借金

個人再生は棄却・廃止・不認可・取消によって失敗することもある

質問

個人再生が棄却されるのはどんなとき?また、廃止・不認可・取消をされるのもどんなとき?

答え

説明は長くなるので、下記に詳細をまとめます。簡単にまとめると、個人再生の基礎を押さえていないと失敗するということです。

 

どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!

ニワトリ

個人再生の基礎を押さえていれば、そもそも個人再生が失敗するようなことはないからね!詳しく解説するね!

ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!

 

個人再生の基礎を押さえていないと失敗する

個人再生を申し立てても棄却される。つまり、個人再生が失敗してしまう理由はいくつかあります。それはまず、個人再生の基礎を押さえていないことが原因であることがほとんどです。

 

借金

例えば下記の記事に書いたような基礎ですね。

 

 

借金

それぞれの理由は今からたっぷりと説明するけど、一言でまとめちゃうと『個人再生の基礎を押さえていないと個人再生に失敗する』ってことになるね!

ぴよぴよ(たしかに)!

この章のまとめ
  • 個人再生の基礎を押さえていないことが原因である。

 

個人再生の棄却

まず確認するべきなのは、下記に書いた個人再生の特徴です。

個人再生

住宅ローンを除いた負債額が5,000万円を超えない場合で、不動産や自動車などの高価な資産を手放すことなく債務整理をしたい人、あるいは自己破産の制限業種に該当したり、自己破産しても免責を得られる可能性がない人に適している。借金を5分の1~10分の1程度に減額できる可能性がある。返済は原則3年間の分割払い。整理する債権者は選べない。

 

つまり、この条件に該当しない人は既に個人再生には失敗することが確定しているわけです。

 

  • 住宅ローンを除く負債総額が5,000万円を超えている
  • 定期的な収入がない

 

これではやろうとしても失敗しますね。まず住宅ローンを除く負債総額が5,000万円以上であれば条件に該当していません。それに、定期的な収入がないなら3年で返していくことができませんからね。これに関しては任意整理と同じ考え方ですね。任意整理も同じように、定期的な収入がなければできない債務整理です。3~5年で返済していくわけですからね。

 

 

ということで、任意整理も個人再生も、一定の条件を満たしていなければ失敗するということがわかりましたね。

 

民事再生法第239条にはこうあります。

第二百二十一条第一項に規定する債務者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「給与所得者等再生」という。)を行うことを求めることができる。

 

5 前項に規定する場合のほか、裁判所は、第二項の申述があった場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があることが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を小規模個人再生により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が第三項本文の規定により小規模個人再生による手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。

 

一  再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないこと。

 

また、民事再生法第25条にはこうあります。

次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。

 

一  再生手続の費用の予納がないとき。

二  裁判所に破産手続又は特別清算手続が係属し、その手続によることが債権者の一般の利益に適合するとき。

三  再生計画案の作成若しくは可決の見込み又は再生計画の認可の見込みがないことが明らかであるとき。

四  不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。

 

  • 返済の見込みがない
  • 予納金がない
  • 申し立てが誠実にされたものではない

 

という場合でも、個人再生の申し立ては棄却されることになります。

 

借金

棄却は最初の段階での拒否のようなものだね!『そもそも君は手続きを踏むためのお金を持っていないようだ』なんていう場合も、棄却ということになるね!

ぴよぴよ(最初の段階っす)!

この章のまとめ
  • 返済の見込みがない、予納金がない、申し立てが誠実にされたものではない場合は、個人再生は棄却される。

 

個人再生の廃止

次に個人再生の廃止です。もちろん、基本的すぎる問題をおざなりにしてもダメですよね。例えば、

 

  • 書類の不備がある
  • 書類の提出日や提出先を間違える
  • 個人再生費用を裁判所に予納していない

 

等の凡ミスがあれば、裁判所は手続きを開始することなく個人再生は廃止されます。まず理解するべきなのはこの辺りの基本的なことですね。

 

更に、個人再生における『小規模個人再生』は、

 

  • 最低弁済額基準
  • 清算価値

 

のどちらか高い金額が、最低限返済しなければならない金額だと記事で書きました。

 

借金

 

ということは、

 

  • 返済の総額が最低弁済額を下回っている
  • 破産手続きの配当総額よりも下回ることが明らかである

 

