小規模個人再生で再生計画案が否決される理由は?
再生計画案は、債権者の同意が得られるような再生計画案を考えることが大前提となります。債権者寄りの計画案が立てられてない場合、否決される可能性があります。債権者寄りの計画案は例えば、
- 支払い額を最低弁済額以上支払う
- 返済を5年から3年に短くする
- 財産を売ってまとまったお金を作る
といったような方向が『債権者寄り』の発想になりますね。もちろんこれをその通りにする必要はありませんが、これが『債権者寄り』の発想であるということはわかるはずです。
また、債権者が、
- 保証会社
- 政府系金融機関
- 一部の銀行
- 個人の債権者
になると、反対する可能性があります。
債権者と債務者がいるわけだから、債権者のことを考えた計画案であれば通りやすいよね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
小規模個人再生の場合における『債権者の同意』
個人再生には、
- 小規模個人再生
- 給与所得者等再生手続き
の2つの選択肢があります。
詳細は下記の記事に書きましたが、
軽くポイントを書きます。
小規模個人再生
主として個人事業者を対象としているが、下記の条件に該当する者であれば、サラリーマンや公務員、農家でも利用することが出来る。
- 1:住宅ローンを除いた借金総額が5000万円以下
- 2:将来において継続的・反復的な収入を得る見込みがある
小規模個人再生手続きが利用可能で、かつ収入の変動幅が少ない人が利用できる制度。前述の指定弁済基準額と、可処分所得(過去2年分の収入から政令で決められた最低生活費、税金、社会保障費を差し引いた額)のいずれか金額の多い方を返済していくことになる。小規模個人再生とは異なり、債権者の同意は不要。
こうしてみると、小規模個人再生の方が敷居が低く、その代わりに債権者の過半数以上の合意が必要であり、
給与所得者等再生手続きの方が敷居が高く、返済額も大きくなり、その代わりに債権者の同意は不要である、ということがポイントであるとわかりますね。
今回のテーマである『再生計画案が否決されるケース』で言うと、この小規模個人再生の場合における『債権者の同意』について考えていく必要があります。
債権者の同意を得ないといけないからね!だとしたら、相手の立場になって物事を考える必要があるよ!
ぴよぴよ(たしかに)!
保証会社や政府系金融機関からは同意を得られない?
もちろんまずは基本的なこととして、下記の記事に書いた様に、
債権者の同意が得られるような再生計画案を考えることが大前提となります。個人再生委員が間に入ってそれを公明正大に判断しますので、債権者のことが軽んじられていない限り、問題はないでしょう。
たまに軽んじた計画案を立てる人がいますから、そういう人は個人再生委員によって指導を受けることになります。
ただ、個人再生をしようとしたとき、まともな再生計画案を立てれば普通は同意を得られます。債権者が、
- 銀行
- 信販会社
- 消費者金融
である場合は、往々にして計画案に同意を得られるでしょう。しかし、
- 保証会社
- 政府系金融機関
- 一部の銀行
- 個人の債権者
になると、反対する可能性があります。その為、もし小規模個人再生で個人再生を進めようとしている場合は、債権者の過半数以上の合意を得なければならない為、その手続きが困難になる可能性があります。そういう場合は、給与所得者等再生手続きの方を選択するという考え方になるでしょう。
債権者の同意が必要なのは、小規模個人再生だけだからね!給与所得者等再生手続きの場合は必要ないんだね!
ぴよぴよ(なるへそ)!
自分の状況が小規模個人再生に向いているかどうか判断する
小規模個人再生が向いている、あるいは受ける資格があるということについては、下記の記事に書きました。
例えば、
- 住宅ローンを除く負債総額が5,000万円を超えている
- 定期的な収入がない
という人は問題外ということですね。そもそもその状況では、個人再生を受けることができません。それは任意整理でも同じことですね。一定の収入がなければできません。
任意整理の特徴を見てみましょう。
任意整理
毎月一定の収入があり、月々の返済額さえ減らすことが出来れば自力で返済が可能な人、また、借金額が年収の1.5倍以内であるかどうかがポイント。
これが任意整理をするための条件です。
同じように個人再生も、
個人再生
負債額が5,000万円を超えない場合で、不動産や自動車などの高価な資産を手放すことなく債務整理をしたい人、あるいは自己破産の制限業種に該当したり、自己破産しても免責を得られる可能性がない人。返済は原則3年間の分割払い。
住宅ローンを超える負債額が5,000万円を超えないで、毎月一定の収入がある人でなければ手続きをすることはできません。債務整理にはそれぞれ条件があるということですね。
ですから、自分の状況がどのようなものかを弁護士と一緒に考えて、その状況にあった最善の債務整理を選択するというのが、最善な判断となります。これがもう、このテーマの答えですね。
選択肢はいろいろあるから、まずは自分が本当に個人再生の小規模個人再生が適しているのかどうか、それを確認しよう!
