任意整理で整理する対象から外す必要がある借金ってある?
住宅ローンや自動車ローン、または、保証人がついた借金は外すことが推奨されます。そうしないと、それらの担保が引き揚げられたり、あるいは保証人へと支払い義務が回ってしまいます。
任意整理は整理する対象を選べるのが特徴だからね!個人再生や自己破産では選べないんだ!だからぜひとも自分に都合のいい選び方をしたいよね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
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任意整理の対象になるのはすべての借金
任意整理の対象になる借金は、全てです。どういうことかというと、債務者が総額で200万円借りていた場合、その200万円全ての借金が整理の対象になるということです。
これだけじゃちょっと意味がわからないですね。これはつまり、自己破産の免責対象を考えた時に見えて来るものです。自己破産をすると、免責、つまり帳消しの対象になるものが限定されています。例えば、非免責権というものがあります。税金や罰金等は、免責の対象にならないんですね。
つまり、自己破産をしようとする人は、借金以外にも、こうした罰金や慰謝料のように『支払わなければならないもの』があるわけですが、これらの中で、非免責権に該当するものは免責の対象になりません。そう考えると自己破産は、『抱えている支払い義務の全てから免れようとしている人』がそこにいることが見えてきます。
それに比べて任意整理は、全ての『借金』が対象になる。つまり、最初から『借金』だけを対象にしている整理なので、『抱えている支払い義務の全てから免れようとしている人』が行う自己破産とは、少し内容が違ってくるわけです。
- 自己破産=抱えている支払い義務の全てから免れようとしている人が行う
- 任意整理=『借金』を整理して元金だけ返済しようとする人が行う
ということになります。回りくどい言い方をしましたが、任意整理というのは『借金整理』であり、自己破産というのは『支払い義務整理』というイメージがわかりやすいかもしれません。
とはいっても、別に自己破産をしようとする人の中にも、『借金整理』と考えている人はいるからね!『支払い義務の全てを整理できると思っている人がいる』ということだね!
ぴよぴよ(そういう印象はあるっす)!
自己破産や個人再生は借金の一部だけを免除にすることはできない
また、その際対象になる会社は、
にも書いた様に、借金の一部だけを免除にしてもらうことが出来ます。自己破産や個人再生は借金の一部だけを免除にすることはできないんですね。『債権者平等の原則』に基づいて、各債権者に平等でなければなりません。
しかし任意整理は一部だけを免除にできます。つまり、
- A社:100万
- B社:150万
- C社:100万
- D君:20万円
こういう借金があったとき、この中から『B社』だけを整理することが出来るということですね。その際、『A社とB社』でも『C社とA社』でも構いません。友人であるD君は融通が利くはずですし高利である可能性も低いので、D君の債務を整理するということはないですよね。
基本的にはこのように、すべての借金を対象にし、その中からどれか自分の好きな債務を特定して整理することができます。そして往々にしてその対象となる債務は『高利』なところがほとんどですよね。
任意整理をするとき、高利である会社をまず最初に整理することを考えることになるね!どうせ利息をカットできるんだったら、それが最も合理的だからね!
ぴよぴよ(たしかに)!
住宅ローンや自動車ローンはやめたほうがいい
しかし、『すべての借金が対象』と言っても、以下の状況では任意整理が向いていない場合があります。
- 闇金融
- 住宅ローンや自動車ローン
闇金融が『任意整理が向いていない』理由は、任意整理どころか、こちらの言うことをきちんと聞かないので、債務整理自体がスムーズに進まないという意味で挙げられることになります。しかし、もし法定利息以上の金利を取っていた場合は、そもそもその利息を払う義務はありませんので、堂々と踏み倒してしまっていいのです。
ですが、脅されたり督促をかけられたりと、様々な問題が起きてしまうことを考えると、弁護士を通して真正面から解決をした方がいいでしょう。弁護士の中には闇金対策に重きを置いているところもありますので、そちらに相談すれば安心して解決できます。
住宅ローンや自動車ローンですが、これを任意整理すると持ち家や車を引き揚げられる可能性が出てきてしまいます。それらを担保にしてお金を借りていたわけですからね。担保にしてお金を借りていた場合、借金が滞ったら抵当権者はその担保として提供を受けた物については、債務者の意思に関係なく一方的に換金できます。
ですから、住宅ローンと自動車ローンは任意整理の対象から外すのが妥当な考え方です。こうして担保を預けている場合は、その代わりに比較的大きな借金ができ、かつ利率が低いのが特徴です。つまり、基本的に額が大きいのが相場です。
住宅ローンと自動車ローンだけじゃなく、保証人がついている借金も同じことだよ!保証人へ支払い義務が回ってしまうからね!これは個人再生でも自己破産でも同じことなんだ!
