過払い金返還請求の交渉の流れは?入金されるまでにかかる期間はどれくらい?
流れはまず弁護士が消費者金融での取引履歴を取り寄せて、法定金利に基づいて、一体いくら払いすぎているのか正確な金額を算出します。『利息の引き直し計算』です。そして正確な金額が算出されたら、弁護士が消費者金融に対して、返金額の交渉、もしくは訴訟、和解契約を行う形となります。
入金されるまでにかかる期間は、取引履歴の開示でもたつく場合がありますが、一般的には弁護士に依頼した場合、裁判まで行かなければ、通常3~4ヵ月で過払い金は返還されることになります。
しかし取引履歴の開示でもたついたり、金額が大きかったり、倒産・合併の問題が浮上したり、あるいは裁判まで発展してしまった場合は、1年以上の時間がかかることもあるので注意が必要です。
通常は3か月程度だね!債務整理の中でも最も早い時間で終わるよ!ただ、長引いたら1年になるけどね!詳しく解説するね!
ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!
Contents
過払い金返還請求が得意な弁護士に依頼する
過払い金とは、払い過ぎた利息です。払い過ぎている利息を返還してもらうための手続きを、過払い金返還手続き、あるいは過払い金返還請求と言います。過払い金に関する基本知識は下記の記事に書きましたので、そちらの記事で基礎知識を深めましょう。
過払い金返還請求をする為には、弁護士に依頼することが無難です。これは交渉が必要となりますからね。債務整理には、
とありますが、下記の記事に書いた様に、過払い請求だけはブラックリスト扱いされない債務整理です。
ですから、他の債務整理とは少し別枠扱いされることが多く、一部では過払い請求を債務整理だと捉えない考え方もあります。しかし、債務を整理するという意味では、立派な債務整理。大枠としては過払い請求も債務整理の一つとして数えることになります。
弁護士にも向き不向き、得意不得意があるからね!債務整理に強い弁護士、そしてそれよりも、過払い請求に強い弁護士を見つけよう!
ぴよぴよ(なるへそ)!
過払い金返還請求は弁護士にとってもおいしい仕事
その債務整理のうち、
- 任意整理・過払い請求=債権者相手に立ちまわる
- 個人再生・自己破産=裁判所相手に書類を通して立ちまわる
という特徴があり、前者には『交渉力』、後者には『調査力』が求められます。個人再生・自己破産の場合は、裁判所相手に書類を通して立ちまわるわけですが、調査力がなければ、きちんと必要な書類が何かを把握して、本人の状況を理解して、その状況にあった適切な対応を取れません。
この交渉力という部分は、決して万人に備わっているものではなく、こと過払い請求という問題に関しては、その道に詳しい専門家である弁護士に依頼することが無難であり賢明です。
そのうちの一つは、まず弁護士にとって、過払い請求が『利益になる』ということが挙げられます。利益になる。つまりかなり本腰を入れて弁護士がこの仕事に携わってくれるということなんですね。下記の記事に書いた様に、
弁護士の中には、『過払い金の請求が出来ず、大した報酬にならない』という理由で依頼を断る人もいるほど、むしろ過払い請求は弁護士にとって有難い仕事なんですね。
ですから、上手くいく可能性が高いということです。弁護士とて商売ですからね。下記の記事に書いた様に、
テレビにも出ている有名な弁護士が言っていましたが、彼らが最も引き受けたくない仕事は、
- 裁判で負けるとわかっている仕事
- お金がもらえない仕事
だと言います。『負けるとわかっている仕事をすると、負けてストレスが溜まるし、更に成功報酬も支払われない。だからやってられない。』ということなんですね。それが弁護士の本音ということです。
しかし、この過払い請求はその条件をすべて押さえています。
- 必ず勝てる
- 報酬が高い
わけですね。これは弁護士にとって都合のいい話なんですね。
そう考えると絶対に勝てるし、利益率も大きいんで、やっぱり弁護士にとって過払い請求はおいしいビジネスと言っても過言ではないよね!
ぴよぴよ(たしかに)!
おしいいからこそ拝金者が増えてしまった
2007年に出版された『合法的に借金をゼロにする方法―1人でできた! 誰にも迷惑をかけない「借金整理」と知って得する「過払い金請求」』にはこうあります。
過払い金請求は必ず勝てる!
