借金

個人再生で裁判所から担保権消滅の許可を得るとどうなる?

質問

個人再生で裁判所から担保権消滅の許可を得るとどうなる?

答え

個人再生では、住宅ローン特則と同じような考え方で、担保となっている物件を守れるような配慮がなされています。その財産相当の金額を裁判所に納付して裁判所の許可を得れば、その財産に付いた抵当権を抹消することができます。これを担保権消滅と言います。

 

この担保権消滅の許可を裁判所に申し立てれば、債権者の合意を得られなくてもその担保権を消滅させることが出来ます。

 

どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!

ニワトリ

別除権協定をして債権者に相談すれば、担保物件を保持することができる可能性があるよ!だけどもし断られたら、この『担保権消滅』の許可を申し出ればいいんだ!詳しく解説するね!

ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!

 

個人再生は債務者を追い込んで殺すための制度ではない

個人再生は、文字通り個人を再生させるための制度です。決して債務者を追い込んで殺すための制度ではありません。ですから基本的には、債務者の応援をするように配慮されています。

 

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例えば、借金の大幅な減額であり、3年~5年の分割払いですね。これだけ考えても、すでに債務者の応援をしています。詳しくは以下の記事に書きました。

 

 

逆に債権者が踏んだり蹴ったりですね。勝手に借金の額を減額されているわけですから。こういうことがあると金融会社は赤字です。ですから、なるべく債権者は担保を取ってお金を貸したいんですね。そうすれば債務者が支払に滞ったとき、その担保を売ってお金に換え、返済金に充てられるから安心なわけです。

 

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個人再生をしたとしても担保がある場合はそれを引き揚げることができます。債務者としては、担保がある借金を整理の対象から外し、無担保ローンだけを整理したいところですが、個人再生ではそれが出来ません。それが出来るのは任意整理と特定調停ですね。

 

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任意整理であれば、上記記事で書いた様に、自動車ローンや住宅ローン等の有担保ローンを対象から外すことで、その担保を守って、他の借金だけを減額させ、債務整理することができます。

 

ただ、個人再生にも唯一『住宅ローン特則』というものがあり、住宅ローンだけは対象から外すことができるのです。詳しくは下記の記事に書きました。

 

 

この理由はやはり冒頭に書いた様に、個人再生が『個人の再生を応援するもの』であることが挙げられるわけです。債務者の住宅が奪われることになると、その後の返済に影響を及ぼします。個人再生は債務者を追い込んで殺すことが目的ではないので、住宅ローン特則のような特例が認められているのです。

 

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債務者と債権者、それぞれで考えることは違うけど、お金が絡んでいるからね!お金というのは人の一生を左右する問題だから、極めてシビアに考えるよ!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 個人再生は債務者を追い込んで殺すための制度ではない。
  • なるべく債権者は担保を取ってお金を貸したい。

 

ただしすべての支払い義務は免除されない

ここで各債務整理の特徴を見てみましょう。

 

  • 任意整理=整理する対象を選べる。利息をカットしてもらい、3~5年で支払っていく。
  • 特定調停=整理する対象を選べる。裁判所を通した任意整理。
  • 個人再生=整理する対象を選べない。借金を大幅に減額出来、3~5年で支払っていく。
  • 自己破産=整理する対象を選べない。財産のほとんどを処分する代わりに、借金を帳消しにできる。

 

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つまり、自己破産であれば借金を帳消しにするわけですから、基本的にはその後支払いに追われることはないため、別に家がなくてもそこまでダメージはないのです。何億円でも何十億円でも帳消しになりますからね。場合によってはむしろ圧倒的にお得になることがあります。家を持っていない人からすれば、更にお得ですね。

 

 

ですが、任意整理や個人再生は支払いをしていくわけですから、生活の基盤となる住宅がなくなることは、その後の支払いに影響が出てしまいます。そうすると困るのは債権者ですから、債権者の為にも、債務者には最低限の生活の確保はできるよう、配慮されるわけですね。それが住宅ローン特則が認められている理由の一つです。

