過払い金返還請求のCMを打っている会社は信頼できる?
そうとも限りません。CMを打つことができるのは優良企業というよりも、『お金を持っている企業』です。たしかにある程度の審査はありますが、かつてCMを打っていたある商品が、有名な女優を起用していて大々的に宣伝していたにもかかわらず、『被害者の会』が立ち上げられました。
CMを見ると信頼しちゃうよね!テレビのCMを流せる企業って、なんか一流企業っぽいもんね!でも実際は違うよ!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
CMにかけた莫大な広告費を回収するためにやること
過払い金請求が発生した経緯や、弁護士事務所がCMを打っていたピーク等については、下記の記事に書きました。
また、過払い金返還請求に関して弁護士事務所に依頼する時の注意点等は、下記の記事に書きました。
また、過払い金請求に関する問題については、下記の記事に書きました。かつて、『過払い金返還請求のつまみ食い』というものがあったんですね。その他にも、弁護士が報酬をちょろまかすということもありました。
テレビでガンガンCMを打っている業者は、『信頼できる会社』ではなく、『お金を持っている会社』です。ですから、テレビCMで見たことがあるからという理由では、その商品やサービスを購入しない方が賢明だと言えます。
事実、そういう会社はそのCMにかけた莫大な広告費を回収しようと思うわけです。従って、不必要に金額が高く設定されていいる場合があります。そうなると、消費者側はただ損をするだけですよね。業者側が広告費の赤字を取り戻そうとしているだけですから。
追記:ちなみに東京弁護士会は2017年10月11日、アディーレ法律事務所を業務停止2カ月、元代表の石丸幸人弁護士を業務停止3カ月にしたと発表しました。事実と異なる宣伝を繰り返したことが理由ですね。
ニュース記事にはこうあります。(弁護士ドットコムニュース編集部)
アディーレは2016年2月、「債務整理・過払い金返還請求」をめぐる広告について、消費者庁から広告禁止の措置命令を受けていた。東京弁護士会は、この広告が景品表示法に違反するとともに、日弁連の規定などにも抵触すると判断。「実際の取引条件よりも有利であると一般消費者を誤認させる」として、「極めて悪質な行為」「長期間にわたって多数回反復継続されている組織的な非行」と強く批判している。
私が書いたとおりになりましたね。
やっぱり僕の言う通りになったね!これでこの記事の信憑性も上がったんじゃないかな!
ぴよぴよ(さすが親分っす)!
長いものに巻かれる消費者心理
だけど消費者としては、ついつい『安心』を求めて、そういう『有名』な商品やサービスを選んでしまいますよね。
『経済の裏がわかる人間心理127の仕組み』にはこうあります。
どうして銀座だと『コーヒー1000円』で納得できるのか
安い値段でおいしいコーヒーが飲めるカフェやファストフード店が増えているなか、東京・銀座には今もコーヒー1杯が1000円以上という喫茶店が珍しくない。客の多くも『銀座なのだからしかたない。なんといっても地価が日本一の場所にある喫茶店なのだから』と納得している。果たして、この理屈は正しいのだろうか。地価とコーヒー1杯の値段は、それほど密接な関係があるのだろうか。
確かに、『地価が高い→店子の賃貸料が高い→コーヒーの粘弾が高い』という図式は成り立つ。これはこれで間違いではない。
ただし、ここにはもう一つ重要なファクターが抜け落ちている。この図式成立するためには、さらに『その値段でも納得して払ってくれる客がいる』という条件がなければならないからだ。
銀座という場所に高い地価を認め、『銀座のコーヒーは高い』ということを受け入れる消費者側の心理があってこそ、1杯1000円のコーヒーが実現するのだ。つまり、『銀座なのだから高級なのは当たり前』という消費者心理が大前提になっているというわけだ。
違った見方をすれば、『地価が高いから、銀座のコーヒーは高い』のではなく、『銀座のコーヒーに100円を払う客がいるから、地価が高い』ともいえるのだ。
ちなみに、よく考えてみれば、銀座のコーヒーだからといいっても高い豆を使っているわけではない。豆の値段はおそらく同じかちょっと高いくらいである。もちろん、水道代もガス代も他の場所と同じだ。コーヒー1杯の原価は、東京のほかの場所とさほど変わらないのである。
- 銀座だから
- 有名だから
- テレビでやっていたから
という理由で、ハロー効果に支配されて判断を誤る人は大勢います。
ハロー効果
権威がある、後光が差している対象を見ると、その対象の価値が間違いなく高いと思い込んでしまう現象
テレビでガンガンCMを打っている業者は、『信頼できる会社』ではなく、『お金を持っている会社』です。ですから、テレビCMで見たことがあるからという理由では、その商品やサービスを購入しない方が賢明だと言えます。
本に、『銀座のコーヒーだからといいっても高い豆を使っているわけではない。豆の値段はおそらく同じかちょっと高いくらい』と書いてあるように、CMを打てない小さな弁護士事務所にも、同じだけの良質なコーヒー豆は存在していることを覚えておきましょう。
とはいっても、今後人間はハロー効果に支配され続けるだろうね!もうはるか数千年前からそうだったんだから、これからも必ずそういうことになるよ!