過去の最高裁の判決で、みなし弁済規定は関係なく、過払い金の請求が認められました。これで貸金業者は過払い金請求を起こされた場合、必ず払わなくてはならないようになったのです。
現在は利息制限法の制限を超える利息は無効となります。ですから、利息制限法の計算方法で計算し直せば、ほとんどの場合、借金が減ります。それどころか、元本を超えて利息を払い過ぎていたなら、お金が実際に戻ってくるのです。過払い金の返還は債権者の義務なので、請求すればほとんどの確率で勝つことができます。
しかし、そんな側面があるからして、やはり拝金的な弁護士が現われて秩序を乱してしまった事例がありました。詳しくは下記の記事に書きました。
例えば100万円戻ってくるべきところを、
5万円しかもらえなかった。
と嘘をつき、95万円を独り占めするという劣悪なケースが出てしまっていたということなんですね。そういう『過払い金返還請求のつまみ食い』のような醜い現象が起き、一時秩序は乱れてしまいました。
しかし、記事にも書いた様に、
日本弁護士連合会は、こうしたじ事態を憂慮して、2011年4月から、過払い金請求で、裁判を通じて解決した場合は訴訟額の25%、業者との話し合いで解決したときは20%、返済金を減額して業者と借り入れ人との間を仲介して和解が成立したケースは5万円以内とする報酬規制を設けました。
- 過払い金請求で裁判を通じて解決した場合は訴訟額の25%
- 業者との話し合いで解決したときは20%
- 返済金を減額して業者と借り入れ人との間を仲介して和解が成立したケースは5万円以内
という報酬規制を設けたりして、少しずつ秩序を回復させていきました。
まあ、それだけ『儲かる』ということですね。今回のテーマの大元である『グレーゾーン金利』も、大手金融業者もこぞって出資法の最大利率である29.2%で融資をしていたわけです。それは一言、それが『儲かる』からですよね。それ以外に理由などありません。
日本資本主義の父、渋沢栄一は言いました。
『義利合一』を守れない人や企業は、必ず淘汰されます。
義と利のバランスが崩れ、利に傾き過ぎるた人や企業は、必ず淘汰される運命にあります。この金融業界のグレーゾーン金利問題、過払い金返還問題も、結局は利に傾いた金融業界の自業自得だと言えます。
お金が儲かるところには、必ず拝金的な輩が群がるものだからね!ただ、本当の成功者というものは、『群がらないような場所』から、弾み車を押し続ける人だけどね!
ぴよぴよ(うーむ、深い)!
過払い金のCMを打つ弁護士事務所の実態
さて、これでこの過払い金返還請求が弁護士に依頼した方がいいという理由がわかりました。2017年現在の弁護士となれば、もうすでに秩序が回復した後の考え方を持っている人だらけですから、かつてのように私利私欲に走って、利益を横取りするようなことはないので安心できるでしょう。
ただ、それで言うなら、2006年1月にグレーゾーン金利に関する判決が出て以来、もう11年の月日が経ちました。かつて、テレビには頻繁に過払い金返還請求のCMが放映されていましたが、あれは、その時効が近づいていたからですね。
今はもうかつてのCMの10分の1以下になりました。それは、もう金融業者がグレーゾーン金利を取っていないから、そして、過払い金返還請求の時効が過ぎているからですね。ですから今からCMを放映しても、あの頃よりもレスポンス(反応)が少ないので、広告宣伝費の方が売り上げよりも多くなってしまうという計算が働いているわけですね。
しかし、かつてほどではありませんが、現在でも過払い金は発生している可能性はあります。今でもCMで、『諦める前に、まず連絡』という形で広告を打っている弁護士事務所もありますね。
追記:ちなみに東京弁護士会は2017年10月11日、アディーレ法律事務所を業務停止2カ月、元代表の石丸幸人弁護士を業務停止3カ月にしたと発表しました。事実と異なる宣伝を繰り返したことが理由ですね。
ニュース記事にはこうあります。(弁護士ドットコムニュース編集部)
アディーレは2016年2月、「債務整理・過払い金返還請求」をめぐる広告について、消費者庁から広告禁止の措置命令を受けていた。東京弁護士会は、この広告が景品表示法に違反するとともに、日弁連の規定などにも抵触すると判断。「実際の取引条件よりも有利であると一般消費者を誤認させる」として、「極めて悪質な行為」「長期間にわたって多数回反復継続されている組織的な非行」と強く批判している。
広告を打つとその分利益を回収しないといけませんからね。つい『利』に傾いてしまうんですね。『義利合一』ということ。これでよく意味がわかったでしょう。
やっぱり僕の言うとおりになったね!今回のアディーレだけじゃなく、他の場面での他の業者でも同じことだけど、『膨張』と『成長』は違うのさ!