ぴよぴよ(保証人は常に債務者同様に債務整理をする必要が求められるっす)!
住宅ローンのような大きな借金を債務整理する場合は個人再生が向いている
額が大きい場合の債務整理は任意整理ではなく、
- 民事再生(個人再生)
が適しているのです。それでは、それぞれの特徴を見てみましょう。
任意整理
毎月一定の収入があり、月々の返済額さえ減らすことが出来れば自力で返済が可能な人、また、借金額が年収の1.5倍以内であるかどうかがポイント。原則として利息をカットしてもらい、3~5年の分割払いで返済していくのが相場。整理する債権者を選べる。
個人再生
住宅ローンを除いた負債額が5,000万円を超えない場合で、不動産や自動車などの高価な資産を手放すことなく債務整理をしたい人、あるいは自己破産の制限業種に該当したり、自己破産しても免責を得られる可能性がない人に適している。借金を5分の1~10分の1程度に減額できる可能性がある。返済は原則3年間の分割払い。整理する債権者は選べない。
自己破産
最低限の生活用品などを除いたすべての財産を換価して、全債権者にその債権額に応じ、公平に返済をするよう、法的な力を借りて行う手続き。財産をほとんど失う代わりに、借金がいくらあってもそれを帳消しにできる。整理する債権者は選べない。
つまり、任意整理に向いいてる人は『借金額が年収の1.5倍以内』という条件に当てはまる人なわけですから、
計算
300万円(年収)×1.5=450万円
ということで、年収300万円の人の場合は、450万円以下の借金を抱えている人が任意整理に向いているわけです。もちろんそれも大きな金額ですが、住宅ローンの平均借入額は2,500万円です。額が一桁違うんですね。
ですから、住宅ローンのような大きな借金を債務整理する場合は、個人再生が向いているわけです。説明に『不動産や自動車などの高価な資産を手放すことなく債務整理をしたい人』と記載してあるように、個人再生なら住宅等を手放すことなく債務整理することが出来るので、とても便利なんです。
年収の1.5倍以上の借金がある人は、任意整理ではなく個人再生や自己破産を選択することになるってことだね!
ぴよぴよ(なるへそ)!
本とネットの情報が分かれている
また、これは本とネットの情報とで分かれているのですが、原則として住宅ローンは任意整理が出来ないと本に記載してあります。
住宅ローンも任意整理で減額することができますか?
原則として、住宅ローンの任意整理は出来ません。この場合は本人が直接、住宅金融公庫や銀行に返済計画の見直しを提案すれば、見直してくれることが多いようですので、ぜひ相談してみてください。その他、住宅ローンをこのまま支払い続けながら、その他の借金を大幅に圧縮することができる民事再生の手続きを取ることも考えられます。
この本は弁護士が書いているのですが、他サイトにも同じように弁護士の意見で、『住宅ローンや自動車のローン、その他のショッピング(物販)による債務も、任意整理すること自体は可能です。』と記載してあります。『ただし、住宅や車を引き揚げられます。』と書いてあるだけなんですね。
昨今、ネットの情報は信用できないと言われていますが、これに関しての事実はどちらを信用すればいいのかわかりませんね。私は弁護士ではありませんので、やはり、依頼する弁護士に直接自分の状況を伝えて、適切な債務整理を選ぶのがいいでしょう。
もちろん自己破産でも構いません。自己破産であれば個人再生のように『負債額が5,000万円を超えない』という条件はなく、10億円でも100億円でも破産可能となっています。ただし、その代わりに持っている財産はほとんど失うので、どちらが最適なのかはケースバイケースでということになるでしょう。
ネットと本はどっちが信憑性があるのかね?ネットにある情報の多くには『できる』とあり、専門書には『できない』と書いてるよ1
ぴよぴよ(玉石混交っす)!