ぴよぴよ(うーむ)!
大きな会社=良質な会社ではない
まあもちろん、『有名だからこそ大きな粗相はできない』というある種の保険はありますよね。有名だからこそ、ちょっとでも問題を起こすとあっという間に転落します。そういう意味では、逆に小さな事務所は『怖いものなし』なので、精神的な保険ということになると、そういった有名事務所に依頼することは、ある種の安心があります。ただもちろん、だからといってその会社が『良質な会社』になるとういことではありませんよね。
以前、JALこと日本航空が破綻したとき、その理由として挙げられたのは、 『大企業病』でした。その再建を担うことになった経営の神、稲盛和夫は、JALの大企業病と、傲慢不遜に陥った幹部連中の態度にカツを入れました。
あなたたちがそういう態度だから、会社が潰れたのではないのか!?
そして稲盛和夫は、
- アメーバ経営
- 稲盛フィロソフィ
を全社員に浸透させ、日本航空の息を吹き返すことに成功しました。
- 大きな会社=良質な会社
という図式が成り立つのであれば、稲盛和夫がここにくることもありませんでした。このことを忘れてはいけませんよね。
大企業病に陥ったJALがまず稲盛和夫に指導されたことは、『エレベーターを使うな』だったね!無駄な経費を徹底的に削減するんだ!そういう最適化で、息を吹き返すことができたんだね!
ぴよぴよ(最適化が必要な状態だったんすね)!
仕事を依頼するときはその相手を過信、盲信しない
以前、ある有名な石鹸は、誰もが知る大女優をCMに起用して、キャッチーなキャッチフレーズを世に浸透させることに成功し、大きな売り上げをあげました。
しかしその石鹸はその後、『被害者の会』を立ち上げられました。つまり、その石鹸を使用したことによって、肌に異常が出たんですね。
また、ある廃品回収業者は、業界一の売り上げを誇っていました。検索エンジンで第一位にも輝いていて、圧倒的な地位を見せつけていました。
しかしその後その会社の社長は、廃棄物処理法違反で逮捕されました。高い広告費を払っていたせいで、売り上げを上げることに躍起になっていたんですね。そして、不法投棄をしたり、あるいは高額請求をしたりして、そういうことを積み重ねてその会社は転落し、淘汰されました。
過払い金返還請求で考えても同じことです。CMで放映されている会社は、『お金を持っている会社』です。その業者=良質な会社ということにはなりません。その判断基準さえ忘れなければ、もちろんそうした会社に依頼しても問題ないでしょう。
どんなことであれ、仕事を依頼するときはその相手を過信、盲信しないことが求められています。
CMというのは数百万円以上かかる割には、ブランディングの効果しかないからね!名前を連呼させたり、電話番号を前面に押し出すCMは、大体お金に余裕がない企業だね!
ぴよぴよ(うーむ、なるほど)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!