場合も、個人再生が成り立たない理由に挙げられます。例えば500万円の借金があったとき、最低弁済額基準で計算すると5分の1になって100万円になりますが、清算価値のある財産を持っていて、それが1,000万円だった場合、高い方の1,000万円を債権者に支払うことになります。

 

  • 最低弁済額基準:100万円
  • 清算価値:1,000万円

 

500万円の借金なのに1,000万円に増えてしまうなんてばかばかしい話ですからね。この場合はそもそも個人再生ではなく、その財産が例えば不動産であれば、任意売却をしてお金に換えて、500万円を完済し、手元に500万円残す、といった整理方法が望ましいわけですね。

 

借金

廃止というのは、棄却と違って少し前に進んでいる段階だね!棄却はされなかったけど、少し進んで結局条件が合わず、『廃止』になったということだね!

ぴよぴよ(なるへそ)!

この章のまとめ
  • 書類の不備がある、書類の提出日や提出先を間違える、個人再生費用を裁判所に予納していない等のことがあると、個人再生は廃止される。

 

個人再生の不認可

自己破産では免責不許可になることがいくつかあります。原則的には免責不許可事由に該当する場合は、自己破産は認められません。まずは、その原則を敷くことが大事です。ちなみに免責不許可事由とは、以下の破産法第252条に記載してあります。 (一部抜粋)

 

裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

 

四  浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

六  業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。

七  虚偽の債権者名簿を提出したこと。

破産法(第二百五十二条)

 


 

このように、ある条件に該当してしまうと、自己破産が認められないわけです。これは個人再生も同じで、虚偽の申告をしたり、裁判所や債権者らを欺こうとするようなことがあると、個人再生が認められない結果になることがあります。

 

借金

 

個人再生は、再生計画を裁判所に提出して、それが認可されないと成立しませんから、誰が見ても筋が通っている計画を出さなければ、不認可になるわけですね。

 

特に小規模個人再生では、合意する債権者が全体の過半数を割った場合、かつその債権額が2分の1を超えない場合には、その再生計画案は否決となります。きちんとした再生計画案を立てることが求められます。

 

借金

 

リンクした記事にも書いた様に、『債権者平等の原則』を重んじた再生計画であり、3~5年でしっかりと返済できる計画が立てられていれば、往々にして認可されることになるでしょう。そうでなければ不認可となります。

 

再生計画の不認可については、民事再生法第174条にはこうあります。

再生計画案が可決された場合には、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

 

2  裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定をする。

 

一  再生手続又は再生計画が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。ただし、再生手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。

二  再生計画が遂行される見込みがないとき。

三  再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。

四  再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。

 

続いて、民事再生法第231条にはこうあります。

小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には、裁判所は、第百七十四条第二項又は次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

 

2  小規模個人再生においては、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合にも、再生計画不認可の決定をする。

 

一  再生債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき。

二  無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が五千万円を超えているとき。

三  前号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円を超え五千万円以下の場合においては、当該無異議債権及び評価済債権に対する再生計画に基づく弁済の総額が当該無異議債権の額及び評価済債権の額の総額の十分の一を下回っているとき。

四  第二号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円以下の場合においては、計画弁済総額が基準債権の総額の五分の一又は百万円のいずれか多い額を下回っているとき。

五  再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において、再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。

 

この法律をしっかりと確認しましょう。

 

また、先ほどから出ている『虚偽の申告』ですが、自己破産同様、個人再生にも法律があります。

 

民事再生法第255条にはこうあります。

詐欺再生罪

再生手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者について再生手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、再生手続開始の決定が確定したときは、同様とする。

 

一  債務者の財産を隠匿し、又は損壊する行為

二  債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為

三  債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為

四  債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為

 

2  前項に規定するもののほか、債務者について管理命令又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。

 

自己破産における『詐欺破産罪』同様、個人再生では『詐欺再生罪』として罰せられることになります。例えば、先ほど書いた、

 

  • 最低弁済額基準:100万円
  • 清算価値:1,000万円

 

というケースがありましたね。この清算価値が高いからという理由で、持っている財産を隠蔽したり、あるいは一時的に家族に保持してもらう等のことをして財産を失くすわけです。そうすれば、最低弁済額基準である100万円の返済で済むと考えるわけですね。

 

