借金

借金していた消費者金融が倒産・吸収合併した場合、過払金は返還されない?

質問

借金していた消費者金融が倒産・吸収合併した場合、過払金は返還されない?

答え

債権というものは『財産』と考えますので、それを相続する人がいたり、権利の移譲が行われたりするので、金融会社が倒産しても同じように、誰かに債権の権利が移っている場合は、引き続きその人に支払いを続けていくことになります。

 

ただ、過払い金の請求権の時効は10年から『4ヵ月』にまで引き下げられてしまうので注意が必要です。

 

吸収合併した場合は、元々の会社に支払っていた過払い金は請求できません。しかし、合併された会社へ支払うお金は、その分を差し引きます。したがって、結果的に過払い金が返金されなくてもプラマイゼロとなります。

 

どーもっ!ものしりニワトリです!この記事に書かれた情報を、補足したり解説するナビゲーターだよ!

ニワトリ

遺産を相続する場合も同じ考え方で、相続した相手、引き継いだ相手が新たな債権者となるんだ!詳しく解説するね!

ぴよぴよ(親分に任せれば大丈夫っす)!

 

借金をしていた消費者金融が倒産するとどうなる?

借金をしていた消費者金融が倒産すると、その借金や、そこに過払い金があった場合はどうなるでしょうか。ちなみに会社の倒産については、下記の記事で基礎知識を深めましょう。

 

 

まず借金ですが、普通に考えるとその相手がいなくなると債権は消えますよね。形あるものはいずれ必ず消えてなくなります。人も死ぬし、物も壊れる。

 

私は無宗教ですが、ブッダは言いました。

ブッダ

時間は流れ、宇宙はうごめき、命の火は消え、物質は分かれる。

風は吹き荒れ、大地は鳴り響き、海は揺らいで、炎は燃え盛る。

 

この世は諸行無常であって、どんな存在も絶対的に存在し続けることはできません。これが基本的な考え方ですね。

 

借金

形あるものはいずれすべて消えてなくなるんだ!それが真理だね!

ぴよぴよ(うーむ、深い)!

この章のまとめ
  • この世は諸行無常であって、どんな存在も絶対的に存在し続けることはできない。

 

債権も同時に消滅する?

ただ、今回のようなケースを考えるとき、相手は決して『死んで消滅した』わけではないので、債権も同時に消滅したかどうか首をかしげることになります。

 

借金

 

例えば、『お金を借りた人が行方不明になってしまったとき』はどうしたらいいでしょうか。『金銭貸借の知識とQ&A』にはこうあります。

お金を借りた友人が行方不明で返せない

Q.私は友人から500万円を借りました。期限が来たので現金を用意し、借金の返済をしたいのですが、その友人が行方不明になってしまいました。このまま返済しないでもいいでしょうか。

 

A.供託することをお勧めします。

友人が行方不明の場合、弁済の提供ができれば、債務不履行責任を免れることができたとしても、いつまでたっても債務は残ったままになります。

※弁済の提供…債務者が支払をする用意を整えたということ

 

そこで、このような場合には供託をすることをお勧めします。供託とは、債権者が受領しない場合などに、弁済の目的物を債権者のために供託所に寄託して、債務を免れる制度です。供託できるのは、

 

1.債権者の受領拒絶または受領不能の場合

2.債権者の不確知の場合

 

です。あなたの場合、友人が行方不明とのことですから、2債権者を確知することができない場合といえます。

 

そこで、あなたが友人に返済すべき500万円を債務履行地のある『供託所』に寄託することができます。そして供託によって、あなたは借金を返済したこととなり、あなたの友人に対する借金はなくなります。

 

なお、供託すべきは、『弁済の目的物』ですので、一部供託では供託の効果は生じません(不足分が僅少である場合、有効と認められることはあります)。

 

このように、債権者が行方不明になったり、弁済の提供が整ったのに借金の返済を拒否されるようなことがあった場合は、供託をして借金を返済したことにすることが有効となります。

 

借金

 

借金

供託をすれば弁済の提供ができたことを証明することができるね!つまり、もうお金は用意できたから、支払ったこととみなされるよ!

