任意整理の返済期間に条件はある?
あります。3~5年で支払いをするのが条件です。基本的には債権者は短期間で支払っていもらいたいということを忘れないようにしましょう。
任意整理の分割払いには条件があるよ!その条件を守って返済計画を立て、きちんと支払っていけば問題は解決さ!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
3~5年で支払うのが条件
任意整理というのは大体3~5年で分割して返済していく債務整理です。36~60ヵ月ですね。そして、利息をカットしてもらうことになります。その利息というのは、
- 経過利息
- 将来利息
- 損害遅延金(延滞利息)
の3つですね。
経過利息
最後に返済した日から、任意整理で和解が成立した日までの期間に発生した利息
将来利息
任意整理で和解が成立した日から、完済し終わるまでに支払うはずだった利息
損害遅延金(延滞利息)
返済期日に支払われないことにより発生した損害賠償金
ただし、金融業界の体力的な側面から、『経過利息』に関しては支払いを求めることがあるようです。
6年でも8年でもなく、3~5年ってことだね!だけど原則は3年なんだ!個人再生でもこれは同じことだよ!それ以上になると例えば、債務者の生存率なんかにも影響するしね!
ぴよぴよ(延ばすほど様々なデメリットやリスクがあるっす)!
利息をカットしてもらえるだけでも大きい
しかし、将来利息や損害遅延金だけでもカットしてもらえればありがたいですよね。ちょっと計算してみましょう。300万円借りている場合で、3年で返済する約束だった場合です。
計算
300万円×15%(利息制限法)=45万円(利息の合計)
これが、利息をカットできるわけですから、単純に45万円浮くということです。また、3年で支払った場合、月々の支払額はこうです。
計算
345万円÷36ヵ月=95,833円
毎月9.6万円の支払いをしていく必要がありました。しかしこれを任意整理で将来利息をカットしてもらうことで、
計算
300万円÷36ヵ月=85,333円
となり、およそ1万円の減額に成功するということです。しかし、まだまだこれでは金額が大きいと考える人もいますね。実際にはここに弁護士報酬を分割で支払うなどとなると、大体10万円ほど出ていくわけで、それはある人にとっては給料の半分です。
この記事にも書いた様に、弁護士費用の相場は大体以下の通りです。
- 着手金=整理した会社1社につき2~4万円(0円の場合もある)
- 成功報酬=整理した会社1社につき2~4万円
- 減額報酬=減額した負債額の1割
- 事務所経費=2万円程度
弁護士費用の相場
着手金 | 成功報酬 | 減額報酬 | 事務所経費 |
---|---|---|---|
会社1社につき2~4万円 (0円の場合もある) |
会社1社につき2~4万円 | 減額した負債額の1割 | 2万円程度 |
もし、300万円を5社から借りていたとすると、まず減額報酬としてカットした利息45万円の1割、
計算
45万円×0.1=4.5万円(減額報酬)
で、4.5万円がこの場合の弁護士の減額報酬になります。 それに1社ごとの着手金と成功報酬がプラスされますから、
計算
4.5万円+(4万円×5)(着手金)+(4万円×5)(成功報酬)=44.5万円
44.5万円+2万円(事務所経費)=46.5万円
46.5万円が弁護士に支払う報酬です。それを3年の分割払いしてもらうことにすると、
計算
46.5万円÷36ヵ月=12.916円
月々約1.3万円の支払いをしていくことになり、先ほど計算した85,333円の支払いにこれをプラスして、
85,333円(任意整理で減額した月々の支払い)+12.916円(分割払いにしてもらった月々の支払い)=98,249円
で、約10万円の支払いになります。
ですからこれを、先ほども言った様に60ヵ月で交渉をしたとします。
計算
300万円÷60ヵ月=5万円(月々の支払額)
5万円+1.3万円(弁護士報酬)=6.3万円
ですね。これなら、最初と比べて約4万円も減額することができました。ここまでくると任意整理の魅力が見えてきますね。
弁護士に渡す報酬も含めて、一度実際に自分で計算をすることが大切だね!正直人生もそうだけど、計算を細かくするかしないかは、人間の人生を大きく変えるんだ!
ぴよぴよ(計算ができなくて債務整理になったっす)!
5年以上の分割払いを許諾してくれる場合もある
では、それでもまだ支払いが難しいという人はどうしたらいいでしょうか。稀にですが、債権者の中には5年以上の分割払いを許諾してくれる人もいます。6年、7年に延ばすことができるんですね。その場合だと、
計算
300万円÷72ヵ月=4.16万円
300万円÷84ヵ月=3.57万円
ということで、
- 6年=4.2万円
- 7年=3.6万円
まで月々の支払額を減額することができます。
もちろん、全ての債権者がこれを許諾してくれるわけではありません。
これらの記事で書いた様に、むしろ一括返済を要求してくる場合さえあります。債権者にしてみると一括返済の方が安心だし都合がいいので、最初に一括返済を選ぶと負債額を1〜3割程度減額してくれることがあるんですね。
これは債務者の今までの素行や、金融業者の体力がが影響してくると言われています。前者の場合は、支払態度が悪ければ一括返済、良ければ長期返済を許諾する。というイメージになるわけですね。結局はそれを通してその人の信頼性を見ているわけですから、信頼性があるかないか、ということが最大のポイントになるということですね。
負債額を1〜3割程度減額してくれるっていうのには注意が必要だよ!一見すると割引で得をするように見えるけど、実は計算してみるとそうでもないことがあるんだ!弁護士に相談するべき!
