借金

一部の債権者だけを任意整理することは出来る?

質問

一部の債権者だけを任意整理することは出来る?

答え

できます。というか、一部の債権者を整理することが出来るのが、任意整理です。

 

どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!

ニワトリ

任意整理の基本は『整理する対象を選べる』ってことだから!自己破産では無理なんだけど、任意整理ならできるんだね!詳しく解説するね!

ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!

 

一部の債権者を整理するのが任意整理

一部の債権者だけ任意整理が出来るか、という問題については、答えはYesということになります。ただ、Yesというか、

 

 

にも書きましたが、そもそも借金の一部を免除にしてもらう債務整理が、『任意整理』の特徴です。自己破産となるとそれが出来ないのです。自己破産は『債権者平等の原則』に重きを置きますから、それは許されません。

 

例えば、『偏頗弁済』という考え方があります。

 

偏頗弁済(へんぱべんさい)

特定の人にだけお金を返す行為。えこひいきのようなもの。

 

この偏頗弁済があってはなりません。

 

破産法第252条にはこうあります。

裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

 

三  特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。※破産法(第二百五十二条 三)

 

 

この偏頗行為があったとき、自己破産の免責は下りません。つまり、債権者に対して不公平な態度をとることは許されていないのです。

 

自己破産

自己破産

これは個人再生でも同じことです。個人再生の再生計画には、すべての債権者が参加されなければならないとしています。ですから、もし『債権者の一部だけ債務整理をしたい』ということであれば、自己破産ではなく任意整理をするのが一般的な考え方です。

 

民法695条にはこうあります。

和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。

 

任意整理はお互いの『任意』で行う債務整理であり、民法上の和解契約。つまり、債務者が提示した和解案で債権者が納得すれば、それで任意整理は成立するのです。

 

借金

自己破産や個人再生では『債権者平等の原則』があるから、一部の債権者を整理することはできないんだ!でも任意整理はお互いの『任意』で行う民法上の和解契約だからね!

ぴよぴよ(なるへそ)!

この章のまとめ
  • 一部の債権者を整理するのが任意整理。

 

債権者平等の原則

しかし、この『債権者平等の原則』は、自己破産だけではなくその他の債務整理の場合においても適用される考え方です。ですから、もしその任意整理の方法が、少し平等性に欠けるようなものであれば、話がスムーズに進まないことがあります。例えば、

 

  • A社:50万
  • B社:50万
  • C社:50万
  • D社:50万 (高利)

 

比較

 

という状況があった場合、高利のD社だけ任意整理をすることは有効です。任意整理というのはほぼこういう状況を改善するためにあると言ってもいいでしょう。

 

借金

 

しかし、もしこれが

 

  • A社:50万
  • B社:50万
  • C社:50万
  • D社:50万

 

として、利息も債務額も全て同じ条件であった場合、『なぜD社だけ任意整理をするのか?』という疑問がわいてしまいますね。

 

これは、D社が不満を覚える内容です。その他の会社には通常通り利息を払って支払っていくのに、D社だけが任意整理をされて利息をカットされ、元金だけしか返金されない。これは『債権者平等の原則』から考えて、理不尽な結果ですよね。

 

借金

 

また、もし任意整理をした後に、A社とB社に返済したら、残りの2社に返済するだけのお金がない、という状況があるのであれば、これは『D社だけを任意整理』している場合ではありません。全ての債権を任意整理した方が『債権者平等の原則』から考えても、『任意整理をする意味』で考えても、つじつまが合いますね。

 

また例えば、D社を任意整理した場合で、

 

  • A社:50万
  • B社:50万
  • C社:50万
  • D社:50万(過払い金発生)

 

もし過払い金が発生したとき、それは返還させることができます。ここまでは別にいいですね。しかし、もしその過払い金を使ってしまって、それで更に『任意整理をしなかったA~C社』への返済が出来ず、結局自己破産をしてしまったとします。

 

すると、これはもしかしたら自己破産の免責不許可事由に該当する可能性があり、自己破産が受けられないという事態に発展するかもしれません。

 

借金

借金

 

過払い金というのは、『財産』扱いです。家や車や有価証券同様、財産の扱いを受けます。自己破産をすると、

 

  • 99万円以下の現金
  • 換価20万円以下の財産
  • 生活に必要最低限の家財道具

 

以外は、全て処分されます。

 

自己破産

 

しかし、その『処分してお金に換え、債権者に配当すべきだった過払い金』を使ってしまったわけですね。

 

破産法第265条にはこうあります。

破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。

 

四  債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為。※破産法(第二百六十五条 四)

 

これは状況次第では『詐欺破産罪』として判断され、最悪の場合は10年以下の懲役、1,000万円以下の罰金となります。

 