ぴよぴよ(なるへそ)!

この章のまとめ
  • 『お金を借りた人が行方不明になってしまったとき』は供託をする。

 

債務者には依然として支払い義務は残る

また、下記の記事に書いた様に、弁済の提供が整ったのに返済を拒否され、後日損害賠償金を請求された場合は、その支払いをする必要は一切ありません。

 

 

民法第494条にはこうあります。

債務者は、弁済の提供のときから、債務の不履行によって生ずべき一切の責任を免れる。

 

また、『お金を借りていた人が死んだ場合』については、下記の記事に書いた様に、

 

 

借主の相続人に支払い義務が移ります。つまり、その債権者に相続人がいて、その相続人が相続放棄をしない限り、その相続人に引き続き支払いをしていく必要があるということですね。

 

こうして考えたら見えてくるように、結局債権者が、

 

  • 行方不明になった
  • 死んでしまった

 

場合においても、債務者には依然として支払い義務は残るということなんですね。債権というものは『財産』と考えますので、それを相続する人がいたり、権利の移譲が行われたりするので、その対象である金融会社が倒産しても同じように、誰かに債権の権利が移っている場合は、引き続きその人に支払いを続けていくことになります。

 

借金

 

借金

相続放棄をするなら債権は消えるよ!だけど、往々にして『財産』を放棄する人はいないよね!プラスは放棄しないよ!でも、面倒な人は放棄するか!

ぴよぴよ(たしかにちょっとめんどくさいって人もいそうっす)!

この章のまとめ
  • 弁済の提供が整ったのに返済を拒否され、後日損害賠償金を請求された場合は、その支払いをする必要は一切ない。
  • 『お金を借りていた人が死んだ場合』は、債権者に相続人がいて、その相続人が相続放棄をしない限り、その相続人に引き続き支払いをしていく必要がある。
  • 債権というものは『財産』。それを相続する人がいたり、権利の移譲が行われたりするので、その対象である金融会社が倒産しても同じように、誰かに債権の権利が移っている場合は、引き続きその人に支払いを続けていく。

 

借金を何の前触れもなく違う人から請求された場合

また、これまでの話は『債権者の権利』でしたが、逆に、債務者が持っている『過払い金の請求権』も財産として数えます。従って、債務整理の際にこの請求権を財産に組み込んで考えるということも覚えておきましょう。『お金に換わるもの』はすべて財産として数えるわけですね。

 

借金

 

しかし、下記の記事に書いた様に、借金を何の前触れもなく違う人から請求された場合は、それに対応する必要はありません。

 

 

民法第467条にはこうあります。

債権者からの通知または債務者の承諾がなければ、債務者はその譲渡の事実を認めなくてなくていい。

 

会社が倒産して違う会社に権利が移譲したり、債権回収業者に債権譲渡されたりした場合、必ずその旨を債務者に通知する必要があります。

 

借金

相続されたり移譲されたら、きちんと債務者にそれを伝えなきゃいけないんだね!そうしないと無効になるよ!

ぴよぴよ(なるへそ)!

この章のまとめ
  • 借金を何の前触れもなく違う人から請求された場合は、それに対応する必要はない。
  • 会社が倒産して違う会社に権利が移譲したり、債権回収業者に債権譲渡されたりした場合、必ずその旨を債務者に通知する必要がある。

 

過払い金の請求権の時効が4年に?

では、過払い金に関してはどうでしょうか。実は、過払い金に関しては、債務者にとって不都合な結果となる場合があります。本来、過払い金の請求権の時効は、『最後に取り引きしたときから数えて、10年』です。しかし、借りている金融業者が倒産した場合は、これが『4ヵ月』にまで引き下げられてしまうのです。

 

借金

 

そういう意味で、債務者にとっては不都合ですね。この制度を悪用して、金融業者が過払い金の支払いを逃れようとすることもあったようです。

 

借金

 

借金

10年が4か月。だから、過払い金を返したくない会社が、わざと倒産して時効の期限を縮め、支払い義務から逃れるっていうことだね!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 借りている金融業者が倒産した場合、過払い金の請求権の時効は『4ヵ月』にまで引き下げられてしまう。

 

吸収合併した場合はどうなる?

