任意整理の分割返済は何回まで可能?
原則は36回です。最大なら今まで、7年(84回払い)という分割払いが認められたことがあります。
原則は個人再生同様3年、36回払いが求められるんだ!個人再生で3年になっているから、任意整理でもそうなっているんだよ!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
最大で7年(84回払い)という分割払いが認められた
任意整理は基本、債権者に対し、
- 利息のカット
- 分割払い
の2つを軸に交渉する債務整理です。その基本的な手続きの概要や流れについては、下記の記事をご覧ください。
利息のカットというのは将来利息のカットがメインです。後は損害遅延金ですね。
将来利息
今後払うことになる利息
利息に関する詳細は下記の記事に書きました。
また、分割払いに関しては以下の記事に書きましたが、
原則その期間は3年~5年。つまり36~60ヵ月です。基本的には5年以内に収めるのが相場です。
『合法的に借金をゼロにする方法―1人でできた! 誰にも迷惑をかけない「借金整理」と知って得する「過払い金請求」』にはこうあります。
支払期間の目安は?
返済期間の目安は、貸金業者にもよりますが、約5年間で完済する計画ならば認めてくれます(7年間の計画は過去に認めてくれた業者がありましたが、8年間を認めてくれた業者はありませんでした)。
最大で7年(84回払い)という分割払いが認められたケースがあるようですね。しかし8年が認められたことはないようです。
36~84回と覚えておけばいのかな!でも大体は36~60回の間で分割払いをしていくことになるだろうね!
ぴよぴよ(なるへそ)!
分割返済ができなかった場合は
また、もし分割払いを怠った場合は、一括返済をすることを余儀なくされます。それについての詳細は下記の記事に書きました。
もしそこで一括返済ができないということになれば、個人再生や自己破産をすることを検討する必要が出てきますね。
支払い義務を怠れば、期限の利益を喪失するから、分割払いの権利を失い、一括返済を余儀なくされるよ!
ぴよぴよ(うーむ)!
借金は長期返済にすればするほど大損をする
基本的に、借金を長期的な分割払いで支払っていくことは損でしかありません。例えば、100万円借りて、年利15%ついたとしましょう。それを3年で返済していきます。すると、
計算
100万円×15%=15万円(年利)
15万円×3年=45万円(3年間の利息)
100万円+45万円=145万円(支払合計)
145万円÷36ヶ月=40,277円(毎月の支払合計)
で、実に45万円もの余分な支払いをすることになり、毎月約4万円の支払いをすることになります。では、これを5年、7年で返済するとどうなるかも計算しましょう。
5年の場合
100万円×15%=15万円(年利)
15万円×5年=75万円(5年間の利息)
100万円+75万円=175万円(支払合計)
175万円÷60ヶ月=29,166円(毎月の支払合計)
7年の場合
100万円×15%=15万円(年利)
15万円×7年=105万円(3年間の利息)
100万円+105万円=205万円(支払合計)
205万円÷84ヶ月=24,404円(毎月の支払合計)
毎月の支払いこそ、
計算
4万円→2.9万円→2.4万円
と減っていますが、 利息だけを見ると、
計算
45万円→75万円→105万円
ですからね。長期返済にすればするほど、大損をすることになります。
毎日の負担は長期返済によって軽くできるけど、結果的に負う負担は長期返済の方が重くなる!リボ払いの感覚となんか似ているね!
ぴよぴよ(たしかに)!