自己破産

 

もちろんこれはよほどこの債務者の素行が悪いという場合にのみ考えられることですが、このような方向になるという事実も直視する必要がありますね。

 

借金

確かに任意整理は『債権者平等の原則』はそこまで重視されないけど、実際には根底に『債権者平等の原則』が働いているんだ!それを忘れてはならないよ!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 任意整理をする際も『債権者平等の原則』には注意が必要。
  • 過払い金というのは、『財産』扱い。

 

結局、借金の一部を免除にするのが任意整理

しかし例えば、

 

 

などの記事を見てもわかるように、『自分にとって不都合な債務は任意整理の対象から外す』ということが任意整理の常識となっています。

 

  • 自動車ローンを任意整理する→自動車を引き揚げられる
  • 住宅ローンを任意整理する→持ち家を引き揚げられる
  • 保証人がいる債務に任意整理する→保証人に支払い義務が移る

 

借金

 

ということですね。これを避けるために、これらの債務を任意整理の対象から外し、その他の債務を任意整理することで、債務者の都合のいいように話が進められるということです。

 

借金

 

しかしそう考えると、先ほどの『債権者平等の原則』はどうなるでしょうか。例えば、

 

  • A社:50万 (住宅ローン)
  • B社:50万 (自動車ローン)
  • C社:50万 (保証人つき債務)
  • D社:50万

 

であった場合、A~C社を任意整理することは自分にとって都合が悪いので、D社だけを任意整理することになりますね。すると、『債権者平等の原則』から考えると、いささか首をかしげざるを得ない結果になります。D社からすれば、

 

なんで他の会社を任意整理しないんだよ!他は利息を払い続けて、しかも担保があるんだろ?うちなんか担保もないし、利息も払ってもらえないしで、こんなの不平等じゃないか!

借金

 

ということになりますよね。ですから、『債権者平等の原則』から考えるという事実は、任意整理において本当に重視されているかどうか、首をかしげざるを得ません。ですから多くの専門家は、

 

任意整理では、借金の一部だけを免除にしてもらうことができる。

 

と口をそろえるんですね。あくまでも、『原則』に『債権者平等の原則』を置き、その上で、『結局、借金の一部を免除にする』という方向に流れるということですね。

 

借金

確かに根底には『債権者平等の原則』があるけど、個人再生や自己破産のように、それは表面化してるわけじゃないからね!あくまでも原則なんだ!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 任意整理において『債権者平等の原則』は、原則でしかない。

 

原則が基本軸にあるかないかは大きい

原則を置くのと置かないとでは違いますからね。例えば信号も原則としてそれを守る必要がありますが、もし360度周りを見渡して、どう考えても半径500m以上人が誰もいないような見晴らしのいい交差点で、その赤信号を守って道路を横断しない、ということに意味があるとは思えません。

 

借金

 

Wikipedia『規範意識』にはこうあります。

規範意識とは、道徳、倫理、法律等の社会のルールを守ろうとする意識のこと。しかし、規範、道徳、法律は、類似するものであるものの、必ずしも一致するものとは限らない。

 

通常、法律の遵守は規範であると考えられるが、いかなる場合であっても法律を守ることが規範意識であるのかというと、違和感を覚える人もいるであろう(例えば、交通量の極めて少ない場所での信号無視や、保護者同伴の席での未成年者の飲酒、駐禁場所でのやむをえない一時駐車など)。

 

 

しかし、だからといって『信号は守るべきだ』とうい原則を外していいということにはなりませんね。あくまでも法律や道徳、倫理やルールというものは『原則』であり、それは極めて重視されるべき概念ですが、しかし、ケースバイケースであり、臨機応変に考えていくことが求められるんですね。

 

ちなみに、

 

  • 債務A:50万 (クレジットカード)
  • 債務B:50万 (自動車ローン)

 

だった場合で、

 

自動車ローンを任意整理すると車を引き揚げられるから、債務Aだけを任意整理しよう!

 

ということは、先ほど考えたように認められますが、もしこの債権者が同じだった場合、つまり、この債務A、Bが、両方ともA社からの債務だった場合は、債務Aだけを任意整理することはできません。こういうケースもあるということですね。後は、債務者の債務状況や、支払い能力によって、最適な答えは異なってきます。

 

借金

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原則とか法律とかが基本軸にあるのとないのとでは、雲泥の差が開くからね!それをしっかりと守られていない状況を『グレー』だと考える人はいるだろうけど、世の中すべてに白黒はつけられないんだ!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 原則が基本軸にあるかないかは大きい。
  • 臨機応変に考えていくことが求められる。

 

 

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