 

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しかし、下記の記事に書いた様に、家賃や水道光熱費の面倒までは見ません。

 

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国民には三大義務がありますからね。そのうちの一つである『勤労』をすれば、必然的にそれらの支払いは出来るはずです。ですから、個人再生は確かに個人の再生の応援をする為にある制度であり、それに関するある程度の配慮はされていますが、しかし、その個人の何から何までの面倒を見よう、ということではないんですね。

 

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個人再生でも自己破産でも、借金は減額や免除されても『支払い義務』までは免除されないよ!借金と支払い義務は違うんだ!

ぴよぴよ(税金や罰金っす)!

この章のまとめ
  • すべての支払い義務は免除されない。

 

担保権消滅とは

ただし、今回のテーマである『担保権消滅』というものは、以上のことを考えたら自然と納得のいく、債務者に与えられた権利です。

 

例えば、もし債務者が今言った『住宅』のように、『それを失ったら収入を得ていくことが難しくなる』という状況に陥るかもしれない場合、その担保となる物件を引き揚げられることはどう判断されるでしょうか。

 

例えば、『個人タクシー運転手における、自動車』ですね。このイメージです。

 

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機械や設備等があって初めて利益が生み出せるような状況にあるとき、その環境が揃って初めて事業を継続できるというとき、もしそれらの物件が担保となっていた場合、個人再生によってそれを引き揚げられてしまうと、事業の継続が出来ませんね。個人タクシーの運転手からタクシーを奪うと、運転ができませんよね。

 

ですからその場合、その住宅ローン特則と同じような考え方で、その担保となっている物件を守れるような配慮がなされています。その財産相当の金額を裁判所に納付して裁判所の許可を得れば、その財産に付いた抵当権を抹消することができるんですね。これを『担保権消滅』と言います。

 

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民事再生法第148条にはこうあります。

再生手続開始の時において再生債務者の財産につき第五十三条第一項に規定する担保権が存する場合において、当該財産が再生債務者の事業の継続に欠くことのできないものであるときは、再生債務者等は、裁判所に対し、当該財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付して当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。

 

これが『担保権消滅の許可』に関する法律ですね。ですから、ここにあるように条件としては、『その財産の価額に相当する金額を納付すること』が条件になりますので、お金が用意できない人はこの権利を行使することができないということですね。

 

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お金を払えば担保物件を保持できるんだ!まあこの個人タクシーのケースはわかりやすいから、ほとんどの場合で車を取り上げることはないよね!

ぴよぴよ(たしかに)!

この章のまとめ
  • 担保物件を守りたいときは、その財産相当の金額を裁判所に納付して裁判所の許可を得れば、その財産に付いた抵当権を抹消することができる。

 

『その財産の価額に相当する金額を納付すること』が条件

ただし、個人再生は原則として『債権者平等の原則』があり、一部の債権だけを特別に支払うということはできません。それは家賃の記事でも書きました。家賃の滞納があって、それを払わないと家を追い出されるという状況があっても、その支払いだけ特別扱いするということは認められていません。

 

ですが、この担保権消滅の件に関しては、逆に言うと『その財産の価額に相当する金額を納付』することができるんですね。この支払いを特別扱いとして行うことができます。そう考えると、ここには配慮があるということが見えてきますね。

 

まあ、その担保物件を引き揚げたら収入がなくなるからね。それは特例で、お金さえ払えば引き揚げるのはやめさせよう。

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ということが認められるわけですからね。もしここでお金を支払うことができれば担保権は消滅し、引き揚げを阻止できます。更に、その物件に複数の担保権や抵当権(第二抵当権、第三抵当権)が付いていたとしても、そのすべての担保権を消滅することができるんですね。

 

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担保権がついているっていうところがポイントだね!さっきのタクシーの件でも、担保権がついている状態だと、債権者としても少しは考えちゃうよね!

ぴよぴよ(たしかに)!