しかし、これは『詐欺再生罪』の扱いとなります。考えつくようなことはほとんど対処法が考えられていますので、無駄な抵抗はしない方が得策ですね。発覚すれば十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金ですからね。余計な負担が増えるだけで、踏んだり蹴ったりになるだけです。

 

借金

 

借金

 

申し立てが受理されると『個人再生委員』が選任されますが、これは自己破産における『破産管財人』のような立ち位置の人です。やることは同じようなことで、共に、

 

  • 債務者の財産や収入の調査
  • 借金状況の確認
  • 手続きが適正に行われるように監督する

 

といったことを主に行います。厳密には、破産管財人の方が手続きを遂行していく権限があるのに対し、個人再生委員はあくまでも指導や監督に徹するという違いがありますが、大体のイメージは同じです。『間に入る人』ですね。

 

借金

借金

 

この『個人再生委員』や『破産管財人』は、監督という立場でもあり、管理人のようなもの。彼らの目を欺くことはできず、欺いたとしてもそれが発覚すれば自己破産や個人再生は不認可となります。ですから特に、虚偽申告や財産隠し等のあからさまな行動は避けるべきですね。

借金

『否決、不認可』というのはほぼ同じ意味だね!『廃止』よりも先に進んだけど、再生計画がダメで否決されるとか、そういうことになるね!

ぴよぴよ(なるへそ)!

この章のまとめ
  • 虚偽の申告をしたり、裁判所や債権者らを欺こうとするようなことがあると、個人再生は不認可となる。
  • 小規模個人再生では、合意する債権者が全体の過半数を割った場合、かつその債権額が2分の1を超えない場合には、その再生計画案は否決となる。
  • 『債権者平等の原則』を重んじた再生計画であり、3~5年でしっかりと返済できる計画が立てられていれば、往々にして認可されることになる。そうでなければ不認可となる。

 

個人再生の取り消し

また、もし『再生計画』通りに返済ができなくなった場合は、それもまた個人再生の無効、あるいは取り消しに繋がる理由になります。それは任意整理においても同じことですね。

 

 

任意整理や個人再生は、自己破産と違って『3~5年で返済していく』のが基本ですから、途中でその支払いが行われないと、一括請求を受けたり、再生計画が取り消されることがあります。個人再生の場合は、減額された借金は元に戻ってしまい、任意整理か自己破産を選ぶことになります。

 

借金

 

借金

 

ただし、事故や病気等のやむを得ない理由で収入が断たれ、再生計画通りに返済できなくなった場合は、2年を超えない範囲で返済期間を延長する再生計画の変更を申し立てることができます。

 

借金

『無効、取り消し』はほぼ同じ意味だね!個人再生が取り消されたら大幅に減額された借金が元に戻ったり、住宅を引き揚げられたりと、かなり大変な目に遭うよ1

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 『再生計画』通りに返済ができなくなった場合は、それもまた個人再生の無効、あるいは取り消しに繋がる。
  • 個人再生が取り消された場合は、減額された借金は元に戻ってしまい、任意整理か自己破産を選ぶことになる。
  • 事故や病気等のやむを得ない理由で収入が断たれ、再生計画通りに返済できなくなった場合は、2年を超えない範囲で返済期間を延長する再生計画の変更を申し立てることができる。

 

個人再生の失敗

『あなたを借金返済から解放する方法』にはこうあります。

また、返済期間を延長しても返済を続けることができそうもない場合、すでに再生計画に定められた返済金額のうち4分の3以上の返済が終わっている場合、自己破産せずに残りの借金の免責を裁判所に申し立てることができます。裁判所が免責の可否を判断して、免責を確定すれば残りの債務の返済は不要となります(ハードシップ免責)。

 

こうして途中で個人再生に失敗をしても、ハードシップ免責を受ける条件に該当する場合は、自己破産を避けることができるわけですね。しかし、もしこれらの条件に該当しない場合は、任意整理か自己破産をするしか選択肢がないということになります。

 

借金

『個人再生の失敗』は、総合的に見て、ということだね!結果的に失敗に終わった、というイメージかな!ただ、ハードシップ免責もあるから、要チェックだね!

ぴよぴよ(なるへそ)!

この章のまとめ
  • 個人再生に失敗をしても、ハードシップ免責を受ける条件に該当する場合は、自己破産を避けることができる。
  • これらの条件に該当しない場合は、任意整理か自己破産をするしか選択肢がない。

 

 

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