ぴよぴよ(うーむ、さすが親分)!
交渉の流れ
では、過払い金返還請求の交渉の流れをこのページでも簡潔に説明しましょう。
まず弁護士が消費者金融での取引履歴を取り寄せて、法定金利に基づいて、一体いくら払いすぎているのか正確な金額を算出します。そして正確な金額が算出されたら、弁護士が消費者金融に対して、返金額の交渉、もしくは訴訟、和解契約を行う形となります。
ざっと流れをまとめるとこうなります。
- 1.弁護士に依頼する
- 2.貸金業者へ取引履歴開示請求する
a.開示に応じたら
- 3.利息制限法による引き直し計算をする
- 4.貸金業者への過払い金の返還請求をする
- 5.業者と交渉をする
- 6.交渉の成立不成立が決まる
b.開示に応じなかったら
- 3.再請求をする
c.それでも開示に応じなかったら
- 4.行政指導・行政処分申告書を送付する
d.それでも開示に応じなかったら
- 5.訴訟を起こす
たまに開示に応じない業者がいます。しかしこれは逆に過払い金が発生している可能性が大きいということなので、全国各地にある財務局あるいは都道府県庁の金融課に対して行政指導・行政処分申告書を送れば、ただちに開示に応じるでしょう。
『あなたを借金返済から解放する方法』にはこうあります。
また、業者によっては取引履歴の開示請求に対して、いわゆる『0円和解』を申し出ることがあります。これは残債を請求しない代わりに契約をチャラにしようという申し出です。債務者からみれば一件有難い話のように聞こえますが、これも過払い金の存在を誤魔化そうという意図がうかがえますので、簡単に引っかかってはいけません。きちんと取引履歴を手に入れることが重要です。
取引履歴の開示請求に応じるかどうかがまず第一のポイントになるわけですね。中には、何度も請求をしても開示に応じない場合がありますから、そういうときの交渉のためにも、弁護士を間に入れるということは、心強いということになります。
取引履歴の開示請求には、応じる義務があるんだからね!それに応じないっていうのはもうすでにおかしいね!交渉をよりスムーズにさせるためには、弁護士の介入が必要だよ!
ぴよぴよ(うーむ)!
入金されるまでにかかる期間は?
『あなたを借金返済から解放する方法』にはこうもあります。
業者には開示義務がある
貸金業者からの借り入れの始まりが何年も前にさかのぼり、当時の契約書や取引明細を紛失してしまって手元に記録がない場合でも、貸金業者に対して取引履歴の請求を行うことができます。
これは法律によって債務者に認めらている権利なので、貸金業者は拒んだり、虚偽の回答を行うことができません。また、金融庁のガイドラインでも、取引履歴を債務者に開示しない貸金業者は、営業停止や登録取り消しなどの行政処分の対象になるとされています。
実際の開示請求は、貸金業者に『取引履歴開示依頼書』を郵送することから始まります。できれば書留郵便か内容証明便を使って、不開示の際の損害賠償請求の証拠にできるようにしましょう。取引履歴の開示は通常、請求から1~2ヵ月程度で行われます。
このようにして、取引履歴の開示でもたつく場合がありますが、しかし、一般的には弁護士に依頼した場合、裁判まで行かなければ、通常3~4ヵ月で過払い金は返還されることになります。
しかしこのように、取引履歴の開示でもたついたり、金額が大きかったり、下記の記事に書いたような、倒産・合併の問題が浮上したり、
あるいは裁判まで発展してしまった場合は、1年以上の時間がかかることもあるので注意が必要です。
裁判まで発展してしまう場合は、今回のケースだけじゃなくてどんなケースでも、費用と時間がかかるからね!裁判というのはそれくらい負担が大きい作業なんだ!
ぴよぴよ(たしかに)!
どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!