15万円
15万円×3年=45万円
100万円+45万円=145万円
つまり、45万円の利息を払うことになったわけです。しかし、これを任意整理によってカットしてもらい、元金だけを返済します。すると、45万円の無駄な利息を払わずに済みますから、任意整理をする価値がありますね。
しかし、これが最初から無利子ということなのであれば、任意整理をしたところでその効果は得られません。
利息がない借金は案外あるからね!例えば奨学金なんかも利息がないものがあるよ!その場合は任意整理をしても意味がないんだ!
ぴよぴよ(たしかに)!
過払い金があると大きな額を減らせる
また、このようにして『完全に減らない』ということだけではなく、『ちょっとしか減らない』というケースについても考えてみましょう。
任意整理というのは先ほども言った様に、『利息をカットできる』というところが最大のメリットであります。ですから、この利率が高ければ高いほど、『借金を減らすことができた』と言うことができるわけですね。
10%より15%、15%より20%の年利がついていた方が、それを任意整理したときに減らせる額が大きいということです。
計算
100万円×10%=10万円
100万円×15%=15万円
100万円×20%=20万円
ですね。20%であれば、10%の場合と比較して、2倍も『借金を減額できる』という事実ができるわけです。ということは、利率が高い方が任意整理で減額を期待できるわけですが、2018年現在、20%を超える金利を取っている業者はほとんどいないでしょう。
にも書いた様に、2006年に最高裁判所において、『グレーゾーン金利』による過払いの返金を求める判決が出て以来、貸金業者はグレーゾーン金利をとることを止めました。しかし、それまでは取っていました。
『利息制限法』では年利18%までの金利を取っていいことになっていたのですが、『出資法』で年利29.2%まで許されていた。その間に、『グレーな金利があるじゃないか』ということで、大手金融会社もこぞってこのグレーゾーン金利を客から絞り取っていたんですね。
- 利息制限法:18%
- 出資法:29.2%
しかしこの判決によって、貸金業者は法律で定められた18%以上の利息に対して、債務者に返還しなければならなくなりました。
ちなみにこの18%は借金が100円未満であった場合ですね。10~99万9,999円の場合です。100万円から上の金額は、全て15%ということになります。
利息制限法の上限
元本額が10万円未満の借金 | 元本額が100万円未満の借金 | 元本額が100万円以上の借金 |
---|---|---|
年20%まで | 年18%まで | 年15%まで |
ですね。ですから、もし出資法の29.2%で利息を払っている、もしくは以前に払っていた事実があった場合、それを任意整理の利息引き直し計算によって、返金させることができます。そうなると、
- 利息のカット+過払い金の返還
ですから、
- 減額+収入
ということになりますね。しかし先ほども言った様に、この判決が出てから10年以上経った今、このような結果になることはなくなってきています。
過払い金は一時のブームだったね!その10年間は弁護士にとってのビジネスチャンスだったんじゃないかなあ!貸金業者はだいぶダメージを受けて、弁護士たちはだいぶ利益を得たよ!
ぴよぴよ(うーむ)!
借金をしてから時間が経っていない場合はたいして減らせない
また、借金をしてから時間が経っていない場合も、任意整理の効果は薄れてしまいます。既に支払っている利息が70万円あった場合と、10万円だった場合では、利息の引き直し計算をしたときに過払い金があったとわかった場合、返金される額に差があります。
例えばこの60万円が、100万円借りている人が1年で支払った利息だとします。そしてそれを、3年で返済する約束があったとします。すると、
計算
60万×3年=180万円(支払合計)
でこの場合の支払合計は180万円。100万円を3年で180万円で返すということは、1年で加算されている金額は、
計算
60万円÷3年=20万円
20万円ということになります。つまりこれは年利20%ですね。しかし実際には100万円の場合は15%が限度ですから、これを15%に計算し直します。
計算
100万円×15%=15万円
15万円×3年=45万円
100万円+45万円=145万円(年利15%の場合の3年の支払合計)
145万円÷3年=483,333円(この場合の年間支払合計)
60万円-483,333=116,667円
過払い金はおよそ12万円ということになります。
一方、同じ年利20%で計算して、3年払いで、すでに10万円払っていた場合、
計算
60万円÷12ヵ月=5万円(年利20%の場合の月々に支払うお金)
10万円÷5万円=2回(支払った回数)
ですから、2回、つまり2ヵ月ほどしか経っていないことになります。すると、同じように15%で計算し直して過払い金を返金してもらうと、
計算
483,333円÷12ヵ月=40,277円(年利15の場合の月々に支払うお金)
40,277円×2回=80,555円(実際に支払うお金)
10万円-80,555円=19,445円(過払い金)
で、返ってくるお金はおよそ2万円程度です。12万円と2万円の額を比較すると、『任意整理で得られる効果は低い』ということになりますね。つまり、たくさん支払っていた方が任意整理によって得られる効果は大きいということです。
もちろんこの場合は『過払い金返金』に特化しているので、その後に支払う『将来利息』をカットしてもらうという意味では、どちらのケースにおいて考えても効果は期待できる、という見方になります。
時間が大して経っていなければ、利息をあまり払っていないので過払い金がそこまで期待できないってことだね!でも、将来利息をカットできることを考えれば、任意整理の意味はあるね!
ぴよぴよ(あるね)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!