債権者一覧表を作成する
また、任意整理の対象と対象外について考えるなら、『必ず債権者一覧表を作成する』ということを覚えておかなければなりません。
債権者一覧表は文字通り債権者の一覧表です。ここには、A社からD君まで、業者、知人限らず全ての借金の一覧表を書く必要があります。そうしなければ、後々面倒なことになることがあるので注意が必要です。
例えば、A社だけを整理しようとして弁護士に報告し、その意向を尊重して弁護士がA社の債務を整理してくれたが、B社が運営するクレジットカードが利用停止になった。あるいは、C社だけを整理したつもりが、D社のローン支払中の自動車に一括返済を求められた。
ということが起きてしまう可能性があるのです。自分の独断で、A社~D社が全て『違う会社』だと思っていたとしても、実際には裏で繋がっていたり、裏でも何でもなく提携していたりということがあり、債務整理が思うようにいかない可能性が出て来るんですね。
ですから、『この会社は任意整理の対象外だ』と独断で決めるのではなく、債権者一覧表を弁護士に提出し、相談しながら最適な債務整理をするようにしましょう。
例えば闇金融であれば、融資した顧客は、系列で情報を回すんだ!それで違う会社を装って融資し、自転車操業にさせるんだね!だから別々だと思っていた会社がつながっているということがあるよ!
ぴよぴよ(怖いっす親分、闇金融って怖いっす)!
連帯保証人がついている場合
また、連帯保証人がついている債務の場合も対象から外したほうが賢明です。連帯保証人が付いている借金の場合、任意整理でカットされた利息が連帯保証人に請求されてしまいます。
何とも妙な話ですが、ここはひとつ『そうなっている』と単純に考え、どうしてもその債務を整理したい場合はあらかじめ連帯保証人と相談するか、あるいはこの債務は整理の対象外にした方がいいかもしれません。
さっき説明したね!連帯保証人がいる場合も住宅ローンや自動車ローン同様、対象から外すことが推奨されるよ!
ぴよぴよ(なるへそ)!
今後自分が使っていきたいクレジットカードがある場合
また、今後自分が使っていきたいクレジットカードがある場合は、そのカードを運営する会社を対象から外したほうがいいでしょう。そうすれば任意整理後もその『整理をしなかった金融会社』が発行するクレジットカードを使用し続けることができます。
その際、先ほど言った『実は提携していた』ということがないように、任意整理する場合はしっかりと事前調査することを忘れないようにしましょう。ちなみにもし任意整理をしてしまった場合は、信用情報機関にてブラックリスト扱いされる期間は、5年間です。その5年間はクレジットカードを作ることはできませんが、5年経てばまた作ることができます。
しかし、借金をしていて債務整理をして、それでもなおクレジットカードを使いたいというのは虫が良すぎる話かもしれません。
にも書いた様に、クレジットカードはカード破産の原因にもなります。借金や破産の原因となるクレジットカードを、債務整理後も使おうとするのは、問題のある考え方かもしれません。
そんなものはなくても生きていけます。読むべきなのは以下の記事です。
借金や債務整理を通して『2度と借金をしない考え方』を学びましょう。
クレジットカードは便利だね!便利だからこそ、危険だね!自分のお金のようにいつでも引き出せるんで、それが原因でつい借金過多になってしまうんだ!
ぴよぴよ(うーむ)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!