ぴよ(ふむ)!
再生計画案が否決されるケースとは
また、再生計画案が否決されるケースと同じように考えるべきポイントがあります。それは以下の通りです。
- 申し立ての棄却
- 再生計画案の否決
- 個人再生の取り消し
- 個人再生の不認可
詳しくは先ほどのリンクした記事に書いたのですが、ここでは改めて、『申し立ての棄却』についてもう一度考えてみます。
民事再生法第二十五条にはこうあります。
次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。
一 再生手続の費用の予納がないとき。
二 裁判所に破産手続又は特別清算手続が係属し、その手続によることが債権者の一般の利益に適合するとき。
三 再生計画案の作成若しくは可決の見込み又は再生計画の認可の見込みがないことが明らかであるとき。
四 不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。
これが法律ですね。これに該当する場合は、申し立ては棄却されます。更に詳しいことは先ほどのリンクした記事に書いたので、そちらをご確認ください。とにかく、
- 申し立ての棄却
- 再生計画案の否決
- 個人再生の取り消し
- 個人再生の不認可
と押さえるべきポイントがいくつかありますので、全てに目を通す必要があります。
否決以外にも、棄却や取り消しなど、色々な状況があるね!その点にも全て目を向けてみよう!否決されなくても取り消されたら意味ないしね!
ぴよぴよ(たしかに)!
『債権者寄り』の計画案を立てる
また、再生計画案を否決されずに、同意を得たい場合はどうすればいいかというと、それはやはり『債権者寄り』の計画案を立てることがポイントとなることがわかるはずです。
そうではなくて、『債務者寄り』の計画案だと思ったから、反対するわけですからね。だとしたら、例えば
- 支払い額を最低弁済額以上支払う
- 返済を5年から3年に短くする
- 財産を売ってまとまったお金を作る
といったような方向が『債権者寄り』の発想になりますね。もちろんこれをその通りにする必要はありませんが、これが『債権者寄り』の発想であるということはわかるはずです。
まあ、財産を売るということは、そもそも小規模個人再生では、
- 最低弁済額
- 清算価値
のどちらか高い金額が、最低限返済しなければならない金額になりますから、財産を持っている場合は清算価値で計算しますので、わざわざ売ってお金に換えろと言う債権者はいないんですけどね。
詳しくは下記の記事に書きました。
とにかく個人再生における小規模個人再生とは、債権者の過半数以上の合意が必要です。また、債権額の過半数の借り入れ先が反対した場合も、認可されません。ですから、『債権者寄り』の発想を持つことは大事なことになります。
そもそも、個人再生自体が『債務者寄り』の発想ですからね。借金を大幅に減額できるわけですから。このあたりのことについてじっくりと考え、最善は弁護士等の専門家と一緒に、状況にあった最適な判断を下すべきですね。
どうしても自分でやろうとすると債務者寄りになってしまうよね!だから弁護士のような第三者がいれば、客観的に状況を判断できるから、妥当な案が立てられるんだね!
ぴよぴよ(なるへそ)!
給与所得者等再生手続きという選択肢
どうしても合意を得られそうにない、あるいは、合意を得られそうにない債権者しかいない場合は、前述したように、給与所得者等再生手続きの方が適していると言えます。給与所得者等再生手続きであれば、債権者の合意は必要ありませんからね。
ただし、計画案が否決され、不認可となり、民事再生手続きが終了となった場合、再申し立てが必要です。その際、小規模個人再生は再申し立てが可能ですが、給与所得者等再生手続きは7年間再申し立てができませんので、しっかりと確認しておきましょう。
自己破産と同じで、給与所得者等再生手続きは7年間再申し立てができないんだ!ハードシップ免責っていう制度もあるって、自己破産っぽい感じになるからね!
ぴよぴよ(うーむ)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!