過払い金返還請求の金額の推移を教えて!
下記にまとめました。2011年度の5,617億円がピークですね。そこから徐々に下がっています。それは、時効が10年だからですね。2006年のグレーゾーン金利の判決から数えて10年が、過払い金返還請求の時効です。
過払い金返還請求には時効があるから、注意しないと時効が過ぎちゃうよ!ま、2018年の今、もうほとんど過ぎちゃったけどね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
2006年からの10年間が過払い金返還請求のピーク
過払い金の返還請求は年々減ってきています。それは、下記の記事に書きましたように、過払い金返還請求には消滅時効があるからですね。過払い金の請求権の時効は、『最後に取り引きしたときから数えて、10年』です。
下記の記事にグレーゾーン金利や過払い金請求の経緯について書きました。
2006年1月に最高裁がグレーゾーン金利を否定する判決を出したことで過払い金請求が急増、金融庁が開催する貸金業懇談会の議論も最高裁判決を受けてグレーゾーン金利廃止へと一気に傾きました。
ですから、2006年からの10年間が、この過払い金返還請求のピークの時期ということになりますね。逆に、これ以外の時期に過払い金返還請求の額が大きいということは異常事態だと言えます。
時効が過ぎたのにまだ過払い金が続出しているってなったら、そりゃあ異常事態だよね!だから減ってきていていいんだ!正常である証拠だよ!
ぴよぴよ(なるへそ)!
過払い金返還請求の金額の推移
過払い金返還請求の金額の推移は、日本貸金業会で確認することができます。2006年以降の利息返還請求額は以下のようになっています。
- 2006年度:2,936億円
- 2007年度:4,565億円
- 2008年度:5,910億円
- 2009年度:5,095億円
- 2010年度:5,372億円
- 2011年度:5,617億円
- 2012年度:3,727億円
- 2013年度:2,417億円
- 2014年度:2,585億円
- 2015年度:2,576億円
2013年以降は、確実に減っていますね。ピーク時は2008~2011年度です。およそ5,500億円ほどありましたね。2013年以降は2,500億円ほどですから、およそ半分以下に落ちていることがわかります。
2006年に判決が出て、2008年にピークを迎えている理由は、正式にグレーゾーン金利での貸付が法律により禁止されたのが、貸金業法が段階的に施行された2008年~2010年にかけてだからということが理由です。
上記の記事に書いた様に、過払い金返還請求の勢いは時間が経つとともに衰えていくことになります。その理由は、グレーゾーン金利を取る金融業者が皆無に近くなっているからですね。法定利息を守っているのであれば、過払い金は発生しません。
一年間でだからね!5,000億円以上の過払い金が返還されたんだ!これはとてつもない金額だね!全部合わせたら5兆円とか、そういう金額だから!
ぴよぴよ(たしかに)!
すでに完済し終わったあとでも過払い金は請求できる
ただし、下記の記事に書いた様に、すでに完済し終わったあとでも過払い金は請求できますので、2018年現在、もうしばらくは過払い金返還請求の名残は続く可能性があります。
しかし、下記の記事に書いた様に、貸金業者が倒産したり、合併したりしていた場合は返還が難しくなる可能性があるので注意が必要です。
過払い金返還請求は、貸金業者に大きなダメージを与えました。
『クレジット/ローン業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』にはこうあります。
貸金業者にとっていちばん重要な法律はこれまで、貸出上限金利を規定する出資法と過度な営業行為を規制する貸金業規制法でした。しかし近年、出資法と利息制限法との金利差(グレーゾーン金利)で生じた返済金に対する『過払い金請求』が相次ぎ、圧迫貸金業者の経営をしていました。
ですから、取引履歴の開示を請求してもそれを拒否したり、裁判で和解案を許諾しなかったり、また、下記の記事に書いた様に、過払い金の計算方法も、債務者に有利な『利息充当方式』ではなく、債権者に有利な『棚上げ方式』が妥当だと主張したりして抵抗していたんですね。
しかし、この問題も時間の経過とともに徐々に規模が小さくなっていくことになるでしょう。
でもまあ、時間の経過とともに確実に減っていくだろうね!そして減っていいんだけどね!それが正常だから!またいつか違う問題が浮上するかもしれないね!
ぴよぴよ(うーむ)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!