ぴよぴよ(うーむ)!
基本的には短期間で返してもらいたい
それもそのはず、いつ滞るかわからない信頼性のない人に5年も7年も期間を与えると、途中で何が起こるかわかりませんからね。その逆で、
- それまでしっかりと支払期日を守って返済していた
- それ以前に事故なく返済をしていた
という人がいた場合、
彼にならそれだけの期間を与えても大丈夫そうだ。
ということになるわけですね。
金融業者の体力がない場合は、業者側が単純にそんなことをしている余裕がないから、ということになります。その場合は、3年ですら嫌がる場合があるということですね。そうなると先ほど、
計算
85,333円(任意整理で減額した月々の支払い)+12.916円(分割払いにしてもらった月々の支払い)=98,249円
という計算をしましたが、なんだかんだで結局月々10万円くらいの支払いをしなければならなくなります。中には、途中で支払いが厳しくなり、自己破産をしてしまうという人もいるんですね。
貸金業者はお金を扱う会社だから、たくさんお金を持っている印象があるけど、実際はそうでもないんだ!だから本当はすぐにでも返してもらいたいんだよ!
ぴよぴよ(なるへそ)!
任意整理の限界
ここで任意整理の特徴を見てみましょう。
任意整理
毎月一定の収入があり、月々の返済額さえ減らすことが出来れば自力で返済が可能な人、また、借金額が年収の1.5倍以内であるかどうかがポイント。
先ほどの人の例で考えると、借入金は300万円です。月給25万円、ボーナスなしで考えて年収が300万円ですから、 この場合は任意整理の範囲内にあると考えられます。このケースの場合だと、450万円までの借金なら任意整理できるということになりますからね。ちなみに450万円を3年で返すとなると、
計算
450万円÷36ヵ月=125,000円
で、12.5万円です。毎月ちょうど給料の半分が支払いに消える生活が、3年間続くんですね。これは厳しいですね。しかし、5年だと、
計算
450万円÷60ヵ月=75,000円
このように7.5万円になるので、何とか5年で和解出来れば、この額でも支払えないことはないということになります。しかし、やはりこの辺りが任意整理の限界でしょうね。
任意整理には限界があるからね!それ以上の負債を負っていると、長期間の支払いはできないでしょ!だから1.5倍くらいがちょうどギリギリだと言われているんだ!
ぴよ(ふむ)!
その他の債務整理を検討してみる
そうなると、今度は違う債務整理を考えることになります。債務整理は、
とありますが、任意整理の次に考えるのは、この場合なら個人再生ですね。個人再生であれば、借金を5分の1程度まで減らすことが出来ます。
具体的に:
住宅ローンを除く借金総額が5000万円を超えない個人再生の場合の返済額についての下限額は、以下のとおりである。
- 債務総額が100万円未満の場合:債務総額
- 債務総額が100万円以上500万円以下の場合:100万円
- 債務総額が500万円を超え1500万円以下の場合:5分の1
- 債務総額が1500万円を超え3000万円以下の場合:10分の1
返済しなければならない金額
100万円未満 | 100万円以上500万円以下 | 500万円を超え1500万円以下 | 1500万円を超え3000万円以下 |
---|---|---|---|
債務総額 | ¥100万 | 5分の1 | 10分の1 |
5分の1、あるいは高額の場合は10分の1になるわけですね。300万円だった場合は、100万円まで減額されます。そして個人再生も任意整理同様3年で返済するのが相場です(というより、個人再生で3年と決まっているから、任意整理の原則も3年となっている)から、
計算
100万円÷36ヵ月=27,777円
で、およそ3万円まで支払額を減額することができます。こうなると、債権者としても元金を3分の1に減らされるわけですから、
個人再生や自己破産よりは、5年で飲むしかないか…
などと計算して、任意整理の長期返済を許諾する可能性があるということになります。
大きな金額をまとめて払うとなると大変ですが、フランスの哲学者
デカルトが言った様に、
分割払いにして一歩ずつ進み、一つずつ片付けていけば、問題解決は楽になります。
ということですね。
任意整理以外にも選択肢はあるからね!一度法律のプロである弁護士を交えて、しっかり最適な判断を導き出すようにしよう!
ぴよぴよ(しよう)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!