この章のまとめ
  • 担保権消滅の許可を得れば、複数の担保権や抵当権(第二抵当権、第三抵当権)が付いていたとしても、そのすべての担保権を消滅することができる。

 

債権者の合意を必要としない

その他にも下記の記事に書いた様に、『別除権協定』という選択肢があります。詳しくは下記の記事に書きましたが、簡単に言うとこれは『債務者と債権者同士での話し合い』ですね。

 

 

しかしこの別除権協定で債権者が合意しなければ担保は引き揚げられてしまいます。ですから、担保権消滅の許可を裁判所に申し立てれば、債権者の合意を得られなくてもその担保権を消滅させることが出来るということになりますね。

 

また、裁判所に払うそのお金は、結果的に全て担保権者に支払われます。ですから担保権者は、別除権協定に合意しなくても、結局その担保物件の換価額を手に入れ、引き揚げを断念することになるわけですね。まあ、担保権者としても、担保物件よりもお金が欲しいわけですから、それに反抗する人はいませんね。

 

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債務者→裁判所→債権者という流れで、結局その担保保持のためにかかったお金は動くから、債権者は損をしないよね!

ぴよぴよ(たしかに)!

この章のまとめ
  • 別除権協定で債権者が合意しなければ担保は引き揚げられてしまう。
  • 担保権消滅の許可を裁判所に申し立てれば、債権者の合意を得られなくてもその担保権を消滅させることが出来る。
  • 裁判所に払うそのお金は、結果的に全て担保権者に支払われる。

 

『支払われる金額』には異議を申し立てられる

ただし、債権者は『その支払われる金額』にだけは文句が言えます。債権者の合意を得なくても出来るとは言っても、担保を有している債権者、つまり担保権者は、もし再生債務者の申告した申出額に異議がある場合に、裁判所に『価額決定の請求』をすることができます。

 

民事再生法第149条にはこうあります。

担保権者は、申立書に記載された前条第二項第二号の価額について異議があるときは、当該申立書の送達を受けた日から一月以内に、担保権の目的である財産について価額の決定を請求することができる。

 

合意は必要なくても、担保権者にもこうした金額に対する異議を唱える権利が与えられているので、注意が必要です。

 

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裁判所に『価額決定の請求』をすれば、債権者はその金額についてだけは文句を言えるよ!あまりにも金額が低すぎたら『納得がいかない』ってね!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 債権者は『支払われる金額』には異議を申し立てられる。

 

『価額決定の請求』の予納金は誰が支払うのか

この『価額決定の請求』には予納金が必要になりますが、そこまでして担保権者がその金額について再調査を依頼するということになれば、裁判所も本腰を入れて調査をします。その財産を正確に評価できる専門家、有識者を裁判所が選任するんですね。

 

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また、この支払う予納金は、もしその再評価によって支払う金額が当初よりも高くなれば、債権者側の意見が正しかったということで、債務者がその支払いをする必要があります。その逆で、当初と同じ金額にしかならなかったら、担保権者側が支払いをすることになります。その場合、担保権者が『余計な手間をかけた』という判断になるわけですね。

 

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それは、下記の記事にも書いた、評価申立のケースと同じ考え方ですね。

 

 

債権者は、個人再生で支払うと決まった債権額に不満がある場合、評価申立期限の間に裁判所に『債権の評価申し立て』として調査を依頼できます。

 

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この評価申立の金額は予納金として、債権者が裁判所に支払うものです。債権者が依頼するから、債権者が支払うんですね。

 

ただし、この評価申し立てによって裁判所に債権額を調査してもらい、もし『債権者側が主張する金額に確定』した場合は、この支払い義務は債務者側に回ることになります。これと同じ考え方ということですね。

 

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評価申し立ての際も、この価額設定の請求も、同じような支払いの仕方を計算するよ!正しかった方は支払わなくていいんだね!

ぴよぴよ(ふむふむ)!

この章のまとめ
  • 『価額決定の請求』の予納金は、訂正された方が支払いをする。

 

 

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