任意整理の長期返済は債務者にメリットがある
しかし、任意整理の分割払いというのは冒頭でも言った様に『利息をカットできる』メリットがあります。ということは、計算はこうなります。
計算
100万円÷36ヶ月=27,777円(毎月の支払合計)
100万円÷60ヶ月=16,666円(毎月の支払合計)
100万円÷84ヶ月=11,904円(毎月の支払合計)
利息が付きませんから、単に100万円を3~7年で分割払い出来るだけなので、こんなにも月々の支払いが楽になるんですね。これが任意整理の良いところだと言えるでしょう。
『合法的に借金をゼロにする方法―1人でできた! 誰にも迷惑をかけない「借金整理」と知って得する「過払い金請求」』にはこうあります。
また、返済期間中は利息をつけないように求めることができます。支払金額を定めたら、その支払金額には利息(将来利息)は付けず、その支払金額を5年なら5年で均等に分割して支払うような約束にしてください。弁護士を代理人にすると、貸金業者はたいてい求めに応じてくれます。
こうした計算をしてみて、実際に自分が毎月『いくら払えるのか』ということを算出すれば、任意整理の方向性も固まってきますね。どういった和解書を作成するかが見えてくるわけです。例えばこの場合だったら、
毎月2万円ぐらいだったら何とかなりそうだ。
ということであれば、60回払い、つまり5年の分割払いで返済するように和解書に記載するわけですね。分割払いの期間を決めるのは月々の自分の支払い可能額が基準となるでしょう。
人間の収入はそういきなりは増えないからね!だからなるべく日々の負担を下げることを考えていくことが大切!その間に出世したりすることはまた別のお話!
ぴよぴよ(お話)!
任意整理は債権者ごとに支払い方法を決めれられる
また、下記の記事にも書いた様に、
弁護士の費用は、
- 着手金=整理した会社1社につき2~4万円(0円の場合もある)
- 成功報酬=整理した会社1社につき2~4万円
- 減額報酬=減額した負債額の1割
- 事務所経費=2万円程度
弁護士の費用
着手金 | 成功報酬 | 減額報酬 | 事務所経費 |
---|---|---|---|
会社1社につき2~4万円 (0円の場合もある) |
会社1社につき2~4万円 | 減額した負債額の1割 | 2万円程度 |
が大体の相場となっています。つまり、『整理した会社1社につき』として1社ごとに手続きを分けて考えているのです。ということは、分割払いの対応も、1社ごとに異なってきても問題ないということになります。例えば、
- A社:36回払い
- B社:36回払い
- C社:36回払い
- D社:60回払い
として、D社だけ60回払いで交渉することは、可能なんですね。それは、それぞれの債務がどのようなものかによって、最善な答えが違ってくることになります。
ただし、各記事にも書きましたが、債権者としては分割払いが長引けば長引くほど、取りこぼしをするリスクも増えるため、嫌がります。ですから、
一括返済をするなら、15%引きでいい。
などとして、一括返済を要求する債権者もいるんですね。
一括返済をすると割引にしてくれる業者もいるけど、その交渉を鵜呑みにしないほうがいいと言われているよ!弁護士にきちんと計算してもらって、本当にお得なのか判断しよう!
ぴよぴよ(なるへそ)!
任意整理が向いていないと思ったら
さて、もし5年や7年といった長期返済でも、月々の支払いが難しいという計算が行われた場合はどうしたらいいでしょうか。その場合は、他の債務整理に目を向けるしかないと言えるでしょう。債務整理は、
とありますが、例えば個人再生であれば、借金を5分の1程度まで減らすことが出来ます。
具体的に:
住宅ローンを除く借金総額が5000万円を超えない個人再生の場合の返済額についての下限額は、以下のとおりである。
- 債務総額が100万円未満の場合:債務総額
- 債務総額が100万円以上500万円以下の場合:100万円
- 債務総額が500万円を超え1500万円以下の場合:5分の1
- 債務総額が1500万円を超え3000万円以下の場合:10分の1
返済しなければならない金額
100万円未満 | 100万円以上500万円以下 | 500万円を超え1500万円以下 | 1500万円を超え3000万円以下 |
---|---|---|---|
債務総額 | ¥100万 | 5分の1 | 10分の1 |
自己破産になると借金自体は帳消しですね。ですから、任意整理で返せないと分かった場合は、個人再生や自己破産の手続きも検討しましょう。もちろん、それぞれにはメリットとデメリットがありますので、しっかりとそれを確認した上で決断しましょう。
弁護士等がいる場合は、彼らに相談をして最善策を決めてもらうことができるので安心です。
任意整理以外にも選択肢がまだあるから一安心だね!これが例えば自己破産を検討していた人であれば、もう次の選択肢がないんだから!
ぴよぴよ(たしかに)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!