また、倒産だけではなく、吸収合併した場合でも、一見すると同じように債務者に不都合な結果になります。例えばAという会社が経営的に苦しいという理由で、B社と合併したとします。そして債務者は、A社に借りていた状況です。

 

借金

 

この場合、もしA社に過払い金があったとしても、B社と合併した後は、債務者は、そのB社に『A社時代の過払い金』を請求できないのです。これは一見すると、A社に『逃げられた』感覚ですよね。損をしたことになります。

 

しかし、実はこの場合であれば、B社に移った借金残高から、この過払い金を充当することができるので、 過払い金を請求できなくてもその分が差し引かれるため、損はしないのです。

 

例えばA社に100万円借りていて、過払い金が20万円あった場合、B社に債権譲渡された後、債務者はB社に20万円を過払い金として請求できません。

 

しかし、実はB社に移譲された借金残高は80万円。過払い金の20万円を差し引いた金額が移譲されるので、過払い金が請求できなくても問題ないんです。ですから『一見すると』と言ったわけですね。

 

借金

 

借金

合併した場合は請求はできないけど、どちらにせよプラマイゼロになるよ!差し引かれるからね!

ぴよぴよ(なるへそ)!

この章のまとめ
  • 吸収合併した場合は、元々の会社に支払っていた過払い金は請求できない。
  • しかし、合併された会社へ支払うお金は、その分を差し引くので、結果的に過払い金が返金されなくてもプラマイゼロとなる。

 

業者も『ない袖は振れない』?

ただ、

 

 

にも書きましたが、『クレジット/ローン業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』にはこうあります。

貸金業者にとっていちばん重要な法律はこれまで、貸出上限金利を規定する出資法と過度な営業行為を規制する貸金業規制法でした。しかし近年、出資法と利息制限法との金利差(グレーゾーン金利)で生じた返済金に対する『過払い金請求』が相次ぎ、貸金業者の経営を圧迫していました。

 

借金

 

過払い金を支払うということは、貸金業者にとっては大きなダメージだったんですね。また、実際に貸金業者に体力(資金)がない場合は、過払い金の返済をしようと思っても返済できませんので、本来回収できる過払い金を回収できないということもあり得ます。

 

しかし今はもう2017年ですから、2006年にグレーゾーン金利を返済する判決が出てから10年以上経つので、そもそもグレーゾーン金利が存在している可能性は低いですが、当時はこのようにして、債務者と債権者との間でせめぎあいが行われていたんですね。

 

『あなたを借金返済から解放する方法』にはこうあります。

業者も『ない袖は振れない』?

 

特に、昨今の貸金業法改正の影響や債務者からの過払い金返還請求の増加によって、貸金業者の経営状態が悪化しており、『ない袖は振れない』と返金が遅れたり、お金が戻ってこないケースが増えています。大手はともかく、中小企業の貸金業者の多くは視力に乏しく、経営基盤も脆弱なので、過払い請求が殺到したら倒産に追い込まれてしまいます。

 

したがって、過払い金があることがわかったら、弁護士に相談するなどして、なるべく早く返還請求を行うことが重要です。これは早ければ早いほどいいと言えます。

 

なお、過払い金にも金利は発生します。過払い金請求を貸金業者に請求する段階で金利分も請求しておけば、和解の際にその金利を免除する代わりに過払い金は全額払ってもらうという取引条件になるので、過払い金請求の際は金利も忘れずに請求しましょう。

 

借金

過払い請求は貸金業者にとって大ダメージだったんだ!だからなるべくそれを避けたいし、やったとしても請求額すべてを支払えなかったりするんだ!

ぴよぴよ(うーむ)!

この章のまとめ
  • 業者も『ない袖は振れない』。

 

 

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